ドストエフスキー著 工藤精一郎訳『罪と罰(上)(下)』読了

鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、
一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、
強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと
企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。
この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に
重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を
発見しなければならなかった。
内容(「BOOK」データベースより)

驚きの面白さ。

本書はロシアの文豪フョードル・ドストエフスキーの代表作。
ロシア文学、実在主義、古儀式派etcetcと、
『難解』や『難読』のアイコンでもある作品ですが、
その実態は愛とヒューマニズムを主題とした断固たる
エンターテイメントでした。
良作(←ちょっと恥ずかしい)。

内容はバッサリ略で一言。非常に面白かったです。
正直、従前はあらゆる意味で困難を予想したし、
完走確率は半々かな?と心理的バッファを持たせて挑みました
(挑まざろう得ませんでした)。
なんせ子供の頃『カラマーゾフの兄弟』で
ケチョンケチョンにされた悪夢がまだ生々しいですからね?
そりゃあ謙虚にだってなっちゃいます(笑)
しかしそれは全くの杞憂に終わり、作品に込められた多くの題材を
(僕なりに)余すコトなく楽しむことが出来ました。

不朽の名作であり、
あらゆる角度から研究されている作品もあります。
なのでココでは内容については控えますが、ただ一つだけ。
予想に反して(まったくの意外でした!)、
希望の込められたラストには肩透かしと感動が
およそ3:7で後者が勝りました。
(読者が)ラスコーリニコフの殺人を
どの程度の心理的量刑とするかによると思うけれど、
僕はそれを差し引いても、溢れる愛を支持したい。
本当は宗教的な意味合いが(も)込められていると思いますが、
この愛は犠牲も贖罪も関係ないトコロにあると僕は信じます。

蛇足で当時の風俗や世情がまた面白くて。
中でも作中のアチコチでドイツ人が馬鹿にされているのが
印象に残りました。まぁ、舞台がロシアですからね?
仕方が無いか^^

さらに蛇足で女性の扱い方について。
時代もあると思いますが、やはり作中のアチコチで女性軽視な
描写や発言がありました。本作におけるこの問題について
「意見は無い」が僕の立場ではありますが……。
それでも妹・ドゥーニャの件で
釘を刺しに行ったラスコーリニコフに対し、
スヴィドリガイロフが嘯いた下記の発言には
思わず(?)クスッとなってしまいました。

婦人の心を屈服させる偉大な、
しかも絶対に外れのない手段を発動させました(本文より)

その手段については本書をご確認して頂くとして、
僕は驚きと共に(実体験の乏しい)納得もしたんですよね
(勿論、ニヤリともしました^^;)
古今東西、プレイボーイのテクニックって、
普遍なんですねぇ~(感嘆)

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廃人一直線

あれから

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座る場所を変え、背もたれを作り、こんな感じ。

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親子共々、廃人一直線……、

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小野寺史宜『夜の側に立つ』読了

誰にだって秘密はある。
あいつがいなくなればと思うことだって、一度くらいは―。
十代、二十代、三十代、そして四十歳になろうとする、いま。
四つの時間軸を縦横無尽に行き来して描かれる、
残酷にして誠実な青春の残滓。
内容(「BOOK」データベースより)

躊躇してはいけない。

本書は親友の死をきっかけに
二十年振りに動き出した青春の『終わり』を描いた作品。
”それ” が判るまで必要だった時間に、
どこか暗い共感を覚えます。

内容はバッサリ略で一言、非常に面白かったです。
友情、恋愛、家族、性に人生と
割りと多くのテーマが盛り込まれており、
作中の映画『東京二十三夜』ではないけれど

わかるようなわからないような話(本文より)

だった様な気もします。
けれど、それは決して嫌な感じと言う訳ではなく、
ただ単に(僕が)主題を特定することが出来無いだけのコト。
むしろ、人生を四つの時間で区切り、
交互に描ききったバランスの良さが際立ちます、
また仲間との(大げさに言えば人生の)対比も、
ありがちではあるけれど絶妙です。
主人公・野本がモテ過ぎるのがちょっと納得いかないけれど(笑)
それでも男の僕からしても彼は何故か惹きつけるところがあり、
最後まで飽きさせることがありませんでした。

ただし、些か後味の悪いラストだけがちょっと残念……
と言うか惜しい気がします。
それは本作の雰囲気(ありていに言えば世界観)から
明らかに浮いており、僕はラスト10ページがもう少し違っていたら、
躊躇無く「佳作」にしていました。
それでも多くの方にひろく(浅く^^)お勧めです。

最後に。
月並みではありますが、人生って本当に意地悪ですよね。
大切なコトが判るまで時間がかかり過ぎます。
例えば人命救助のため迷わず線路に飛び込んだ壮介。
誰もが彼みたいなスターになる必要は無いけれど、
好きな人には “躊躇なく” 好きと伝えなくちゃいけない。
悩んだり、イジケテイル暇なんて無いんですよね。
僕も”それ” が判るまで、こんなに時間が掛かってしまいました。

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喉元過ぎれば熱さを忘れる

喉元過ぎれば熱さを忘れる
と言うけれど、火傷は広がっている。
家でチンしたセブンイレブンのおでん。
喉からみぞおちのちょっと上まで、まだ痛い。

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思ったより中に入りません

折角、コタツが稼動しているのに
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まだまだお膝の方が良いみたい。
きっともっと寒くなるまでの短い蜜月。

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樋口進/監修『アルコール依存症から抜け出す本』読了

酒ぐせの悪さ?どこまで飲むと依存症?連続飲酒、離脱症状、
本人は否認する…特徴的な症状から治療法までを徹底解説。
全国厳選127医療機関リスト付き。
内容(「BOOK」データベースより)

最新の情報があります。

本書はアルコール依存症なら一度は耳にする
国立病院久里浜医療センターの院長の監修による一冊。
基本的な情報が簡潔で判りやすく解説されています。

内容はバッサリ略で一言、アルコール依存症に不案内の方が
最初の一冊を手にする場合、絶対のお勧めです。

その内容は要点だけを図解やチャートで示しており簡潔明瞭。
なのである程度学習されている方には物足りないかもしれません。
ただし、最新の医療(治療)情報には価値があるでしょう。
例えば

軽症でも支援する「ブリーフ・インタベーション」
少しでも害を減らすための「ハーム・リダクション」
アカンプロサートなどの薬で生活を改善する

等に、新しい知見がありました。
(因みに最後については5年前に当ブログでもとりあげた
ナルメフェンの最新情報がありました(コチラです))

さらにはベテラン(?)には衝撃的な内容もあるでしょう。
それはズバリ「減酒」。
僕は「断酒」しかない(さもなくば死)と
教えられてきたので(控えめに言って洗脳です)
最近では「減酒」と言う選択肢があることに衝撃を受けました。
勿論、今でもアルコール依存症の治療の基本は「断酒」とあり、
「減酒」は軽症の方に限るとありました。
皆様にはくれぐれも自己判断に頼るのではなく
専門の医療機関で判定して欲しいと思います。
それにしても「減酒」ですか……

ここからは個人的な意見・感想です。
本書の第一章「どこまで飲むと、アルコール依存症なのか」
にあるケーススタディでいきなり驚いたのですが、
そもそも「アルコール依存症」の判定がゆるい(ゆるすぎる)
と感じました。上記でも触れた「減酒」とあわせ、
昨今のトレンドは「ゆとり」と感じてしまいました(老害注意)。
ただ作中でもありましたが「断酒」と言う目標が高すぎるため、
ドロップアウトが非常に多い(多かった)のが問題視された様子。
0か1で0になるよりは、0.1でも治療を継続させることが
大切になっていると推測します。
また僕の周りで徐々に増えている
「アルコール依存症の新規入院は受け付けない」病院も
減酒外来を進める(勧める)理由ではありそうです。
僕は医者でも行政でもないのでこれ以上の意見は控えますが、
「減酒」や新薬もあって「アルコール依存症」の治療窓口は広く、
そしてその敷居は低くなったコトに間違いはありません。
もしアルコールでお悩みの方は一度本書に目を通し、
どんな治療があるのかを知るところから、
はじめていただきたいと思います。

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ポール・スタンレー、エドワード・ヴァン・ヘイレンのキッス加入話を否定

詳細はコチラ

僕は全くの初耳だったのですが、
割りと有名なお話(都市伝説)みたいですね。
なんでもデイヴとの不仲が一因とか。

でも大きな声では言えないけれど、
エディがキッスに加入しなくて良かったです。
理由は山程あるけれど、何よりエディがあのメイクだなんて……
ちょっと無いですよね(笑)

おまけ:
I Was Made For Loving You
BGM: Kiss / I Was Made For Loving You

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町屋良平『しき』読了

特技ナシ、反抗期ナシ、フツーの高校二年生・星崎。
「かれ」が夜の公園でひとり動画を流して練習する
“テトロドキサイザ2号踊ってみた”。
夢もなければ特技もない、クラスの人気も興味ない―
そんなある日、河原で暮らす友人・つくもから
子どもができたと打ち明けられて…。
内容(「BOOK」データベースより)

分かり合えるはずが無い。

本書は第159回芥川賞の候補作となった一冊。
主題である青春時代のモヤモヤとした情動。
それを模したかの様に無秩序で無責任な筆で描かれています。

内容はバッサリ略で一言、割りと面白かったです。
難点はタップリあるけれど(後述します)、
著者のチャレンジはそれだけで評価したいです。
またテーマのひとつであろう「言葉の限界」、
ひいては「コミュニケーションの限界」は
題材も調理も僕の好みでした。

主人公・星崎に限らず、本書のほぼ全ての登場人物は
他人との意思疎通に苦悩し、実際に困難な目にあっています。
その結果、それぞれがどんな境地に達するか(あるいは達しないか)
は本書をご確認していただくとして、
僕は「他人と分かり合えない」って

そんなの当然じゃん。

と割りと冷めた目で彼等を見てしまいました。
親と子、兄と弟、友人同士、恋人同士、
いくら血が繋がっていようが、愛し合っていようが
相手の気持ちが分かる、分かってもらえるなんてありえません。
例えば「相手の気持ちを考える」ってとても大切だけれど、
僕達が考える「相手の気持ち」って、
どこまで行っても主観的な想像でしかありえないんですよね。
相手の気持ちなんて数値化も関数化もされないのだから。
きっと星崎を筆頭にみんな若いからそれが判らず
(もしくは無意識のうちに拒否して)
モヤモヤ、ウジウジしているように見受けられました。
でもまた同時にそれが青春だと
オッサン(僕)は好意的に思いました。

本質において、人と人が分かり合えるはずが無い。

それを知るのは、人生のもっともっと先で良いと思います。

蛇足で本書の難点について。
今回は重箱の隅……を避けたいので箇条書きで。

・「ひらがな」が多すぎ。
・「生長」や「成長」等、同じ語句の使い分けの意図が判らない。
・視点(独白する主人公)が複数あり、しかも唐突に変る。

いづれも共通するのは非常に「読みにくい」。
そもそも文章のリズムが僕のそれと合わないのか、
最後までスムーズな読書とはなりませんでした。
それでも繰り返しになるけれど、僕は意図あるチャレンジ
(この読みにくい筆がそうだと思います)はいつだって応援します。
あざといだけのそれは困りますけどね。

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コタツデビューしました

ドタバタ購入記(コチラ)の布団で、ついにコタツデビューです。
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ついでにパッ!と閃き、冬季限定でリビングを二階の寝室へ移動してみました。

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で、こんな感じ。
我ながら廃人に向かって全力疾走している気がします。

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石井遊佳『百年泥』読了

私はチェンナイ生活三か月半にして、百年に一度の洪水に遭遇した。
橋の下に逆巻く川の流れの泥から百年の記憶が蘇る!
かつて綴られなかった手紙、眺められなかった風景、
聴かれなかった歌。話されなかったことば、濡れなかった雨、
ふれられなかった唇が、百年泥だ。流れゆくのは――
あったかもしれない人生、群れみだれる人びと……
内容(出版社内容紹介より)

ギブアップ。

本書は第158回(2017年下半期)芥川賞受賞作。
突然、南インドに放り込まれた(?)女性教師が体験する
摩訶不思議な物語。
残念ながら僕は楽しむまで到達できませんでした。

南インドで働く日本語教師
頼りになるが厄介な生徒
そして
百年に一度の大洪水

内容はバッサリ略で一言、ギブアップです。
専門的なコトは判りませんが
本書は『マジック・リアリズム』と言う

日常にあるものが日常にないものと融合した作品(Wikipediaより)

に分類されるとのコト。
それでも僕はこの手の作品(手法)が
全くの未経験と言う訳ではないんですよね。
けれど、本作は現実と幻想の間に繋ぎ目がなく(判らず)、
そのため難解度は否が応にも高まっていたと思います。
勿論このシームレスな点が高度なテクニックと承知しますが、
僕の頭では理解はおろか、洒脱?を楽しむことさえ出来ません。

百年堆積した泥
死んだはずの人と空を飛ぶ人
記憶の入れ替わり(前世の記憶?)

と、浅学ながら仏教がテーマなのかな?とも思いましたが、
自信は全くありません(笑)
「敗軍の将は兵を語らず」と言いますからね?
僕も自ら傷口を広げるのは止めておこう(笑)

蛇足でミイラについて。
作中にある人魚のミイラはないけれど、
僕は子供の頃、河童のミイラを見たことがあります。
で、ちょっと調べてみたら佐賀県にある松浦一酒造さんの
河童のミイラがヒットしたのですが(コチラ)、
これじゃなかったなぁ(笑)

僕が見たのは小学生の手の平に乗るぐらい小さくて、
真っ黒な石みたいに見えました。
そこは40年近く前の遊園地(たぶん向ヶ丘遊園地)の出店?
でしたからね。あとは推して知るべしです(笑)

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫17歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒4歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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