ハリー・クレッシング『料理人』読了

平和な田舎町コブに、自転車に乗って
どこからともなく現れた料理人コンラッド。
町の半分を所有するヒル家にコックとして雇われた彼は、
舌もとろけるような料理を次々と作り出した。
しかし、やがて奇妙なことが起きた。
コンラッドの素晴らしい料理を食べ続けるうちに、
肥満していた者は痩せはじめ、
痩せていた者は太りはじめたのだ・・・・・。
内容(出版社内容紹介より)

イギリス料理。

内容はバッサリ略で一言、手を加えすぎ。

コンラッドが徐々にヒル家を支配下に治めていく下りは、
恐怖と共に好奇心を煽ります。
しかし、コンラッドが目的を果たした(と思われる)以降は
まったくの蛇足でしょう。
シュールと呼ぶには意味がありすぎるし、
ミステリィと呼ぶには道理に合わない。
これを(ブラックと言えど)ジョークと嘯くんですからね。
僕には高尚過ぎました。

本書は過剰に手を加えすぎて、素材を生かせていない。
まるでクタクタになるまで煮込んだスープです。
イギリス料理……と言えば、語弊があるかもしれないけれど、
お米にドレッシングをかけてサラダとするお国柄ですからね(*1)
「余計な事しないで!」
とは和食で育った僕達に、結構多い意見ではないでしょうか(小さな声で)

蛇足で僕が手にしたのはこちら。
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2002年7月15日の17刷となっており、現在の表紙とは違っています。
因みに例の「肉汁」は「ブロス」ではなく「コンソメ」でした。
少々残念。

*1)当地にあって和食が恋しくなった頃に食しました。泣けました。

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また頑張れる

仮眠から目覚めれば、川の字になっていた。
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何かが満たされた。

※ みんな右向き

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田山幸憲『パチプロ日記』読了

これはパチプロが生き抜くための究極の必勝法だ。
内容(「BOOK」データベースより)

憧れました。

本書は1989年からパチンコ必勝ガイドに連載された
『田山幸憲のパチプロ日記』を元に
平成2年3~5月までを完全書き下ろしで収録した1冊。
著者は東大出身(中退)と言う経歴で注目を集めました。
ですがそんな肩書きより、シャイで優しい人柄こそが彼の真骨頂。
当時のパチンコ愛好家(含む僕)の心を掴んで離しませんでした。

9回勝って1回は負ける
その日の酒代だけ
そして
パチプロであることを恥じる

巷に溢れるような「高説の垂れ流し」ではありません。
また「稼ぎ」や「生き方」を自慢するナルシシズムでもない。
ただ毎朝パチンコ屋に通い、わずか3時間程度打ち、
昼から飲みに行く。そんな淡々とした日々を、
どこか恥ずかしげに綴られて行く。
そんな著者の生き方に、当時子供(大学生)だった僕も
おおいに憧れました。
また『田山幸憲のパチプロ日記』は平成13年1月まで連載されますが、
著者舌癌の為に中断・終了となってしまいます。
そして同年7月に多くのファンに惜しまれつつ永眠されました。
享年僅か54歳でした。

最後に。
多くのファンがそうだと思いますが、
僕もパチンコに親しんだ当時の事は語りつくす事が出来ません。
パチンコ必勝ガイドは毎月ちゃんと購入していたし、
『田山幸憲のパチプロ日記』は当然の嗜み。
「デキた!」は仲間内に深く深く浸透していました。
なのでここではひとつだけ、
表紙にもなっていたビッグシューターについて。
大ヒット台だし、多くの方が愛した名機だと思いますが、
僕はかなり相性が悪かったんですよね。
ナキは兎も角、ハネに拾わないと致命的な本機で、
入賞→貯留解除→右打ちしようが何しようがパンクしまくる。
そんなイメージしか残っていないのです。
それこそ著者じゃないけれど、僕にとってのビッグシューターは

「あにはからんや」

の一台です(泣)

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後ろ髪を引かれ

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ふう助さん、行ってきます

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……

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すぐに帰ってくるよ。

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五十嵐貴久『炎の塔』読了

高さ450メートルを誇る日本一の超高層ビルが完成した。
オープンの初日、様々な事情を抱える人たちが訪れていた。
そんな彼らに未曾有の大火災が襲いかかった。
通称“ギンイチ”銀座第一消防署の若き女性消防士・神谷夏美は
猛威をふるう炎の中、死を賭した任務に出動するが―。
完璧だったはずの防火設備はなぜ破綻したのか?
最上階に取り残された人々の運命は?
想像を絶する焔と人間の戦いを描く極上エンターテインメント!
内容(「BOOK」データベースより抜粋)

一気呵成

本書は映画『タワーリング・インフェルノ』に
インスパイアされた作品です(著者あとがきより)。
内容も大きくはそれないし、突っ込みどころも結構あります。
ですが、スリリングでハイスピードな展開は
パニック小説として純粋に楽しめました。

肺ガンを克服した夫と支えた妻
後ろめたい援助を受けて当選した都知事
そして
離婚を決意した夫婦とその娘

タワーに訪れた人たちは、それぞれある期待を胸にしています。
それはキッカケだったり、祝福だったり、幕引きだったり。
けれど、災害発生でその思惑は水泡と化してしまうんですよね、
なんせ生死がかかっているのだから。
そして、嫌でも己の本質・本音を知る事になり……。

正直、登場人物が多すぎて掘り下げが足りません。
それぞれが魅力的な背景・設定なので大変惜しい気がします。
個人的には消防署に関わる人間模様をこの倍は欲しかった。
逆に老いた銀幕スターや、311で被災した親子の話、
さらには高校教師の愛人、主人公と彼氏といった恋愛部分(?)は
無くてよかったかも。

化学的な仕掛けを含め、ご都合主義も散見される。
けれど、手垢の付いたこの分野(パニック物)に新風もあるし、
細かな伏線とその回収は見事です。
文字通り火がついてからは一気呵成でページも進むし、
大満足の読書時間となりました。

蛇足で折原が仕事の合間に心のオアシスとした水中ショー。
そんなに女性から後ろ指をさされる事なのでしょうか(笑)
実は僕も子供の頃、
よみうりランドで水中バレエを見た事があります。
正直内容は良く覚えていないのですが、
子供向けでもありますからね?
こちらは刺激的なお召し物(?)ではなかったのでしょう。
あっ!だから僕の印象に薄いのか!?妙に納得。

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one day

ふと気がつくと姉妹がいない。
とりあえず声をかけてみた。
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「ふす助さん、ふう助さーん!」

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あっ、そんなところにいましたか。お休みのところ申し訳ないです。
次はお姉ちゃんを探します。
「える坊さん、える坊さーん!」

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…と、お姉ちゃんは返事をしてくれません。
けれど、天気が良いからきっとココ

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やっぱり(笑)
太陽を浴びてホッカホカのお姉ちゃんは
焚き火のようなとっても良い匂い!(うっとり)

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乙川優三郎『生きる』読了

苦境に人の心を支えるもの。
山本周五郎賞受賞作家が描く感動の時代小説三篇。
内容(「BOOK」データベースより)

懺悔と独りよがり。

本書は第一二七回直木賞を受賞した表題作と、
尊厳の為に娘を売った元郡奉行「安穏河原」、
出世の為に愛人の端女を捨てた「早梅記」
の三篇が収められています。
いずれも過去を振り返り、悲哀と諦念を描いていますが、
男の独善がチラつきます。

男は自業自得です。
しかも女を犠牲にしての現在であり、
その結末は女に比べれば恵まれています。
代わりに女が救われません。
最後はとって付けた ”救済” が試みられますが、
男に比べればオマケみたいなもの。
しかもこの ”救済” が女の為のモノなのか非常に疑問です。
僕には男の為の ”救済” としか感じられませんでした。

本書は直木賞に恥じない素晴らしい作品です。
けれど、井上荒野『切羽へ』を ”女性のロマンス” と断じたのとは逆に、
本書は ”男のエゴイズム” に思えます。
男性は兎も角、女性の中には鼻白む方もいらっしゃるのではないでしょうか。

蛇足で一番印象に残ったのは「早梅記」。
栄達後、隠居した男が日課の散歩帰り、
ある家の玄関先に梅の木をみつけるのですが……。
かつて愛した二人の女への、悔恨を描いたこの作品、
感想は上記に述べたモノが、そのまま当て嵌まります。
そして、彼は僕そのものなんですよね。女を

捨てた、酷い事をした
そして
今も不幸だろう

だなんて。
こんな独りよがりな懺悔は男の自己満足に過ぎません。
特に女を自分よりも ”不幸” だと決め付ける傲慢に
(自分の事でもありながら)吐き気がします。

けれど、それでも、恥を忍んで本音を言えば

女には幸せであって欲しい

そう願わずに入られません。
身の程をわきまえ、これ以上は控えますが、
”男のエゴイズム” に興味のある女性には、
本書をお勧めしたいと思います。

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井上荒野『切羽へ』読了

かつて炭鉱で栄えた離島で、小学校の養護教諭であるセイは、
画家の夫と暮らしている。奔放な同僚の女教師、
島の主のような老婆、無邪気な子供たち。平穏で満ち足りた日々。
ある日新任教師として赴任してきた石和の存在が、
セイの心を揺さぶる。彼に惹かれていく──夫を愛しているのに。
もうその先がない「切羽」へ向かって。
直木賞を受賞した繊細で官能的な大人のための恋愛長編。
内容(出版社内容紹介より)

男の潔癖症。

内容はバッサリ略で一言、
少し冷めた目で見てしまいました。

静かで上品であり、決して直木賞に恥じない作品です。
けれどセイのどこか身勝手なロマンティシズムに、
どうしても興ざめしてしまいます。

彼女の貞操観念を非難するつもりは一切ありません。
僕だってパートナーがいる時に、
他の女性に1ミリも惹かれた事が無い!
…とは言いませんし。

けれど、それでも、男の身勝手ではあるけれど。

セイの心模様に共感出来ません。
女性から見たらロマンスかもしれないけれど、
異性(僕)から見れば不潔なインモラルに感じてしまいます。
男の潔癖症でしょうか。
(って、僕は一体何様でしょうね。本当に申し訳なく思います)

# 因みに奔放な月江に嫌悪感はありません。
# むしろ共感さえ覚えてしまう、僕は不潔な男です……

さらに蛇足となりますが、本書は彼女から借りました。
彼女は本書を大変気に入った様子で、
熱心に勧めてくれたのですが……
もしかして、そこはかとなくピンチ?

※ あわせて乙川優三郎『生きる』を読んで頂けると幸いです。

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よんだだけ

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ふう助さん、ふう助さん

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よんだだけです。ごめんね。

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伊坂幸太郎『ジャイロスコープ』読了

助言あります。
スーパーの駐車場にて“相談屋”を営む稲垣さんの下で
働くことになった浜田青年。人々のささいな相談事が、
驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。
バスジャック事件の“もし、あの時…”を描く「if」。
謎の生物が暴れる野心作「ギア」。洒脱な会話、軽快な文体、
そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。
書下ろし短編「後ろの声がうるさい」収録。
内容(「BOOK」データベースより)

バラバラでもOK

本書は著者初となった、文庫オリジナルの短編集。
アンソロジーや雑誌の為に書いた短編を集めたとあり、
バラエティに富んでいますが、統一性はありません。
なので、『ジャイロスコープ』と言うタイトルの説明がありましたが、
少々苦しい後付だったかも(笑)

内容はバッサリ略。
不条理モノは好悪が分かれると思いますが、僕は結構好み。
特に「二月下旬から三月上旬」が良かったです。
また「一人では無理がある」は ”This is 伊坂” なる一編であり、
これだけで本書を手にした価値がありました。
正直、コレクターズアイテム以上、書き下ろし未満ではありますが、
伊坂ブランドは健在なり、の一冊です。

蛇足で「彗星さんたち」に登場する(?)パウエル国務長官。
なんて格好良いのでしょうか(うっとり)
また映画『メリー・ポピンズ』を是非観てみたいと思いました。
きっと単調で少々苦(にが)い僕の生活の中で、
「スプーン一杯の砂糖」となる事でしょう。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫17歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒4歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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