日常



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寺地はるな『わたしたちに翼はいらない』読了
他人を殺す。自分を殺す。どちらにしてもその一歩を踏み出すのは意外とたやすい。「生きる」ために必要な救済と再生をもたらす物語
内容(「BOOK」データベースより)
もういいや。
本書は地方都市を舞台に、人間関係で鬱屈する様子を描いた作品。
三人の男女のそれぞれに対し、全く違った共感 “も” 覚えました。
内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
それは傷つける側と、傷つけられた側の意識(認識)の違い。
その絶望的な乖離が、割と一般的だと感じたから。
作中、いじめ、モラハラ、毒親etc. が扱われており、
「心の傷」がテーマの一つだったと思います。
ひるがえって、タイトルにある『翼』は孤高の象徴。
たとえば、いじめを受けていた朱音に対し、恩師の浜田先生は
雲に届くように高く飛べ。きみには翼がある(本文より)
と伝えました。
本書の肝要はこれら(発信者から見れば)ポジティブな発言を、
受信者がどう受け止めるか?だったと思うのだけれど、
僕はいささか辟易してしまったんですよね(小心者なので小声で)
なるほど、これらポジティブな意見を
しんどい。よけいなお世話。アナタは何も判っちゃいない。
受信者がそう受け取ってしまうのも普通?当然?だと思うし、
些かの反発もありません。
けれど、これじゃあ、何を言っても言わなくても
批判されてしまう(可能性がある)
そうも感じてしまいました。
気高さを、孤高を気取りたいのではありません。
ただ、人との関わりが、コミュニケーションがそんなに面倒なモノなら
もうひとりでいいや
って思ってしまいました。
孤独な僕が言っても、ただの強がりにしかならないのだけれど。
以上、本書は人間関係で生じる鬱屈。その難しさを描いた作品。
とは言え、著者の視点は明らかに弱者サイドに立っているので、
「心の傷」に思い当たる方にもたぶん大丈夫だと思います。
ひろく多くの方にお勧めです。
内容(「BOOK」データベースより)
もういいや。
本書は地方都市を舞台に、人間関係で鬱屈する様子を描いた作品。
三人の男女のそれぞれに対し、全く違った共感 “も” 覚えました。
内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
それは傷つける側と、傷つけられた側の意識(認識)の違い。
その絶望的な乖離が、割と一般的だと感じたから。
作中、いじめ、モラハラ、毒親etc. が扱われており、
「心の傷」がテーマの一つだったと思います。
ひるがえって、タイトルにある『翼』は孤高の象徴。
たとえば、いじめを受けていた朱音に対し、恩師の浜田先生は
雲に届くように高く飛べ。きみには翼がある(本文より)
と伝えました。
本書の肝要はこれら(発信者から見れば)ポジティブな発言を、
受信者がどう受け止めるか?だったと思うのだけれど、
僕はいささか辟易してしまったんですよね(小心者なので小声で)
なるほど、これらポジティブな意見を
しんどい。よけいなお世話。アナタは何も判っちゃいない。
受信者がそう受け取ってしまうのも普通?当然?だと思うし、
些かの反発もありません。
けれど、これじゃあ、何を言っても言わなくても
批判されてしまう(可能性がある)
そうも感じてしまいました。
気高さを、孤高を気取りたいのではありません。
ただ、人との関わりが、コミュニケーションがそんなに面倒なモノなら
もうひとりでいいや
って思ってしまいました。
孤独な僕が言っても、ただの強がりにしかならないのだけれど。
以上、本書は人間関係で生じる鬱屈。その難しさを描いた作品。
とは言え、著者の視点は明らかに弱者サイドに立っているので、
「心の傷」に思い当たる方にもたぶん大丈夫だと思います。
ひろく多くの方にお勧めです。



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目覚まし時計
時間になると
ふうが僕の上に乗ってくる。
仰向けなら胸に。
うつ伏せなら背中に。
横向きなら腰に。
ふうが僕の上に乗ってくる。
音でも振動でもなく。
僕は毎日、ふうの重みで目を覚ます。
ふうが僕の上に乗ってくる。
仰向けなら胸に。
うつ伏せなら背中に。
横向きなら腰に。
ふうが僕の上に乗ってくる。
音でも振動でもなく。
僕は毎日、ふうの重みで目を覚ます。



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日常



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凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』読了
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして―荒廃していく世界の中で、四人は生きる意味を、いまわのきわまでに見つけられるのか。圧巻のラストに息を呑む。滅び行く運命の中で、幸せについて問う傑作。
内容(「BOOK」データベースより)
汚い。
本書は終末の世界を舞台とした四つ(*1)の連作短編集。
残された時間の中で人々が「生きる」様子がありました。
内容はバッサリ略で一言、良かったと思います。
それは綺麗事だけではなく、人の根源にあるエゴイズム。
それが全ての登場人物に等しくあったから。
地球が滅びるまでの一か月
平時では手に入れられなかった幸せ
そして
それぞれの最期の受け入れ方
小惑星が衝突して地球が滅びる……なんて、
もう手垢のつきまくった設定です。
それでも終末が回避されない中で(回避されるモノも多いですよね)、
歓びや、安らぎ。そして愛や絆が柔らかく描かれている。
また、それらが残り時間を与えられたコトによって、
むしろ哀しみが大きくクローズアップされているんですよね。
その様子は「わかっちゃいるけど」やっぱり僕の胸を衝きました。
本作のテーマのひとつに「幸せ」があったと思います。
なるほど、友樹とその両親。友樹の友達の藤森さん。
彼等の家族に対する想い。あこがれ。
ひいては「幸せ」が四人の視点から描かれていたと思います。
一方で、僕は「幸せ」の “汚さ” について想いました。
ネタバレを避けますが、友樹たちの幸せの背景には
言い逃れの出来ない犯罪が(複数)あります。
終末の無法状態だし(仕方がない面も当然あります)、
その点だけをとって善悪や好悪を言いたいのではありません。
ただ、平時も終末も関係なく「幸せ」って
あんがい汚いな、って。
そう感じてしまいました。
以上、本書は終末にあって「幸せ」を描いた作品。
なお、(*1)で四つとしましたが初回限定特別付録として
藤森さんが主人公の『イスパハン』の一話もありました(計五話)。

掌編であり、あくまでおまけの粋を出ないのだけれど、
本編を補完する、これまた胸を衝く作品です。
出来ればこちらも併せて読んで欲しいな、って思います。
おまけ:

BGM: Mötley Crüe / 最後の歌姫。ラスト・ライブより。
内容(「BOOK」データベースより)
汚い。
本書は終末の世界を舞台とした四つ(*1)の連作短編集。
残された時間の中で人々が「生きる」様子がありました。
内容はバッサリ略で一言、良かったと思います。
それは綺麗事だけではなく、人の根源にあるエゴイズム。
それが全ての登場人物に等しくあったから。
地球が滅びるまでの一か月
平時では手に入れられなかった幸せ
そして
それぞれの最期の受け入れ方
小惑星が衝突して地球が滅びる……なんて、
もう手垢のつきまくった設定です。
それでも終末が回避されない中で(回避されるモノも多いですよね)、
歓びや、安らぎ。そして愛や絆が柔らかく描かれている。
また、それらが残り時間を与えられたコトによって、
むしろ哀しみが大きくクローズアップされているんですよね。
その様子は「わかっちゃいるけど」やっぱり僕の胸を衝きました。
本作のテーマのひとつに「幸せ」があったと思います。
なるほど、友樹とその両親。友樹の友達の藤森さん。
彼等の家族に対する想い。あこがれ。
ひいては「幸せ」が四人の視点から描かれていたと思います。
一方で、僕は「幸せ」の “汚さ” について想いました。
ネタバレを避けますが、友樹たちの幸せの背景には
言い逃れの出来ない犯罪が(複数)あります。
終末の無法状態だし(仕方がない面も当然あります)、
その点だけをとって善悪や好悪を言いたいのではありません。
ただ、平時も終末も関係なく「幸せ」って
あんがい汚いな、って。
そう感じてしまいました。
以上、本書は終末にあって「幸せ」を描いた作品。
なお、(*1)で四つとしましたが初回限定特別付録として
藤森さんが主人公の『イスパハン』の一話もありました(計五話)。

掌編であり、あくまでおまけの粋を出ないのだけれど、
本編を補完する、これまた胸を衝く作品です。
出来ればこちらも併せて読んで欲しいな、って思います。
おまけ:

BGM: Mötley Crüe / 最後の歌姫。ラスト・ライブより。



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吉田修一『ぼくたちがコロナを知らなかったころ』読了
充実の上海ブックフェア、NYのテニス観戦、そして愛猫の金ちゃん銀ちゃんのこと……。ANA機内誌連載エッセイ、いきなり文庫化!
内容(出版社内容紹介より)
きっと一緒。
本書はANAグループ機内誌『翼の王国』の連載をまとめた
“空” シリーズ第6弾(1,2,3,4,5)
旅先や日常にあった “発見” を、温かな視点で描かれています。
印象に残った2編をご紹介。
まずは『我が家の愛猫たち、祝!テレビ初出演』
吉田さんの愛猫・金ちゃんと銀ちゃんがテレビ出演された時のお話。
そこでは猫タンを相手に撮影で右往左往する人間たちの様子が、
面白く、可笑しく、愛おしく描かれていました。
実はこのテレビ番組は放送当時に「吉田さんと猫タンが出るよ!」
と古い友人から教えて貰っていました。
けれど僕の環境では(当時も今も)観る術がなく残念に思ってました。
なので今回、ウラ話(エッセイ)だけでも聞けたのが嬉しかったです。
もうひとつは『龍の鳴き声 九頭龍神社』
吉田さんが箱根のホテルで一泊し、
その帰りに芦ノ湖湖畔の九頭龍神社に参詣されたお話。
そこには吉田さんが最初の愛車を箱根で廃車にしたエピソードがありました。
で、実は僕も最初の愛車を、箱根の空を飛んで廃車にしています。
因みに吉田さんの愛車・桃子は20万円。
僕の愛車の初代・ガゼールは月々2万円の12回払いで24万円。
吉田さんが廃車したのは20歳半ばと推定され、僕が廃車にしたのは22歳。
吉田さんは僕の2つ年上であり……。
以上(?)、このお話から推測されるコトは
吉田さんと僕はもしかしたら、ほとんど同じ頃、非常に近い場所で。
ほぼ同じ値段の、同じくオンボロの、同じく初めての愛車を
廃車にした。
そんな想像をして、大変不謹慎だけれど何だかとても嬉しくなりました。
全然感想文になってなくてスミマセン。
本当は猫の金ちゃん、銀ちゃんについてもう少しあるのだけれど、
感想は控えさせてください。
以上、本書は旅先と言う非日常にあって、むしろ日常を切り取った一冊。
世代も性別も国籍も関係なく、
きっと誰もが経験してきたであろう失敗。
見つけてきたであろう喜び。与えられきたであろう優しさ。
そんな郷愁みたいなモノが沢山つまっていました。
どなた様にも安心してお勧めです。
内容(出版社内容紹介より)
きっと一緒。
本書はANAグループ機内誌『翼の王国』の連載をまとめた
“空” シリーズ第6弾(1,2,3,4,5)
旅先や日常にあった “発見” を、温かな視点で描かれています。
印象に残った2編をご紹介。
まずは『我が家の愛猫たち、祝!テレビ初出演』
吉田さんの愛猫・金ちゃんと銀ちゃんがテレビ出演された時のお話。
そこでは猫タンを相手に撮影で右往左往する人間たちの様子が、
面白く、可笑しく、愛おしく描かれていました。
実はこのテレビ番組は放送当時に「吉田さんと猫タンが出るよ!」
と古い友人から教えて貰っていました。
けれど僕の環境では(当時も今も)観る術がなく残念に思ってました。
なので今回、ウラ話(エッセイ)だけでも聞けたのが嬉しかったです。
もうひとつは『龍の鳴き声 九頭龍神社』
吉田さんが箱根のホテルで一泊し、
その帰りに芦ノ湖湖畔の九頭龍神社に参詣されたお話。
そこには吉田さんが最初の愛車を箱根で廃車にしたエピソードがありました。
で、実は僕も最初の愛車を、箱根の空を飛んで廃車にしています。
因みに吉田さんの愛車・桃子は20万円。
僕の愛車の初代・ガゼールは月々2万円の12回払いで24万円。
吉田さんが廃車したのは20歳半ばと推定され、僕が廃車にしたのは22歳。
吉田さんは僕の2つ年上であり……。
以上(?)、このお話から推測されるコトは
吉田さんと僕はもしかしたら、ほとんど同じ頃、非常に近い場所で。
ほぼ同じ値段の、同じくオンボロの、同じく初めての愛車を
廃車にした。
そんな想像をして、大変不謹慎だけれど何だかとても嬉しくなりました。
全然感想文になってなくてスミマセン。
本当は猫の金ちゃん、銀ちゃんについてもう少しあるのだけれど、
感想は控えさせてください。
以上、本書は旅先と言う非日常にあって、むしろ日常を切り取った一冊。
世代も性別も国籍も関係なく、
きっと誰もが経験してきたであろう失敗。
見つけてきたであろう喜び。与えられきたであろう優しさ。
そんな郷愁みたいなモノが沢山つまっていました。
どなた様にも安心してお勧めです。



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馳星周『ロスト・イン・ザ・ターフ』読了
亡き兄の遺した競馬バーを営む葵は、ある日、常連客と観戦に行ったパドックで芦毛の牡馬・ウララペツと目が合い、その瞬間、一目惚れする。ウララペツは名馬メジロマックイーンの最後の世代の産駒だった。だが、戦績もぱっとしないウララペツはほどなく引退することに。このままでは、彼は食肉にされる…。葵はウララペツを買い取って種牡馬にしようと決意し、兄の親友の前島やウララペツの元の馬主の穴澤とともに奔走するが…。
内容(「BOOK」データベースより)
ロマン。
本書は一頭の競走馬に魅入られた倉本葵の物語。
彼女を中心に競馬に酔いしれる人達の熱い様子がありました。
内容はバッサリ略で一言、普通です。
それはオビにある『ラブコメ』の一文字に覚えた不安。
残念ながらそれが的中してしまったから。
亡兄の競馬バーを継いだ葵
名馬・メジロマックイーンのラストクロップ(最後の産駒)のウララペツ
そして
葵の熱意に巻き込まれていく(自ら飛び込んでいく)競馬馬鹿の男達
名著『黄金旅程 EgonUrrea』が生産者の視点であるのに対し、
本作は主に競馬ファンからの視点から描かれています。
だからかな?同じサラブレッドを取り上げてはいても、
どこか温度差みたいなモノを感じてしまいました。
たとえばサラブレッドの残酷な運命や過酷な馬生。
『黄金旅程』にある生産者からみたそれを “家族” の不幸とするならば、
本作の競馬ファンからみたそれは “アイドル” の悲劇。
そんな風に感じてしまいました。
愛情の多寡ではありません。
結局、サラブレッドに『生活』を賭けているか否かの差だと思います。
一方で、競馬に関わる全ての人(含むファン)にとって、
競馬とは『ロマン』になるのでしょう。
僕は競馬に疎いのだけれど、彼等がお金とは別のトコロでも、
競馬に惹かれるというコト。それだけは良く判るような気がしました。
以上、本書は本書はノワールではなく、動物モノの『馳星周』。
中でも本書は犬ではなく馬のそれでした。
競馬ファンにはお勧めしますが、
『馳星周』と『コメディ』の交配(たとえば『アンタッチャブル』とか)
が苦手な方は回避しても良いかも知れません。
内容(「BOOK」データベースより)
ロマン。
本書は一頭の競走馬に魅入られた倉本葵の物語。
彼女を中心に競馬に酔いしれる人達の熱い様子がありました。
内容はバッサリ略で一言、普通です。
それはオビにある『ラブコメ』の一文字に覚えた不安。
残念ながらそれが的中してしまったから。
亡兄の競馬バーを継いだ葵
名馬・メジロマックイーンのラストクロップ(最後の産駒)のウララペツ
そして
葵の熱意に巻き込まれていく(自ら飛び込んでいく)競馬馬鹿の男達
名著『黄金旅程 EgonUrrea』が生産者の視点であるのに対し、
本作は主に競馬ファンからの視点から描かれています。
だからかな?同じサラブレッドを取り上げてはいても、
どこか温度差みたいなモノを感じてしまいました。
たとえばサラブレッドの残酷な運命や過酷な馬生。
『黄金旅程』にある生産者からみたそれを “家族” の不幸とするならば、
本作の競馬ファンからみたそれは “アイドル” の悲劇。
そんな風に感じてしまいました。
愛情の多寡ではありません。
結局、サラブレッドに『生活』を賭けているか否かの差だと思います。
一方で、競馬に関わる全ての人(含むファン)にとって、
競馬とは『ロマン』になるのでしょう。
僕は競馬に疎いのだけれど、彼等がお金とは別のトコロでも、
競馬に惹かれるというコト。それだけは良く判るような気がしました。
以上、本書は本書はノワールではなく、動物モノの『馳星周』。
中でも本書は犬ではなく馬のそれでした。
競馬ファンにはお勧めしますが、
『馳星周』と『コメディ』の交配(たとえば『アンタッチャブル』とか)
が苦手な方は回避しても良いかも知れません。



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放置自転車の撤去
そのお手伝いをした。
で、印象に残ったモノ。
それは子供と二人(三人)乗りができる電動ママチャリ。
他に比べて圧倒的に重かった(トラックに載せるので)。
ただ、放置されていたそれらのたいていはバッテリィが無い(外されている)。
その分、重量は軽くなっているのだけれど、気分は重くなった。
で、印象に残ったモノ。
それは子供と二人(三人)乗りができる電動ママチャリ。
他に比べて圧倒的に重かった(トラックに載せるので)。
ただ、放置されていたそれらのたいていはバッテリィが無い(外されている)。
その分、重量は軽くなっているのだけれど、気分は重くなった。



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