東野圭吾『禁断の魔術 ガリレオ8』読了
湯川が殺人を?
「自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ」。
ガリレオシリーズ初の完全書き下ろし。
内容(「BOOK」データベースより)
シリーズの目玉である科学的(?)トリックに魅力がありません。
しかし、それを補って余りある登場人物の魅力がありました。
内容は全て書き下ろしの四編。
客の名刺を透視して名前を当てるホステスが殺害された『透視す』。
戦力外通告を受けた野球選手の妻が殺害された『曲球る』。
犯人の顔をテレパシーで送る双子の姉妹『念波る』。
そして、湯川が指導した母校の後輩が引き起こす復習劇『猛射つ』。
本書のメインは一遍でページの半分を占める、この『猛射つ』だと思います。
この作品は著者の『さまよう刃』を髣髴とさせる悲劇的な犯罪であり、
犯人への共感を誘うストーリー展開は秀逸です。
ただ、近年ではお得意の「お涙頂戴」的な話に既視感もあり、
ガリレオシリーズに期待したトリックの爽快さは影を薄めていました。
「お涙頂戴」なら著者には”加賀恭一郎”と言う
最高のシリーズがありますからね、この辺りは少々勿体無いかも。
シリーズを重ね、より人間(?)らしくなった湯川准教授。
ミステリィの探偵として理想のスーパーマンですが、
初期の体温を感じないクールな湯川も好み。
僕の知るサイエンティストは、無愛想でも魅力的な奴ばかりですからね。
「自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ」。
ガリレオシリーズ初の完全書き下ろし。
内容(「BOOK」データベースより)
シリーズの目玉である科学的(?)トリックに魅力がありません。
しかし、それを補って余りある登場人物の魅力がありました。
内容は全て書き下ろしの四編。
客の名刺を透視して名前を当てるホステスが殺害された『透視す』。
戦力外通告を受けた野球選手の妻が殺害された『曲球る』。
犯人の顔をテレパシーで送る双子の姉妹『念波る』。
そして、湯川が指導した母校の後輩が引き起こす復習劇『猛射つ』。
本書のメインは一遍でページの半分を占める、この『猛射つ』だと思います。
この作品は著者の『さまよう刃』を髣髴とさせる悲劇的な犯罪であり、
犯人への共感を誘うストーリー展開は秀逸です。
ただ、近年ではお得意の「お涙頂戴」的な話に既視感もあり、
ガリレオシリーズに期待したトリックの爽快さは影を薄めていました。
「お涙頂戴」なら著者には”加賀恭一郎”と言う
最高のシリーズがありますからね、この辺りは少々勿体無いかも。
シリーズを重ね、より人間(?)らしくなった湯川准教授。
ミステリィの探偵として理想のスーパーマンですが、
初期の体温を感じないクールな湯川も好み。
僕の知るサイエンティストは、無愛想でも魅力的な奴ばかりですからね。



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滑り止め付き手袋
室内用に100均で購入。
手袋は暖房を使わないこの家に必須だけれど、
ツルツル滑って本のページを捲れないのが欠点だった。
けれど、この滑り止め付き手袋ならば、
イライラする事無く物語の世界に没頭できる。

娘のブラッシングにも最適。
手袋は暖房を使わないこの家に必須だけれど、
ツルツル滑って本のページを捲れないのが欠点だった。
けれど、この滑り止め付き手袋ならば、
イライラする事無く物語の世界に没頭できる。

娘のブラッシングにも最適。



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暖房難民
今日から来年1/3までの6日間。
図書館及び市の公共施設が軒並みお休み。
日課である新聞2誌(朝日と日経)が読めないのも痛いけれど、
何より寒さを凌ぐ暖房が恋しい。
お客が来た時だけしか稼動しない、我が家の冷暖房。
リビングが無駄に広いから効率が非常に悪いし、
僕一人の為に光熱費を使う余裕はない。
娘と身を寄せ合って暖をとっている。
さて、今日はこの冷たいリビングから何処に逃げようか。
このテキストを打つ僕の指はかじかみ、
吐く息は盛大に白い。
年末年始のどこか「まったり」とした街の雰囲気の中、
寒さを凌ぐ6日間を算段している僕がいる。
図書館のありがたさは、暖房にもあると痛感する。
図書館及び市の公共施設が軒並みお休み。
日課である新聞2誌(朝日と日経)が読めないのも痛いけれど、
何より寒さを凌ぐ暖房が恋しい。
お客が来た時だけしか稼動しない、我が家の冷暖房。
リビングが無駄に広いから効率が非常に悪いし、
僕一人の為に光熱費を使う余裕はない。
娘と身を寄せ合って暖をとっている。
さて、今日はこの冷たいリビングから何処に逃げようか。
このテキストを打つ僕の指はかじかみ、
吐く息は盛大に白い。
年末年始のどこか「まったり」とした街の雰囲気の中、
寒さを凌ぐ6日間を算段している僕がいる。
図書館のありがたさは、暖房にもあると痛感する。



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横山秀夫『64』読了
昭和64年に起きたD県警史上最悪の誘拐殺害事件を巡り、
刑事部と警務部が全面戦争に突入。
広報・三上は己の真を問われる。究極の警察小説!
内容(出版社内容紹介より)
突き詰めれば所詮、個人の帰属に縄張り争い。
しかし、立ち位置の危うい主人公達が示した姿勢は、
まさに死中の活でした。
内容は時効寸前の誘拐殺人事件『64』を中心に、
警察内部のおぞましき抗争、マスコミとの軋轢に、娘の失踪。
そして消える事の無い忌まわしき記憶(事件)に
今なお縛り付けられた人、人、人。
物語は時と場所を代えて飛躍しますが、
その背骨はあくまでも”人物”にあり、
濃縮されたその内部描写に尽きます。
ですから600ページ超のボリュームにも拘らず、
散漫とは全く逆の「緻密」を感じました。
本作は以前の作品に比べてセンテンスが短く、
硬質で冷徹な印象を受けます。
しかし、ノワール小説の名手達の筆に比べ、
登場人物は適度にウエットであり体温を感じる。
一部の結末に物足りなさがあるものの、
著者の新作を待ち続けた時間に値する良作でした。
蛇足ではありますが、
きっと本書の熱い主人公達に付き合わされる
パートナー達は溜まったもんじゃないでしょうね。
けれど、組織(会社や学校)では劣等生であり、
我侭でパートナーを失った僕でも彼等に憧れを抱いてしまいます。
僕がどうしようもない男だからでしょうか。
刑事部と警務部が全面戦争に突入。
広報・三上は己の真を問われる。究極の警察小説!
内容(出版社内容紹介より)
突き詰めれば所詮、個人の帰属に縄張り争い。
しかし、立ち位置の危うい主人公達が示した姿勢は、
まさに死中の活でした。
内容は時効寸前の誘拐殺人事件『64』を中心に、
警察内部のおぞましき抗争、マスコミとの軋轢に、娘の失踪。
そして消える事の無い忌まわしき記憶(事件)に
今なお縛り付けられた人、人、人。
物語は時と場所を代えて飛躍しますが、
その背骨はあくまでも”人物”にあり、
濃縮されたその内部描写に尽きます。
ですから600ページ超のボリュームにも拘らず、
散漫とは全く逆の「緻密」を感じました。
本作は以前の作品に比べてセンテンスが短く、
硬質で冷徹な印象を受けます。
しかし、ノワール小説の名手達の筆に比べ、
登場人物は適度にウエットであり体温を感じる。
一部の結末に物足りなさがあるものの、
著者の新作を待ち続けた時間に値する良作でした。
蛇足ではありますが、
きっと本書の熱い主人公達に付き合わされる
パートナー達は溜まったもんじゃないでしょうね。
けれど、組織(会社や学校)では劣等生であり、
我侭でパートナーを失った僕でも彼等に憧れを抱いてしまいます。
僕がどうしようもない男だからでしょうか。



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恋人がサンタクロース



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奥田英朗『B型陳情団』読了
いまどきの世の中のカンチガイをB型人間のオクちゃんが
徹底的にチクリチクリする大爆笑エッセイ。
青年の主張!A、O、AB型の方にもよく効きます。
内容(「BOOK」データベースより)
悪口でこの人の右に出る者はいません。
でもその鋭い舌鋒は
切り捨てられた人達も一瞬忘れてしまうほど切口が鮮やかであり、
多分傷跡も残りません。
本書は初版が1990年であり、取り上げられたネタは古いです。
けれど毒舌エッセイの名手が若かりし頃の、
荒削りなまでの明快さが気持ちイイ!
切って捨てる対象を変に暈す事無く実名で記すので、
読んでいるこちらがハラハラするほどです。
また毒舌だけではなく、時折覗かせるペーソスは
かって男の子だった方には共感も一入のはず。
僕のお勧めは『うっとうしい二輪文化』。
”オートバイがよく似合うのはティーンエイジャーだけ”
には、著者と同じバイク乗りとして少し寂しくも、首肯しました。
おまけ:

本書は図書館で予約し、書庫から取り出していただきました。
今はなき貸し出しカードが懐かしい。
徹底的にチクリチクリする大爆笑エッセイ。
青年の主張!A、O、AB型の方にもよく効きます。
内容(「BOOK」データベースより)
悪口でこの人の右に出る者はいません。
でもその鋭い舌鋒は
切り捨てられた人達も一瞬忘れてしまうほど切口が鮮やかであり、
多分傷跡も残りません。
本書は初版が1990年であり、取り上げられたネタは古いです。
けれど毒舌エッセイの名手が若かりし頃の、
荒削りなまでの明快さが気持ちイイ!
切って捨てる対象を変に暈す事無く実名で記すので、
読んでいるこちらがハラハラするほどです。
また毒舌だけではなく、時折覗かせるペーソスは
かって男の子だった方には共感も一入のはず。
僕のお勧めは『うっとうしい二輪文化』。
”オートバイがよく似合うのはティーンエイジャーだけ”
には、著者と同じバイク乗りとして少し寂しくも、首肯しました。
おまけ:

本書は図書館で予約し、書庫から取り出していただきました。
今はなき貸し出しカードが懐かしい。



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クリスマス・イルミネーション
今年は殆ど見かけなかった。
電飾で華やかに飾られたお家。
独り身は肩身の狭いおもいをしなくて済むけれど、
少し寂しい。
僕の住んでいる国立(くにたち)は、
そこそこハイソでリベラル?な御家庭が多い。
毎年クリスマスには派手過ぎない程度に豪華で、
センスの良いイルミネーションを拵える処が多かった。
けれど、311を境にその光景も一変する。
その事を関西に住む友人に話すと、
あちらではそれほど自粛(?)ムードが
広がっていない様子、曰く
『下を向いてばかりじゃ … ねぇ!?』
だそうで。
この辺りは直接の被害は無くとも、
計画停電を経験した人としていない人の
電力の捉え方の違いかな?
どちらが正解だなんて判らないけれど。
……
…
プレゼントも何も買えないけれど、
僕は東北の方々のサンタクロースになりたい。
暗闇の中、お家がイルミネーションに飾られていなくても
希望の光を目指し、寄り添う気持ちを届けたい。
電飾で華やかに飾られたお家。
独り身は肩身の狭いおもいをしなくて済むけれど、
少し寂しい。
僕の住んでいる国立(くにたち)は、
そこそこハイソでリベラル?な御家庭が多い。
毎年クリスマスには派手過ぎない程度に豪華で、
センスの良いイルミネーションを拵える処が多かった。
けれど、311を境にその光景も一変する。
その事を関西に住む友人に話すと、
あちらではそれほど自粛(?)ムードが
広がっていない様子、曰く
『下を向いてばかりじゃ … ねぇ!?』
だそうで。
この辺りは直接の被害は無くとも、
計画停電を経験した人としていない人の
電力の捉え方の違いかな?
どちらが正解だなんて判らないけれど。
……
…
プレゼントも何も買えないけれど、
僕は東北の方々のサンタクロースになりたい。
暗闇の中、お家がイルミネーションに飾られていなくても
希望の光を目指し、寄り添う気持ちを届けたい。



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断酒会の不条理



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冬至
昨日は冬至。
一年で最も昼の短い日。
今日は霙交じりの雨。
暗く冷たい一日だけれど、
昨日より少しだけ昼は長い。
カボチャを食べて柚子湯に入った
僕の人生の夏至は過ぎてしまったけれど
昨日は冬至。
明日も冷たい一日だけれど、
今日より少しだけ陽は高い。
一年で最も昼の短い日。
今日は霙交じりの雨。
暗く冷たい一日だけれど、
昨日より少しだけ昼は長い。
カボチャを食べて柚子湯に入った
僕の人生の夏至は過ぎてしまったけれど
昨日は冬至。
明日も冷たい一日だけれど、
今日より少しだけ陽は高い。



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圧力釜の愉悦



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