伽古屋圭市『かすがい食堂』読了

憧れの映像業界に入ったものの、激務によって心身ともにダメージを負った楓子は、祖母が営む東京・下町の駄菓子屋「かすがい」を継いだ。一ヶ月経ち「おばちゃん」と呼ばれるのにも慣れた頃、夕刻にやって来てきっちり三百円分の菓子を買って帰る少年の存在に気づく。事情を察した楓子は、店の奥の台所で食事を提供することにした。貧困や摂食障害など問題を抱える子どもたちを迎えるのは、肉汁あふれるハンバーグ、ごはんが進む野菜炒め、つくるのも楽しいロールキャベツ、みんなで囲む寄せ鍋…!!賑やかで温かい食卓が、居場所を失った子どもたちを救う。
内容紹介(「BOOK」データベースより)

So what?

本書は駄菓子屋「かすがい」を舞台とした物語。
ちょっとお節介な主人公・楓子と、サポート役?の祖母の姿がありました。
佳作。

内容はバッサリ略で一言、とても良かったです。
それは問題を抱える子供に寄り添いながら、
しかし決して無理強いをしない。
そんな楓子とおばちゃんに学ぶところがあったから。

一方で、慢心?する親たちには諦観みたいなモノを覚えました。
例えば、夕食を駄菓子で済ませる翔琉君に、善意で食事を用意する楓子。
しかし翔琉君の母親は楓子に対してに「資格があるのか!」と詰め寄りました。
その詳細は本書をご確認していただくとして……
僕は楓子にこう言い返して欲しかったです。

それがどうした?(So what?)

って。

また本書は貧困やいじめも扱っており、
それはそれでまた別種の厄介な問題でもありました。
それでも、どんな理由があったとしても、そんなの一切関係なく。

子供を守るのは、別にその子の親 “だけ” でなくても良いのでは?

僕はそう思います。
親に出来ないコトがあるのなら、僕達周囲の大人が協力すれば良いだけのコト。
それは(親子の両方とも)全然恥ずかしいコトじゃないと思います。

以上、本書は食を通して子供達に寄り添った食堂の物語。
子供のセキュリティが叫ばれる時代に、
古臭い(現代に通用・適用出来ないであろう)意見だと自覚はあります。
けれど、舞台が昭和の象徴?の駄菓子屋なので、今回は許してください。

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谷川直子『愛という名の切り札』読了

それがあたりまえだと結婚した主婦の百合子。心変わりを理由に離婚を迫られるライターの梓。結婚にメリットなしと非婚を選ぶ娘の香奈。制度にとらわれず事実婚で愛を貫く若い理比人。結婚、離婚、非婚、事実婚を問いかける本格小説。
内容紹介(「BOOK」データベースより)

ババ抜き。

本書は結婚の意味を問う一冊。
多種多様な側面が提示されており、多くが身にしみました。

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
それは愛と結婚は全く別物である(yuki意訳)とあったから。

で、ここで話はクルリンパ。
昭和世代は兎も角、
現代の若者には結婚はデメリットの方が多いと感じます(個人的な感想です)。
長くなるので控えるけれど、その点では現代っ子で結婚を望まない香奈に、
(裏腹な思いもあるのだけれど)共感してしまいました。
また理比人は香奈よりも自己中(自己愛)を強めに感じたのだけれど、
事実婚を選んだ理由に一定以上の理解は出来ました。

因みに結婚が当たり前の世代だった百合は
娘・香奈に結婚のメリットを説明しようと試みます。
その一つが二人で暮らすことにより節約できる居住費や光熱費。
さらに各種補助や免除による節税があったのですが……。

でも、金銭的な意味においても、
結婚はリターンよりもリスクの方が大きいですよね。
たとえば離婚時なんかに。

またタイトルの『愛という名の切り札』にある “愛” とはまさしく Joker。
でも僕はトランプ・ゲームの『大富豪』のそれではなく、
『ババ抜き』の方の Joker を想像してしまいました。
結局、結婚と言う制度の上では、
愛(≒Joker)はメリットよりもデメリットの方が大きい。
本書にはそうあった様に思います。

以上、本書は結婚の意味を現代的に問うた一冊。
特に意見は無いのだけれど、効率や確率。
そして予想される未来(我が国の経済情勢等)。
一つ上の世代として責任を感じますが、
現代の若者に結婚のメリットが減少して当然だと感じました。

それでも、愛は、結婚は。
それだけではないのだけれど。

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山内マリコ『選んだ孤独はよい孤独』読了

地元から出ないアラサー、女子が怖い高校生、仕事が出来ないあの先輩…誰もが逃れられない「生きづらさ」に寄り添う、人生の切なさとおかしみと共感に満ちた19編。情けなくも愛すべき男たちの「孤独」でつながる物語。「女のリアル」の最高の描き手・山内マリコが「男のリアル」をすくいあげた新たなる傑作!
内容(「BOOK」データベースより)

そうでもない。

本書は実力の無さが “孤独” に繋がってしまう男たちの物語。
リアリティを感じるモノとそうでもないモノがおよそ 1:3 でした。

ここからはいくつかを見繕って一言感想を(なんせ19編もあるので)。

『男子は街から出ない』
これはちょっと判るような気がしました。
ただ、ボーリング(遊技場)は、バブル前後で全く印象が変わった気がします。

『女の子怖い』
花音ちゃんは極端。
でもまぁ、女子はこんなモンだと身構えておくのが吉かも(小声で)。

『「ぼく」と歌うきみに捧ぐ』
男性を誤解されている様な気がしました。
勿論、そう感じる男性もいるのでしょうが、
僕が観察するトコロ、そんな男性を見たコトがありません。
きっと多数の男性は気にも留めていないのでは。

『あるカップルの別れの理由』
別れの話なんだけれど、意外に爽やかな印象が残りました。
うん。お互いに次に行こう。次、次!

『ぼくは仕事ができない』
イマドキ、飲みにケーションって(白目)
そんなの逃げちゃえ、逃げちゃえ。

『いつか言うためにとってある言葉』
逆もしかり。例えば、
『私が三菱商事の重役の娘でなかったら、
結婚なんてしなかったんでしょう!』って。
同様に詰られている男もいるのでは?

以上、本書は女性(作家)が想像する孤立した男性の物語。
リアリティのある設定にあっても、
大体においてはやや男性心理に遠いのかな?って。
正直、そう感じてしまいました。
多分、気持ちの切り替え方が男と女性は違うからだと思うのだけれど、
打ちひしがれて、倒れてしまって、立ち上がれなくて、それでもなお。
肘と膝を使って匍匐前進を続ける。
そんな人たちも男も女性と同程度には居ると思いますよ?(オドオド)。

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幸田真音『人工知能』読了

中学生の頃から悪さばかりしてきた、新谷凱。いつも行き当たりばったりの人生を送ってきた彼が、唯一興味を持てたもの―それは「人工知能」の世界だった。携帯電話会社でのアルバイトや電気機器メーカーでの企画開発などを経て、AIに携わる仕事に就いた凱。その企業で彼は、ある事件の捜査に協力することになる。その事件とは、自動運転技術が搭載された試験中の車が、人を轢いたというものだった…。人気経済小説家が描く、衝撃のサスペンス!
内容(「BOOK」データベースより)

がっかり。

本書は AI の危険性を主軸としたミステリィ。
ただし、著者の AI に対する知識に疑問を感じてしまいました。

内容はバッサリ略で一言、うーん。
先端技術はそれこそ日進月歩だし、
僕みたいにリタイアしたエンジニアが大上段に語るべきではない。
それでも、正直、本書にある AI に関する文章には白けてしまいました。

物語は良かったです。
洗脳を “する” 側と、“される” 側の設定には新しさを感じたし、
オチは(僕は)それなりに愉快でした。

ただ、それ以上は無いんですよね。
例えば前半の主人公の生い立ちの長々とした記述に何の意味があったのか。
僕にはサッパリ理解できません
(言いたくないけれど、これぞ老人の昔話って感じ)
また著者は AI をどのくらい学んだのでしょう。
情報が古いとかウンヌンではなく、そもそも明らかな誤解があります。
AI の “自律” の意味を、著者は全く理解されていない様に感じました。

語弊を恐れずに言えば、
AI は今後も(車に限らず)あらゆる分野で成長し続けます(キッパリ)。
そこに懸念や恐怖を感じる人は多いと思うのだけれど、

大丈夫です。

僕達の後進はきっとそれらの全て(の問題や課題)を克服してくれますよ?
これは予言ではありません。確実な未来です。


AI によるコスト高に言及されると、
残念ながらそこはその通りになると考えています。
だからこそ、著者はそこも赦せななかったのでしょうね(→貧富の差)。
前半が主人公の恨み節だらけになってしまった理由の一つかな……。

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中原中也/著 まくらくらま/絵『詩集『山羊の歌』より』読了

30歳でこの世を去った詩人による生前に刊行された唯一の詩集。中原中也の名作が、アンティークのような不思議な魅力を放つイラストで話題の大人気イラストレーター・まくらくらまによって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第27弾が登場。詩集としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
内容紹介(「BOOK」データベースより)

酔いしれる。

本書は中原中也の生前に刊行された唯一の詩集。
しかし、まくらくらまさんによるイラストにほとんど持って行かれました。
佳作。

内容はバッサリ略で一言、非常に素晴らしかったです。
正直、僕は中原中也をあまり評価していないのだけれど、
いくつかはスタンダードになった詩があるのは事実ですよね(功績)。
なので今回図書館の、新作コーナにあった

『生前に刊行された唯一の詩集』

のアオリに惹かれて本書・中原中也を手にしました。
けれど、予想とは全く違った意味で、酔いしれてしまいました。

詩を語る愚は控えます。

ただ、詩って己の醜い姿をギリギリで格好良く見せるためのメソッド。
そう再確認した様な気がします。
(←貶していません。むしろ芸術の中でも至高の領域だと思っています)
その意味で、いつもギリギリのトコロで格好つけてしまう僕は、
中原中也の心を(僕なりに)感じるコトが出来た様な気がします。

ただし

本書の価値の9割はまくらくらまさんによるイラストにありました。
無教養な僕でさえ、ハッとするイラストが何枚もあり、
実はもうアマゾンで(本書を)発注してします。
貧乏な僕だけれど、
このイラストの為なら二日間くらい何も食べなくても平気です。

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織守きょうや『花束は毒』読了

かつての家庭教師・真壁と再会した木瀬は、結婚を控えた彼に届く脅迫状のことを知り、探偵に犯人捜しを依頼する。探偵・北見理花と木瀬の出会いは中学時代、彼女がもたらした「解決」は今も心に棘を残し…。戦慄ミステリ。
内容(「TRC MARC」の商品解説より)

余計なお世話

本書は探偵・北見理花が活躍する一冊。
問題を “解決” するについて、様々な疑問がありました。

「結婚をやめろ」と脅迫されている真壁。
しかし真壁は脅迫者を追求しようとはしない。
それを見かね、代理で探偵に依頼した検察一家のサラブレットの木瀬。

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
真相はそれなりに驚いたし(それでも割と早く見当は付きます)
さらにはラストに皮肉が効いていたのも良かったです。
それは

正義は誰が行うモノなのか。
その正義は誰の為のモノなのか。
そもそも、正義は問題を “解決” するのか?

があったから。
ラストで正義感の塊(≒青臭い若者)の木瀬につきつけられたモノが、
まさしくそれだったのも(大きな声では言えないけれど)冥い愉悦でした。

一方で、前半は冗長で、やや退屈です。
木瀬のお節介・正義感が理解できなかったし、
4年前の事件にホニャララが出てこないのも不思議だった
(コレは最後になって事件の超重要アイテム?になってはいましたが……)
後半は引き込まれるんですけどね。
だからこそ本作は前半をゴッソリ削って、ページ数が半分でも良かったかも。

因みにラストは読者の手にゆだねられていますが、
僕なら(僕ならですよ?)彼に「やめとけ」と止めると思います。
そもそもが余計なお世話からはじまった話(知り得た真相)なんです。
これ以上、他人が首を突っ込んで良い問題ではありません。

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赤松利市『東京棄民』読了

令和四年。過去最高の重症者数と死者数を更新した新型コロナウイルスは、「東京株」と名付けられた。政府は首都を見捨てる、「東京逆ロックダウン」という政策を打ち立てる。だが一部、制度の瑕疵により、脱出できずに東京に取り残された人々がいた。絶望と混乱の末に、彼らが見たものとはー。
内容紹介(「BOOK」データベースより)

自己責任。

本書は逆ロックダウンで東京に棄てられた下層民のサバイバル・ストーリィ。
立場によって「自己責任」を使い分ける主人公・イサムの姿がありました。

内容はバッサリ略で一言、ちょっとどうなのかな……。
まず最重要設定である逆ロックダウンが理解不能です。
これじゃあ、地方にウィルスを(余計に)ばら撒くだけではないでしょうか。
また著者お得意?のカニバリズムがココでもあるのですが(はぁ~)、
まるで説得力がありません。
シャッタを壊せば食料を奪える店なんてまだ多くの残っているのだから。
他にも細かいコトで何度も引っかかってしまいました。
逆ロックダウンで食料の流入が途絶えて一年以上経過しているのに、
なんとバナナ(フレッシュ)があるなんて!
僕が知らないだけで、バナナって一年以上も保存が効くのかしら。

それでも、漫画喫茶で暮らしていた頃は政府の言う「自己責任」に文句を言い、
その政府と(隠れて)繋がりを得た途端、仲間を「自己責任」だと切り捨てる。
そんなイサムの姿に、鉛を飲み込んだような気分になりました。

ラストはとってつけたようなグッド?エンディング。
特に感想はありません。

以上、本書は逆ロックダウンと言う目新しいアイデア意外は、
ほとんど見るべきモノがなかった一冊。
もしこれから『赤松利市』を手にする機会があるのなら、
本書はその選択のプライオリティを最も低くするコトをお勧めします。


単行本にはならず、いきなり文庫本になる作品って。
なんとなく、そうなんだな、って納得するコトが多いです。
ただし、ラノベや森博嗣は除きます(キッパリ)

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赤松利市『エレジー』読了

新宿でニューハーフのショーパブに嵌る独身男。フィリピンパブの女と結婚した道東の漁師。道頓堀に置き去りにされた少女を拾った中年男。堕ちゆく者たちがさまよう歓楽街。ネオンに照らされた人間たちの生きる悲しみに心が疼く、平成バブル夜の街三景
内容紹介(出版社内容紹介より)

バブル景気ってナンですか?

本書はバブル景気を背景とした三つの短編集。
それぞれに趣向が異なりますが、当時の様子が垣間見えました。

ここからは一言感想を。

『ショコラ』
主人公・大吾よりも、
ニューハーフでショーパブの No.1 だったカスミの物語だと感じました。
カスミに限らず、当時はニューハーフは日陰者であり、
頼る家族も故郷も無い者ばかり(現代の様に「LGBTs」の概念がない)。
なので年齢と共に劣化する容姿、さらにその先の老後の問題と、
彼女達の悩みは本当に深刻だったと思います。
正直、タイトルの『ショコラ』はイマイチだけれど、
彼女がカスミを照らす星になれたコトは、せめてもの救いとなりました。

『マリア』
フィリピンパブで働いていたマリアは、
道東の漁師との結婚で幸せになれると信じていました。
しかし、この結婚はマリアにとっては最悪なモノとなってしまい……。
ジャパゆきさんにも色々あるとは思いますが、
マリアを含め彼女達がアリ地獄に落ちて行く様子に、胸が痛みました。
最後に神様。
教義に反してしまったけれど、どうかマリアが天国に行けますように。
それぐらいは赦してくれますよね?

『アキラ』
捨て子の13歳女子・アカネと、
彼女を拾った46歳のオッサン・アキラの物語。
アキラは当初、彼女が働ける年齢(18歳)になるまで、
面倒を見てやるつもりでした。
でもバブルが弾け、彼の収入が断たれてしまった時、
アキラが下した苦渋の選択とは……。
妙にリアルで生々しかったけれど、ラストが明るい予感に満ちています。
それが嬉しかったです。
蛇足で、ちょっとだけ漫画の『うさぎドロップ』に似ていた様な気がします。

以上、本書は時代の変わり目に振り回された人達の物語。
僕もバブルの狂乱をほとんど目にもしていないのだけれど、
きっと若い世代になればなるほど、
バブル当時を理解できないと思います。
特に現代の若者にとっては、バブルは故事や伝説に近い昔話。
羨むより、身近に感じられないどうでも良い話(他人事)になるのでは。


だからこそ本書には(一見誰もが幸せにみえた)バブルの裏で、
翻弄された人達の悲劇もあったコト。機会があれば知って欲しいです。

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青井夏海『星降る楽園でおやすみ』読了.

午後六時十分、横浜にある無認可保育室に二人組の男が押し入り、園長の早紀とともに五人の子どもが人質に取られてしまう。身代金は一人五百万円、期限は夜中の十二時。早紀は共謀者の存在に疑心暗鬼になり、人質家族はそれぞれの手段で我が子救出を試みるが、事態は思わぬ方向に展開していく。家族の絆を問う緊迫の六時間。
内容(「BOOK」データベースより)

子供だけは駄目だ。

本書は園児人質事件を描いた一冊。
無認可(←ポイント)保育園等、「育児」に対する多くのテーマが詰まった一冊です。

内容はバッサリ略で一言、僕は苦手です。
それはラストがあまりにも酷すぎるから。
僕は人間の子供がいないし、意見する資格などないのだけれど、
こんなのあんまりです。こんな小説、僕は読みたくなかったです。

園児を人質に取られた家族のそれぞれの事情
無認可保育園の園長と先生達
そして
保育園に籠城する犯人の意図とは

正直、小説としてはまとまっているし、高度に読ませます。
群青劇風(?)にして、
多方面から魅力的な描写(そして各キャラの繋がり)があったし、
同時に考えもさせられました。
ハッキリ言って面白いです。

けれど、何度も言いますが、僕はラストだけで、もう駄目です。
子供だけは、子供の未来を奪うコトだけは、絶対に駄目だ。

ここからは蛇足。
僕は死んだら僅かばかりに残るであろう遺産を、
全て我が市のめぐまれない子供達に贈りたいと(今は)考えています。
ただ、何十年も会っていない(居場所も判らない)
法廷遺留分を保持するモノがこの世には居る可能性があり(生死不明ってコトです)。
僕は独身かつ実子(養子)が居ないコトで、相続が面倒なコトになっているんですよね。
それがとても歯がゆいです。
って、最後は関係ない話(自分語り)でスミマセン。

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アガサ・クリスティ/著  羽田詩津子/訳『アクロイド殺し』読了

深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。
内容(「BOOK」データベースより)

カタチはどうであれ、引き継がれる。

本書は『叙述トリック』がアリかナシかの大論争を巻き起こした一冊。
多種多様な意見があると思いますが、
それでも推理小説史上に名を残す傑作です。

内容はバッサリ略で一言、やっぱり面白いです。
ただ、個人的には 9:30 のロジャーの証言はやっぱり無理筋だなぁ、って。
今回も感じてしまいました(ファンの方、スミマセン、僕如きが本当にスミマセン)
それ以外にもギリ(正直に言えば明らかにアンフェア)だよね?
と感じるのがいくつかあるのだけれど(あぁ、ファンの皆様、石を投げないで)、
本作が『叙述トリック』の嚆矢(の一つ)であるコトに間違いはありません。
ミステリィ好きなら、もはや好きとか嫌いとかじゃなく、
避けては通れない教科書的な一冊。
最近はだいぶ涼しくなってきたし、往年の名著の再読するのも悪くないですよね。

最後に。
今回、再読したキッカケは知人のお孫さん。
彼が夏休みの読書感想文で本書を選んだと聞いたからです。
なんでも、古典ミステリィは格好が良い(?)らしく、
ネット上に感想文が溢れかえっているからだとか……。
うーん、賢い(笑)

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫21歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒8歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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