赤松利市『アウターライズ』読了

東日本大震災に匹敵する災禍「アウターライズ」に見舞われた東北だったが、規模に比して抑えられた被害状況を公表した。どんな対策を講じたのかと注目が集まる中で突如、東北県知事会が“独立宣言”を行った。それから三年、一切の情報が遮断された国へと変容した東北に、ジャーナリストたちが招かれる。あのとき被災地で何が起きたのか、そして新たな国の誕生を、我々はどう受け止めるのか。
内容(「BOOK」データベースより)

イマジン。

本書は再び災禍に見舞われた東北の独立を描いた作品。
被災地を復旧ではなく復興へと突き進む人々が描かれています。
彼等の信念を支えるの背景に、僕は何度も涙が溢れてしまいました。
秀作。

規模からはありえない程、被害者が少なかった理由
日本から東北国として独立した背景とその結果
そして
全てを可能にしたモノとは

内容はバッサリ略で一言、素晴らしかったです。
著者としては多分初めてのノワール(含むエロ・グロ)以外ではあるけれど、
従前の期待の10倍は良かったです。
以前のインタビュー(コチラ)で、

東日本大震災の被災地を扱うのは『ボダ子』を最後とする(著者談)

と語っていたけれど、
本作の様に角度を変えての前言撤回?なら大歓迎。
『赤松利市』は悪人やクズだではなく、
根底に愛のある人間も描けるんだってコト。
多くの方に知らしめて欲しいです。

正直、SF としては突っ込みどころ満載です。
核の扱い(詳細は控えます)、世界のパワーバランスに経済状況。
さらにシビリアンコントロールや、市民の意思統一等、
あまりにも楽観的過ぎてお話になりません。
それでも、それでも……

本書には愛があります。

それが地域愛なのか、家族愛なのか、もっと普遍的な愛なのか。
僕には判らないけれど、少なくとも『本当』を冠する愛があります。

本書は御伽噺。

けれど御伽噺だって僕達の中の何かを揺さぶるんだってコト。
皆様にも是非体験して欲しいです。

最後に。
本書の東北国独立を支えたモノに、
僕は “想像” があったと感じます。
よろしければ皆様も簡単に想像してみてください。

理不尽な死が奪う人間の尊厳
武士道の矜持とそれ故の悲劇(白虎隊)
任務に無い(ある意味で命令無視の)遺体捜査をした自衛隊

ジョンのイマジンは夢(天国)を語っていたけれど、
本書にあるイマジンはきっとその反対、たぶん地獄だったと思います。
でもだからこそ僕達を支えるモノになる。
本書はそう説いていた様な気がします。
想像力も乏しく、ノホホンと日々を過ごしている僕は、
同じ日本人として頭をパコーンと叩かれた気がしました。

最後になりましたが、
311で犠牲になられた全ての御霊に心から哀悼の意を捧げます。
また御遺族の皆様におかれましては御平安を心から祈念します。
そして復旧に貴重なお力を捧げてくれた全ての皆様に。
僕なんかがおこがましいのだけれど、
心から感謝と敬意を表します。ありがとうございました。

おまけ:
Imagines_20200331113811a72.jpg
BGM: John Lennon / Imagine

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メタラー

お姉ちゃんと一緒にラウドネス。
IMG_20200303_174403.jpg
ニイちゃん、元気だねぇ。

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【新型コロナウイルス】依存症の理解を深めるための普及啓発イベント 東京開催が無観客で【残念無念】

コチラ東京開催
イベントそのものは当然、アルコール依存症と闘う
ZIGGY の森重樹一さんも登場とあって非常に楽しみにしていました。
しかし……

Screenshot_20200221-143442.jpg

最近、僕はいろいろあって。
なので久しぶりに森重(あえて敬称略)が頑張っている様子を拝見し、
気合を入れなおそうと考えていました。
仕方が無いけれど、とても残念です。

おまけ:
ペシミストのため息
BGM: ZIGGY / ペシミストのため息

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Tag:アルコール依存症  Trackback:0 comment:0 

キース・リチャーズ、とうとう禁煙(アルコールもほとんど卒酒)

詳細はコチラ

他人の嗜好に意見はありませんが、
それでもキースですからね?
ちょっとだけ寂しい気がします。
僕が言える台詞ではないけれど

Giving up lovin', easy to do~♪

簡単に諦めちゃうの?

おまけ:
Take It So Hard
BGM: Keith Richards / Take It So Hard

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嶽本野ばら『ROCK’N’ROLL SWINDLE 正しいパンク・バンドの作り方』読了

まるで接点のなかった者同士が、音楽という共通項だけを頼りに知り合い、お互いの歴史やフェイバリット、価値観を取り交わすうち、必然的に恋に堕ち交際がスタートするが如く、バンドもまたスタートする。こいつらはアホまるだしだけど、誇るべき僕の仲間だ。愛と笑いの新型パンク小説。
内容(「BOOK」データベースより)

トリップ可能。

本書は『下妻物語』の著者がギターも弾けぬままバンドを結成し、
初ライブを行うまでの(ほぼほぼ)ノンフィクション・ノベル。
道玄坂の地下室の住人は、問答無用で読むべし。

内容はバッサリ略で一言、もうサイコー!(キャンディ^^)。
僕もハコ好きの端くれとして、
最初から最後まで興奮が抑えられませんでした。

正直、話は盛り上がりに欠けるし、既視感もタップリ。
おまけにはじめて触れる著者の筆(文体及び思考)は、
おっさん(僕)には恥ずかしさばかりが目立ちました。
それを大雑把にまとめれば「中二病」。
題材がロックでなければ途中で放り投げていたと思います。
しかし……。

猫にマタタビ、嶽本野ばらに大麻ではないけれど、
ハコ好きならこの一冊でほとんどトリップ可能です。
僕も仕事で徹夜明けなのに、寝るのを忘れてしまいました(笑)

魔太朗(僕にとっては廣嶋のドラマー)
マティ(僕にとっては FURS で Rama Amoeba で店長^^)
HATE HONEY(僕にとっては勿論、高木フトシ!!)
そして
道玄坂の地下室……

これらにピンと来た方は、読まないと人生損しますぞ?

蛇足:
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初版、P165-6行目。
『野ばらちゃんの好きなパンクが
SONIC YOUTH や NIRVALA のオルタナ系なら…』の
“NIRVALA” は “NIRVANA” の誤りです。
自分のアイドルなのに間違えるなんて!って思ったけれど、
もしかして「ニルヴァーナ」を「ニルばーら」って、
“ばら” にかけたのかな?
でもココ以外は全部 “NIRVANA” になっているしなぁ(笑)

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角田光代『希望という名のアナログ日記』読了

少女時代から作家としての半生までを振り返る感動的な回想から、愛してやまない忌野清志郎論、シャネルN°5のドキュメント、そして、恋愛と結婚、美味しい旅の記憶までを鮮やかに描いた充実のエッセイ集。珠玉の名短篇『それぞれのウィーン』を特別収録。
内容(「BOOK」データベースより)

ロックと小説。

本書は様々な雑誌に掲載されたエッセイを集めた一冊。
あとがきに「統一感がない」と自嘲?されていましたが、
それでも『角田光代』の筆と言う心地良い質感は一緒です。

世話になった編集者からの最後の手紙
二十歳の私の目的地と五十二歳の私の未知
そして
永遠を具現化したシャネルNo.5

内容はバッサリ略で一言、しみじみと良かったです。
日常に発見する小さな記憶、生活に溶け込んだ習慣。
そんなある意味で人生を支えるアレやコレやを、
角田さんらしい割と淡々とした(しかし情熱を隠し切れない)
筆で描かれています。上手く言えないのだけれど、
読後は「身が引き締まる」。そんな印象となりました。

正直、所詮は寄せ集めだし、
エッセイ集の中でも大作?には程遠いと思います。
けれど、どれも水準以上だし、
少なくとも失望するようなコトはないでしょう。
ファンだけでなく、どなた様にも安心してお勧めです。

蛇足で僕のお勧めをご紹介。
それは『「好き」とは違った』の一編であり、
そこには角田さんの背骨となっている
ロックと小説について述べられていました。
その詳細は本書をご確認していただくとして、
僕は何度も「うぉー!」って叫びたくなっちゃったんですよね。
でも共感したところを挙げればキリがないから、
ここでは一つだけ。

大人になればロックは聴かなくなるのだと思っていたけれど、
私は今もロックが好きで聴いている(本文より)

僕は何か赦された、肯定された様な気分になりました。
角田さん、これからも一緒にロックを愛し続けましょうね?
時代遅れのアナログな音楽だけれど、
僕達にとってロックは永遠だし、<希望>なのだから。

おまけ:
雨あがりの夜空に
BGM: RCサクセション / 雨あがりの夜空に


写真のアルバムは『the TEARS OF a CLOWN』
『武道館で見たくらいに小さいけれど、でも見える』の一編にあった、
角田さんがRCサクセションにはじめて触れた日比谷野外音楽堂のライブとは
このアルバムのそれではないでしょうか?(1986年だし、割と強い確信)
ロック好きとして、清志郎好きとして、万感がこみ上げます……。
読後に聴いた今夜の『雨あがりの夜空に』も、格別に響きました。


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モトリー・クルー、ファイナル・ツアー時に署名した契約書を爆破! 再結成を発表

詳細はコチラ

U2の来日もそうだけれど、なんで今頃なんだろう。
二人の間に、なにもかもが遅すぎる。

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La vie en rose

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Lazy Lazy Lazy Afternoon♪

おまけ:
La vie en rose
BGM: 吉川晃司 / La vie en rose

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Little Wing

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お目当てのアーティストは別。それは秘密。
ただ対バンの彼等が良かった。
コントラバス、ギター、マンドリンの3ピース。
この編成で T. Rex の 20th Century Boy を演るなんて!
さらにはサブジェクトの Little Wing が良かった。
ジミヘンのミディアム・バラード。
ロック好きなあの娘の顔が頭に浮かんでしまいました。

Fly on little wing

小さな翼で、今も飛びまわっていて欲しい。

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村上春樹『1973年のピンボール』読了

さようなら、3(スリー)フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との〈僕〉の日々。女の温くもりに沈む〈鼠〉の渇き。やがて来る1つの季節の終わり――『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く3部作のうち、大いなる予感に満ちた待望の第2弾。
内容(出版社内容紹介より)

レクイエム。

本書は「鼠三部作」の2作目(1,2,3,ダンス*3
前作に引き続き、過ぎ去った青春の1ページが描かれていました。

内容はバッサリ略で一言、なんだか良かったです。
上手く言えないのだけれど、取り戻せない “過去” の引力。
その強さ、大きさみたいなモノが、
僕の遠い(そしてささやかな)記憶と重なる気がしたから。
きっとそれを「後悔」や「未練」とまとめるのは簡単だけれど、
人の心はそんなに単純じゃないですよね。
言葉に出来ないそんな想いを、本書はよく顕していたと思います。

ただ本作も「続編のセオリー」から逃れていない気がします。
前作の瑞々しさがスポイルされ、
過剰に増えた比喩は鋭さに欠けている。
全体的にやや鈍重(デコラティブ)に感じてしまいました。
それでいて熟れない筆は、まだ青い果実を想起させたりもして。

またこれは個人的なコトですが、
僕はつい最近『ノルウェイの森』を読んでいました。
なので直子のその後?や彼女の背景を
ホンの少し知っていたけれど(彼女を同一人物とするならですが)、
本書だけでは手がかりが少なすぎて、いささか不親切な気がしました。

それでも極めて個人的であり、
ある意味で温かい記憶の中にあって、

物事には必ず入口と出口がなくてはならない(本文より)

さらには

何処に行ったって結局同じじゃないかともね。
でも、やはり俺は行くよ(同じく本文より)

とあったんですよね。
それは著者が読者に向かって込めたメッセージ、
青春のレクイエムだったのではないでしょいか。
僕はもう老いてしまったけれど、これからも留まらず、
必ず出て行かなければ。

おまけ:
Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
BGM: The Beatles / Norwegian Wood (This Bird Has Flown)


『RUBBER SOUL』はビートルズの中でもかなり好きなアルバムです。
残念ながら、作中の “僕” はこれを嫌悪(?)するのだけれど、
それは一体どんな理由なのかな(作中に記述はありません)
2曲目の『ノルウェイの森』と何か関係あるのでしょうか??

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫19歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒5歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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