朝井リョウ『何様』読了

何者かになっただなんて、何様のつもりなんだろう―
『何者』アナザーストーリー6篇。書下ろし新作も収録!
内容(「BOOK」データベースより)

ピボット。

本書は著者最新の短編集。
テイストは違っても、全て著者一流の『抉る』作品であり、
ハズレなしの珠玉の短編集となっています。佳作。

内容は『何者』のアナザーストーリー集と銘打たれていますが、
登場人物が重なる程度であり、関連性はほぼ皆無。
その辺りを期待されていると、ちょっと肩透かしになるかも。
しかし心配はご無用、それを加味しても期待以上です(キッパリ)。
どれもこれも残るモノがありました。

高校卒業前の恋
同性と二人組になれない女
そして
かつては「何者」、今は「何様」で悩む男

本書が描くテーマ(=悩み)とは『何者』と同じ

”中身と外見のギャップ”

でもそれは他人が立ち入ることなんて出来ないし、
立ち入ったところで共倒れになるだけなんですよね。
だからこそ著者の姿勢・視点は一貫してピボット、
軸足を動かさず、逆足だけ前後左右するバスケットボールのアレでした。
相手に寄り添ったり、距離を置いたりするけれど、
自分がいる場所は決して変えない。つまり巻き込まれないって事。
僕のお勧めの一編『きみだけの絶対』に登場する
花奈と同じ(ある種醒めた)スタンスなんだけれど、
僕は著者も花奈も冷たい奴だとは思わないんですよね。
むしろそのスタンス(=ピボット)こそ
他人との最も誠実な距離感だと感じます。

いやぁ~、それにしても著者はこのエッセイを書いた人と
本当に同一人物なのでしょうか?(笑)
正直僕は想定される読者層から外れていると思うけれど
オッサンはこんなにも(小説限定ではあるけれど)
著者の筆に抉られてしまうんですよね。
「朝井リョウ」、実に恐るべし。

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【2年目】福島のお米が届きました 1/6回目

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今年もふるさと納税で頂きました。

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一人で食べる事になったけれど、最後まで美味しく頂きます。
ありがとうございます。

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相変わらずいい奴

孤高のアイツとはかれこれ一年。
別にご飯をあげる訳でもないのに、
何時も(今日も)フレンドリィに寄ってくる。
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相変わらずいい奴。

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角田光代『なんでわざわざ中年体育』読了

中年たちは皆、運動を始める。
フルマラソンに山登り・ボルダリング。
人気作家が果敢に挑戦した爆笑と共感の傑作エッセイ集。
内容(出版社内容紹介より)

達成感よりも。

本書はスポーツ雑誌「ナンバーDo」に連載された
同名タイトルを纏めたエッセイ集。
個人的に共感するところばかりであり、
読み終わるのが寂しくなりました。佳作。

内容はバッサリ略で一言。面白かったぁ!
正直、ほぼ同時期で近しいテーマである
わたしの容れもの』で既知の話題もチラホラあります。
それでも

・好き嫌いに関わらず、一度はじめたらなかなか辞められない。
・休むことに恐怖感。
・達成感よりも次の目標の憂鬱。(すべてyuki意訳)

には、激しく首肯してしまいました。
また40代が体育にいそしむ理由が決して「イタい」ものではない事や、
効率を覚えたからこそ「限界」を挙げるズルさ等、
同世代の方ならどなたにも共感を得られるはず。
皆様もアンチエイジングではない体育を、はじめてみませんか?

蛇足で角田さんと僕は同世代だし、性差はあるものの
思考と志向が非常に似ている気がします。
オマケに嗜好(お酒)も同じだし。
もちろん、器の大小は比べるまでも無いけれど、
角田さんにはどこか似たモノ同士の親近感を覚えるんですよね。

だからかな?

僕にとって『角田光代』は断然エッセイの方が肌に合います。
勿論、小説も(おべんちゃら抜きで)大変素晴らしいのだけれど、
ちょっとだけ ”女性視点” に鼻白んでしまう事もあったり……
(妙に説得力があるんですモン^^;)
でもこれも逆の立場になって省みれば、
僕自身にも当て嵌まるよな気もして、ちょっと怖いのだけれど。

さらに蛇足で、角田さんは体脂肪、筋肉量において、
脚が抜群に優秀だそうです(筋肉量が多い)。
勿論、残念な部位もあるそうですが、
ここでは僕の口からは控えたいと思います(危機管理)。
で、手前味噌ではありますが、僕も脚が太いので(自転車好き)
お写真で拝見する角田さんのちょっぴり逞しいおみ足に
非常に好感を覚えました。
けれど、これって本人にはNGワードなんですよね?きっと。
それでも僕は、女性も細い脚より、筋肉の詰まった太い脚の方が
魅力的なんだけどなぁ。

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ふう助の爪

ふう助の爪は姉のそれに比べて伸びがはやい。
切っても二週間後には先が尖がっている。

爪とぎも旺盛だ。

ふう助が爪をたてる箇所(ソファや壁紙)には
気休めのガードを施している。
けれど結局はイタチごっこ、
彼女はいつでも次の獲物?を狙っている。

ふう助の爪が尖るのが先か、切るのが先か。
はたまた家の壁紙がボロボロになるのが先なのか。
今日も彼女とイタチごっこが始まる。
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桜木紫乃『氷の轍』読了

北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見された。
被害者は札幌市の元タクシー乗務員滝川信夫、八十歳。
北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、
滝川の自宅で北原白秋の詩集『白金之獨樂』を発見する。
滝川は青森市出身。八戸市の歓楽街で働いた後、札幌に移住した。
生涯独身で、身寄りもなかったという。真由は、最後の最後に
「ひとり」が苦しく心細くなった滝川の縋ろうとした縁を、
わずかな糸から紐解いてゆく。
内容(「BOOK」データベースより)

他ト我。

本書は釧路を舞台に人と人との距離感を問うた作品。
個人の感情を「孤独」と「善意」で顕しており、
それが他人との距離をせつなく浮かび上がらせていました。
佳作。

札幌の元タクシー運転手
釧路の蒲鉾屋
そして
北原白秋の「他ト我」

物語は舞台を釧路から津軽海峡を挟んだ青森・八戸へ、
また時間も現代から昭和三十年代へと足を伸ばします。
そして捜査の過程で徐々に明らかになるのですが、
事件にはいくつもの「孤独」が影を落としており、
中でも被害者となった滝川の「孤独」は

シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、
シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。

と、彼の愛読書・北原白秋「他ト我」をそのままなぞっていました。
さらには己の「善意」に盲目となってしまい、
事件の引き金となってしまうのですが……。

滝川は寂しさに追われて最期を誤ってしまいましたが、
彼だけではなく、事件関係者や主人公の大門真由やその家族も
人と人との距離感に戸惑い、怯えてもいます。
そんな切なさみたいなモノを『桜木紫乃』が描くのですからね?
これ以上、論を重ねる必要もないでしょう。

本書は一人が気楽でも寂しく、二人が気重でも安らぎを感じる。
そんな僕みたいな「おひとりさま」に、絶対のお勧め。

蛇足で、物語の佳境においてタイトルに繋がるシーンがあります。
ここに「偶然」か「必然」のどちらを感じるかで
読者の印象が変わると思うのですが、
僕は良くも悪くも後者の「必然」を感じました。
それは本書も著者の多くの作品と同様に、

流れ着く先はココしかない。

そんな諦観を感じてしまうから。
僕は訪れた事が無いのだけれど、著者の出身である釧路は、
そんなにも哀しみが吹き溜まってしまう街なのかな。
どうか僕の邪推が誤っています様に。

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える坊の爪

える坊の爪は妹のそれに比べて厚い。
昔は剃刀みたいに薄かったのに。

調べてみたら、老猫には多いらしい。
曰く、

爪とぎをしなくなり、鞘がはがれず、爪が厚くなる。

との事。
こんなトコロにも老いの影があるなんて。

今日も嫌がるえる坊の爪を切る。
剥がれる鞘が、彼女の年齢だったら良い。
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Tag:娘たち(雉猫17歳・白黒猫4歳)  Trackback:0 comment:0 

伊東潤『江戸を造った男』読了

明暦三年(一六五七)、材木商の河村屋七兵衛(後の瑞賢)は、
徳川四代将軍家綱の後見役である保科正之から
日本列島の海運航路開発を命じられた。
知恵と並はずれた胆力で何度も危地をくぐり抜け、
七兵衛は江戸という時代を縁の下から支える
インフラ構築事業に邁進していく…。
内容(「BOOK」データベースより抜粋)

江戸ではなく。

本書は公共事業を通じて江戸を支えた河村屋七兵衛の物語。
商人でありながら目先の利益に捉われず、結句大きな功績を残す。
そんな痛快男児の生き様に、心地良く酔いしれました。良作。

日本列島の東廻航路・西廻航路の整備
越後や大阪の治水事業
そして
上田の銀山開発

七兵衛は一介の商人であり、為政者ではありません。
なので本書の言う『江戸を造る』とは
政(まつり)でも土木工事でもなく
『経世済民』によって成された事を指しています。

また経世済民=経済と言うとどうしても、
「商人だし、お金にモノを言わせただけじゃないの?」
なーんて考えてしまうかも(実は僕がそうでした)。
けれど七兵衛の考える経済とは、
「お金」が「人」を動かすの事ではありません。
あくまでも中心に「人」があり、その周囲を巡るのが「お金」。
そして「人」を動かすのは、結局「心」だったのです。

たとえば西廻航路の整備の際、塩飽船手衆の頭目・五左衛門と
真剣で切り合う様な商談を交わした後、
五左衛門は七兵衛をこう評します。

「江戸の商人というのは、物だけでなく男も売る」(本文より)

商売相手にここまで言わしめるなんて……。
僕はココに本書の全部が詰まっていた様な気がします。
また、男子にとってこれ以上の褒め言葉は無いと、
憧れさえ抱いてしまいました。

最後になりますが、本書のタイトルは『江戸を造った男』。
けれど七兵衛が作ったのは『江戸』ではなく
経世済民を通しての『日の本』。
そして『日の本』を支える男達の「心」でした。

蛇足:
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初版、P460-9行目。
『意思の言葉に、七兵衛は…』の
”意思” は ”医師” の誤字ですね。

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小春日和

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お布団が気持ちよいね。

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秋はおおいに食べて

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おおいに運動。

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ツンツンは禁止。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫17歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒4歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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