森博嗣『森遊びの日々』読了

創作、工作、思索―日々思うこと、考えていること。181日分。
内容(「BOOK」データベースより)

『老い』は可愛い。

本書はブログ「店主の雑駁」をまとめた二冊目(1,2
今回は 2018/1/1 から 2018/6/30 までが掲載されています。

内容はバッサリ略で一言、あれ!?なんか良いな(笑)

僕は著作の95%は読んでいると思います(学術書などは未読)。
なので、最近のエッセイや新書には
少なくないマンネリを感じているんですよね。
それは本書でも同じこと。
けれど、今回は著者の問わず語り(?)が、
何故かスンナリ受け入れられました。
清流のようにサラサラと、超伝導のようにスルスルと(笑)

で、その理由は本書が「日記」だったからかな?
と、ふと思いました(勿論、僕の精神状態もありますが^^;)
日記だから身辺記録?以外に格別なテーマはなく、
雑談は余白を埋める程度の軽さでしかない。
で、この軽さが功を奏した様な気がしました。
きっと、授業でも、お小言でも同じですよね?

同じこと(二度目以降)はサラっと流してもらう。

これが良かったんだと思います(笑)

蛇足で『老い』について。
それは2/24の日記にあったのですが、
かつては『老い』と言う文字には良い意味しかなかった。
反対に『若い』は非難する言葉だった、とありました。
その詳細は本書をご確認していただくとして、
僕が老人だから、って訳ではないけれど、
強い説得力を感じました。
また、おまけのコメントに

老犬、老猫は可愛いものです。
老けるほど可愛くなります。(本文より)

とあったのですが、
本書の中で一番の拍手喝采となりました。

僕はえる坊(雉猫)と暮らしてもうすぐ19年になります。
そして、える坊の、老猫の可愛さは
ある意味で子猫を軽く超えているんですよね。
それは色々あるのだけれど、老猫の可愛さは
いつでも(そこにいなくても)感じられるコトにあります。
例えば僕なら「える坊」って名前を思い浮かべる、ただそれだけで
愛おしさに胸が苦しくなります。
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井上尚弥『勝ちスイッチ』読了

王者は何を考えて、何を考えないのか。「結果の出る生き方」を作る思考術。
内容(「BOOK」データベースより)

ドネア戦の後だからこそ面白い。

本書はボクシングの世界王者(沢山あるので詳細は略)
モンスター・井上尚弥選手による一冊。
オビにある「思考術」と言うほど堅苦しさは一切無く、
ボクシングに真摯に取り組む一人の青年の姿がありました。

内容はバッサリ略で一言、面白かった!!
それは兎にも角にもドネア戦が終わった後に読んだから。
結果を知った上で、戦前にある井上尚弥選手の予想?に
驚きと感嘆が等分となりました。

例えば、第2ラウンドに被弾したドネア選手の左フック。
本当に凄かったですよね。
僕は WBSS が始まるとき、トーナメント参加者を見回して、
ドネア選手が一番怖い。彼の左フックが最も危険だ。
そう怖れていました。しかしその危険な一発を受けてしまい……。
って、全くのド素人、けれど長年のボクシング大ファン(僕)
の話は長くなるのでこの辺で(笑)

兎に角、第2ラウンドです。
もう少し正確に言えば第2ラウンド前のインターバルです。

この一点だけでも、井上尚弥選手が常日頃から、
さらにはこの一戦でどれほど感じるモノがある(あった)のか。
それを踏まえて試合を振り返ってみると……。
いやはや、その道を極めた人(井上尚弥選手)の感性には、
もはや唸るしかありませんね。

ファンとして書きたい事は山ほどあるのだけれど、
最後にもう一つだけ。
それはWBA世界バンタム級王者を賭けて戦った
ジェイミー・マクドネル選手についてです。
詳細は本書をご確認していただくとして、
井上尚弥選手がマクドネル選手とのファーストコンタクトで得た結論。
それはたった一言で顕されていたのですが、
僕は井上尚弥選手の冷酷さみたいなモノを感じて、
ちょっと背筋が冷たくなりました。
普段の井上尚弥さんはベビーフェイスで好青年だけれど、
リング上の彼は冷たいまでの恐ろしさです。

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村岡恵理『ラストダンスは私に 岩谷時子物語』読了

越路吹雪のマネージャーであり、加山雄三やザ・ピーナッツほかの大ヒット作詞家・岩谷時子は、二つの輝きで時代を駆け抜けた。「アンのゆりかご」(連続テレビ小説『花子とアン』原案)著者が、関係者への詳細な取材と、貴重な資料をもとに初めてときあかす岩谷時子の歓喜と涙。
内容(「BOOK」データベースより)

繰り返せるなら。

本書は越路吹雪のマネージャーであり、
作詞家としても活躍された岩谷時子(敬称略)の物語。
昭和と言う時代に生きた一人の女性が、
淡々とした筆で描かれています。

生涯にわたる越路吹雪との絆
昭和の大スター達との交流
そして
愛を求めながら独身をつらく

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
正直、昭和の芸能界では割と良くある話だとは思います。
けれど、岩谷時子は海千山千が蔓延る中にあって、
裏方の女性マネージャとして孤軍奮闘された。
さらには作詞家としてオモテ(?)でも活躍されるなど、
華々しい経歴は賞賛に値します。
きっと現代に比べたら当時は男尊女卑の傾向が強かったでしょう。
それでいて所謂キャリアウーマンのイメージが沸かないのは、
彼女の楚々としたお人柄にあったと思いました。

多くは控えるけれど、彼女の愛は男女の恋愛より、
家族の愛に向けられていたんじゃないかな。
また家族と言ってもそこに血の繋がりは関係なく、
ある意味で肉親の情に飢えていたのだと思います。

ここからは蛇足で私信。
この本のタイトルを見たときから、
胸のザワつきが止まらなかった。
理由は君なら判るはず。

愛しては失う、その繰り返しだった(本文より)

でも繰り返せるなら、って思ったよ。

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夏川草介『勿忘草の咲く町で ~安曇野診療記~』読了

命の尊厳とは何か―?答えのない問いに必死で向き合う若き研修医と看護師の奮闘を描いた、感涙の連作短編集。
内容(「BOOK」データベースより)

『楢山節考』が良い。

本書は安曇野の小規模病院を舞台にした4つの連作短編集。
「高齢者医療」に正面から向き合っており、
命の尊厳について深く考えさせられました。
良作。

花屋の息子の研修医
配属された地方病院
そして
増え続ける高齢患者

内容はバッサリ略で一言、ダメだこりゃ。
本書は登場人物が一新したとは言え、
中身はまんま『神様のカルテ』。
なので既視感タップリなのだけれど、
イチイチが僕をダメにします。
どの話だって鼻水が出るし、涙も出る。

花粉症にはまだ早い!

って、文句のひとつも言いたくなりました(感涙)
それでもシリアスなテーマに反して、
読後の爽快さは他に類をみないんですよね(キッパリ)。
何かとストレスの溜まっている皆様に、
極上のデトックスとして如何です?

因みに『神様のカルテ』に比べて、
明らかに『萌え』が強化されています。
それは多くあるのだけれど、たとえば

だめなわけないでしょ(本文より)

に、オッサンは年甲斐も無く鼻血が吹き出ました(誇張)
医療の話なのに、コレどんすんの?(笑)
また「患者を引く男」の様子も数行ほどあり、
『神様のカルテ』の大ファンとしてとても嬉しかったです。

最後に。
本書のテーマに「高齢者医療」があったと思います。
例えば、発達した医療のおかげで救われる命が劇的に多くなった。
その反面、増え続ける高齢患者に、医療の現場は、福祉の財源は、
各種の危険に晒される次世代は、もはや耐え切れなくなっている。
そんな様子を本書は冷徹に突きつけていました。
その詳細は本書でご確認していただくとして、
僕個人に関して言えば「高齢者医療」は

『楢山節考』が良い

と考えています。
こんな僕でも多くの人に愛され、守られ、支えられ、
今日まで生かされて来ましたからね?
この命を最後まで諦めるコトはできません。
けれど、そんな大切な僕の命だからこそ
最後は(消えるコトで)次世代に繋ぎたい。
その時が来たら、救わず、悲しまず、罪悪感を覚えることなく、
笑って僕を見送って欲しい。そう願います。

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米澤穂信『Iの悲劇』読了

一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香。出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和。とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣。日々舞い込んでくる移住者たちのトラブルを、最終的に解決するのはいつも―。徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!そして静かに待ち受ける「衝撃」。これこそ、本当に読みたかった連作短篇集だ。
内容(「BOOK」データベースより)

コンパクトシティ。

本書は限界集落の問題を炙り出す連作短篇集。
Iターン事業における行政側の本音と建前に、
考えさせられるものがありました。

都合が良すぎる失火
親睦会の食中毒事件
円空仏の祟り
そして
転出を促すみえない力

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。

初出のある比較的長い4編には、簡易ながらもトリックがあり、
ミステリィとしてもそれなりに楽しめます。
また、それ以外の書き下ろしの4編は
作品に一本の柱を通す役目を果たしている。
単独では兎も角、連作とするには欠かすことの出来ない話
ではあったと思います。
結果、各話の強度(?)にバラツキを感じたけれど、
全体を通してみれば「面白さ」より「上手さ」が目立つ。
そんな一冊だったと思います。
いささかブラック成分はあるものの、過激な犯罪や被害も無く
ひろく多くの方にお勧めです。

ネタバレに直結してしまうので内容には触れません。

ただ、本作で示された「Iターン事業」への疑問。
ひいては限界集落に対する行政のあり方について、
僕は

コンパクトシティしかない

そう考えています。
勿論、歴史や住民感情を蔑ろにするつもりはないので、
何が何でもコンパクトシティじゃなきゃダメ!!とは言いません。
わが国は民主主義ですからね?全ては選挙で決めれば良く、
僕なら(作中の)飯子市長には投票しない。それだけです。

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玄侑宗久『中陰の花』読了

自らの最期を予言した「おがみや」ウメさん。その死をきっかけに僧侶・則道は、中陰という“この世とあの世の中間”を受け入れていく。
内容(出版社内容紹介より)

本書は第125回(2001年上半期)芥川賞受賞作。
「死」を仏教にある恒久的な観点と
宗派に囚われない現代的な視点で描かれていました。

先ずは表題作の『中陰の花』
「おがみや」のある意味で予定された死と、
四年前にあった妻の突然の流産。
その二つの死を僧侶・則道を通して語られています。
その詳細は本書をご確認していただくとして、
僕は本筋とは少し外れたトコロで、
流産を経験した妻・圭子の心痛をただただ想ってしまいました。

「わかる」ことのために
これほどのエネルギーを注ぎ込めはしなかっただろう(本文より)

紙縒りで無くなった指紋の様に、
彼女の哀しみも消えてなくなれと願います。

もう一つは『朝顔の音』
望まぬ妊娠と、その後事件にもなった死産。
これらを経験している30歳女性・結子のお話です。
こちらも詳細は本書をご確認していただくとして、
残念ながら僕にはこの物語の真意みたいなモノが判りませんでした。

お話自体は簡単です。

その世界観も(僕なりに)再生できるし、
込められたメタファも割と簡単に想像できた。
でもそれ以上が感じられないんですよね。
ただ、もし著者が哀しみ “だけ” を描きたかったのならば、
この作品はやや稚拙な気がします。

以上、本書にある二作品は
いづれも僧侶(著者の本職)らしい死生観が印象的でした。
機会があれば「死」を突き詰めるのではなく、
割と気軽な気持ちで一読されては如何でしょうか。

ここからは蛇足。
僕は宗教でも、「おがみや」でも、
もっと言えばインチキであったとしても。
「生きる」のが楽になるのならじゃんじゃん活用すれば良い。
そう考えています。それは死者に対しても同じコト。
彼等の死を、

どれだけ自分勝手に解釈しても構わない

僕はそう考えています。

生者が少しでも楽に生きる

現世においてこれ以上に大切なコトは、
ありません。

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くにたち図書館・システム更新完了

無題
システム更新に伴う長期休館中は、ネットで予約も利用状況確認も不可。
大変不便を感じていましたが、漸くの再開です。
で、早速リニューアルされた HP にアクセスしたのですが……。

無題2
なんと!?いまどき「赤と緑」の組み合わせ(交互に縞模様)です。
誰かユニバーサルデザインを指摘しなかったのかな??
不特定多数向けのモノには、色弱の方にも配慮が必要なコト。
デザインのデの字も知らない、ただのプログラマ(僕)でも常識です。
ちょっと残念だけれど、民間企業ではない「甘さ」を感じてしまいました。
僕の大好きな図書館ですからね。皆様にも愛されて欲しいです。

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麻宮ゆり子『仏像ぐるりの人びと』読了

浪人時代に交通事故に遭い、大手術とリハビリ生活を余儀なくされた雪嶋直久。家族関係に鬱屈していた彼は、東京を離れ、京都の冥王大学へ入学。仏像修復師・門真のもとでアルバイトを始める。地味ながらも奥深い作業に次第に引き込まれてゆく雪嶋。だが、作業場にたまに姿を現す、門真の従姉妹・もえ美のことはあまりいけ好かない。そんなある日、門真から、腕を七本も失くした謎の仏像を見せられる。その正体を探るべく、大学の「のんびり仏像めぐり研究会」を訪れた雪嶋は、天真爛漫な部長・今岡と、金髪のイケメン宇田に出会い―。
内容(「BOOK」データベースより)

仏像と猫。

本書は交通事故によるハンデを抱えた青年の物語。
仏像修復を通して、成長する様子が描かれています。

内容はバッサリ略で一言、じんわりと良かったです。
それは何より大人たちが格好良かったコト。
主人公・雪嶋クンも好青年なのだけれど、
僕は彼を見守る大人たちにより一層の共感を覚えました。

正直、物語は割りと淡々と進むし、
個々のイベントや人物の必然性も乏しく、
やや散漫な印象を受けながらの読書でした。
しかし、ちょっと警戒していた(笑)修復師の門真をはじめ、
雪嶋クンの母や父も、それぞれの最後の最後、
僅か数行で眩いばかりの存在感を示したんですよね。
それは雪嶋クンを見守ったこと。
またその見守り方もそれぞれだったけれど、
一つだけ共通する点がありました。それは雪嶋クンを

旅立たせたこと。

彼を自分の手元に置かず、助けず、導かない……。
勿論、両親からはお金の援助があるし、居候の許可もありました。
けれど精神的な意味では完全に手を離しています。
でもそれは完全に良い意味であり(決して教育放棄ではない)、
むしろ可愛い息子を、有能な後輩を失う痛みを黙って引き受け、
傷む姿は雪嶋クンに見せない……。
そんな大人たちに、恥しいけれど涙腺が緩んでしまいました。
大好きだからこそ、

手放す愛。

辛いけれど、それは大人の義務だと感じました。

蛇足で仏像と猫について。
作中、門真は雪嶋クンに対し「仏像は鏡みたいなモノであり、
人の気持ちを映し返す」と説きます。その上で、

仏像からメッセージを感じたのだとしたら、
それはたぶん、君自身が発しているメッセージ(本文より)

と続きました。
その詳細は本書をご確認していただくとして、
僕はこの一文から我が家の娘達を想ってしまいました。
僕はいつでも、無意識のうちに娘達に話しかけているし、
また娘達の声を、メッセージを返してもらっている。
勿論、娘達は人間の言葉なんか理解しないし、話しません。
けれど僕は間違いなく娘達の声を、メッセージを
受け取っているんですよね。
なので、雪嶋クンの仏像は、僕の場合は娘達(猫)であり、
自分の本音を映し返す鏡である。そう感じました。
さらに言えば

読書だったり、マラソンだったり、一人酒だったり。

きっと人それぞれだと思うのだけれど、
自分の本音を映し返す鏡は誰もが持っている。
そんな気がしました。
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森博嗣『つんつんブラザーズ The cream of the notes 8』読了

実は、すべてのものが「いなくなる」運命にある。生きていることこそ、奇跡的な状況なのだ―。都会を離れ、森に暮らす人気作家が考える、社会のあり方、日々の送り方。少しだけ発想を変えれば、目の前の世界がまったく新しくなる。素朴な疑問から導かれる深い答えが衝撃的な、大人気エッセィ・シリーズ第8弾!
内容(「BOOK」データベースより)

反動なんてない。

本書は『クリーム』シリーズ第8弾(1,2,3,4,5,6,7,8
いつもの通り無作為な100のエッセィが収められています。
今回はいつもより自身に関する話題が多い印象ですが、
それでもノイズの範疇でしょう。結局、いつもの通りです(笑)

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
その理由はコレといって思い浮かばないのだけれど、
以前に比べて「判りやすい」とは感じました。
きっとこれは読者サービスなのでしょう。
加えて読者がサービスを受ける心地良さを、
本書の面白さと勘違いする。
そんな効果を狙ったものかも知れません(笑)

自身に関する(具体的な!)話題も多かった印象です。
これも読者サービスだと思うのだけれど、
それでもビスケットの RITZ の話や、スニーカの話。
なにより毛髪の話なんて、内容そのモノよりも、
驚きのうほうが先に来てしまいました。

あの森博嗣とあろう者が!(←21項のオマージュ^^)

って。
まぁ僕の勝手なイメージは置いておくとして(笑)、
『森博嗣』は新しい著作ほど読者に優しい傾向はあると思います。
因みに『森博嗣』の何から読めば良いか?と尋ねられたら、
僕は以前から「エッセィ。新しければ新しいほど良い」
と答えています。

最後に。
『「つながりたい」という欲求はどこから来るのだろう?』
の一遍の中で著者は

ネットで繋がろうとする人は多いが、
今後はその反動がくるであろう

と予測されています。
その詳細は本書をご確認していただくとして、僕は

反動なんてない

と推測するんですよね。
当然、全くゆり戻しが無いわけじゃないけれど、
基本的にリアルの繋がりを減らし、
ネットの繋がりを増やす(主にする。大切にする)。
そんな傾向は今後も止まらないと考えています。
その理由は、ネットはリアルに比べて

簡単に繋がりを断てる。

この一点に尽きると思います。
その是非は兎も角、断つ、断たれるのどちらも経験した、
僕の実感でもあります。

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山崎ナオコーラ『リボンの男』読了

専業主夫の時給は、いくら?野川沿いの道を3歳のタロウと歩きながら常雄が発見した、新しい“シュフ”の未来。各紙誌絶賛の感動作!
内容(「BOOK」データベースより)

ヒモもリボンも同じ。

本書は育児を担う専業主夫を扱った一冊。
経済的に女性(妻)に頼っている男(夫)はヒモか否か?
そんな問いかけが淡々と描かれていました。

結婚相談所で結ばれた夫婦
外で稼ぐ妻と育児を担う専業主夫
そして
時給で計る人の価値

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
それは三歳の息子・タロウ君を含めた家族三人が、
慎ましく、しかし自分を飾らずに生きていたから。
当然、そこには各々立場から不平や不満がありました。
なにより “不安” が一番大きかったと思うのだけれど、
家族で寄り添いながら歩もうとする姿勢に心が打たれました。

正直、物理的にも内容的にも空白(行間)が大きく、
読者自身よる補完や省察が必要な作品です。
それでも専業主夫or主婦及びそのパートナの方には
一読をお勧めしたいと感じました。

最後に。
本書のテーマに

「主夫」はヒモかリボンか?

があったと思うのだけれど、僕は同じだと感じました。
どう言葉を飾ろうが「お金を稼がない」コトに変りはない。
でも、それ以上でもそれ以下でもないのでは?

きっとヒモかリボンか?は
評価者の違いでしかないのでしょう。
例えば専業主夫を世間が評価すればヒモで、
パートナ(女性・妻)がすればリボン。
また一方で、仮に自分が専業主夫になったとき、
自分の評価者は一体誰が良いか?
が本書の命題だったのではないかな。
僕なら世間よりパートナに評価されたいし、
それがみどりさんみたいな女性なら最高。
結局、僕は世間の評価なんて

どうでも良い

と考えると思います。
なので僕にとってはヒモもリボンも同じことだし、
そこに意味はありません。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫18歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒5歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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