吉田修一『犯罪小説集』読了

失踪した少女を巡り、罪悪感を抱え続ける人々。
痴情のもつれで殺人まで行き着いたスナックママ。
名家に生まれながらギャンブルの沼にはまった男。
閉鎖的な過疎の村で壊れていく老人。
華やかな生活を忘れられない元プロ野球選手。
犯罪によって炙り出される人間の真実。凄絶で哀しい5つの物語。
内容(「BOOK」データベースより)

それでも許されない。

本書は犯罪の前後から、人物の内面を描く五つの短編集。
犯罪は決して許されることでは無いけれど、
そこに至る経緯には(ホンの一部ではあっても)理解してしまう。
そんな自分を鑑みて、背筋が寒くなりました。

内容はバッサリ略で一言。面白かったです。
同系列の「悪人」や「怒り」ほどの大作では無いけれど、
著者一流の筆は存分に味わえました。
また実在の事件をモチーフにしている(と思われる)ので、
決して後味の良いモノではないけれど
それが「他山の石」では済まされない説得力となっているんですよね。
結果、余韻の ”冷たさ” が流石の『吉田修一』だったと思います。

蛇足で(非常に迷ったのですが)お勧めは「百家楽餓鬼」の一編。
大手運送会社の御曹司がギャンブルに嵌り、
背任事件を引き起こしてしまうお話しです。
正直、生れも育ちも底辺の僕なんかでは
真の共感は出来ない世界だと思います
(決して自分を卑下している訳ではありません)。
けれど、誰もが羨む境遇にあったとしても、
それを忘れる瞬間だけが(例え幻想だとしても)救いとなる。
御曹司はギャンブルで僕は酒だったけれど、
彼の孤独みたいなものが、なんとなく判るような気がしました。

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スマホに悪戦苦闘

あれから MNP も完了し、はじめてのスマホを楽しんでいる。
けれど

・vCard でアドレスを移行するも日本語が文字化け。
・フリック入力が壊滅的に遅い(僕が)。
・カメラの操作が魑魅魍魎。
・写真のリサイズ・添付・保存が訳ワカメ。
・有り余る機能の95%は使わないし、使えない(僕が)。

と、悪戦苦闘どころか修行僧にでもなった気分。

極め付けが Gmail。

以前から別アカウントは所持していたものの
本格的に使用するのは今回が初めて。
けれど他のメーラーと異なる設計思想に
イライラを通り越して、もはや笑いが止まらない状態。
例を挙げたらキリがないけれど、第一に

フォルダがないなんて(呆然)

貰ったメールは行方不明になるし、
送ったメールは二度と確認できない。
(僕が学習をサボっているだけです)

今のところスマホにして良かったのは、
ベッドで(ネットに繋いで)辞書を引ける事ぐらい。
で、毎回 Google の音声検索は凄いと感動していたりして。
まるで未来にきたみたいだ!

# ただの時代遅れな男です^^

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尾崎世界観『祐介』読了

スーパーでアルバイトをしながら、いつかのスポットライトを
夢見る売れないバンドマン。ライブをしても客は数名、
メンバーの結束もバラバラ。恋をした相手はピンサロ嬢。
どうでもいいセックスや些細な暴力。逆走の果てにみつけた物は…。
「尾崎祐介」が「尾崎世界観」になるまで。
たったひとりのあなたを救う物語。
内容(「BOOK」データベースより)

世界観?

本書はロックバンド・クリープハイプのボーカル、
尾崎世界観さんの小説デビュー作。
タイトルは著者の本名であり、半自伝的な小説とされています。

内容はバッサリ略で一言。うーん……
著者が示したかったのは『世界観』でしょうか(完璧に自信なし)。

半ばとは言え自伝とあるから、
断片的なエピソードの積み重ねになるのは頷ます。
けれどどうしても「主題」が見つけられないんですよね。
おまけに余韻も余白も無いし、ありきたりの「比喩」
(匂いについてが多いです)を詰め込んだだけの『小説』なんて……

ライブで言うところの 「トイレタイム」 かも(小さな声で)。

蛇足でバーで上田君が「おっ、ストーンズだね」と評した BGM。
実はホニャララ(ネタバレ防止)だったと言うオチなんですが……。
僕はコレ、あまりにも意味がわからなくて非常に悩みました。
必ずクスリと笑わせる何かがあるはずだ、って。
で、上田君はホニャララと語感が似ている
ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト(苦しい)をかけたのかな?とか、
さらにそこから祐介を「紛い物」と揶揄したのかな?とか
無理矢理考えてみたのですが……どれも違いますよね?
重箱の隅をつつくようだけれど、斯様にオッサンは
(イチイチ)本書の『世界観』についていけません。
対バン目当てのノリの悪い客みたいで、大変申し訳なく思います。

おまけ:
Jumpin Jack Flash
BGM: The Rolling Stones / Get Yer Ya-Ya's Out

※ バンド物なら椰月美智子さんの『伶也と』がお勧めです。

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今シーズン導入の電気タオル。

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ふう助さんもご満足…って、言うじゃなーい?

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でもアンタ、父ちゃんの湯タンポですから! 残念!!

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猫タンポ斬り!!

※流石に古いかな
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痛み

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今日も嫌がるえる坊の爪を切った。それでも

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彼女は滑るその手で僕にしがみつく。

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切ったのは僕なのに、
爪をたてられる痛みが今は欲しい。

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瀬名秀明『この青い空で君をつつもう』読了

高校の美術部に所属する早季子は、クリスマスの朝、
信じがたい光景を目にする。自分宛に届いた一枚のはがきが、
折り紙のように生き物の形に折られていたのだった。
かつて、さよならも言えず亡くなった同級生の和志が、
何かを伝えようとしているのか。止まっていた早季子の心が、
動き始めた―。想い出さえも、残せなかったあの日にいま、
ふたりは未来を繋ぐ。力強い希望が溢れる、青春ラブストーリー。
内容(「BOOK」データベースより)

奇跡と魔法。

本書は少年・少女を優しく包む青春物語。
著者らしくファンタジーにサイエンスを融合させ
現代の魔法で二人を繋ぐ。
そんな様子に ”痛み” も和らぐ気がしました。

亡くなった少年からの葉書
動き出す折り紙
そして
少年と少女が包んだモノ

魔法といっても、いわゆる奇跡は一切起こりません。
悲劇は覆らないし、過去はやり直せない。
未来の不安だって拭えぬまま終わってしまいます。
けれど、だからこそ、和志くんが(天野とともに)込めた魔法に
心を揺さぶられてしまうんですよね。
それはきっと魔法の限界を承知の上で

男の人はいつだって、奇跡を起したいと思っている(本文より)

そんな彼等に共感するから。
また作中、鈴木先生の ”ヴァーチャル体験” の見解に、
思わず快哉を叫びました。

僕達は中世時代の人達より、きっと多くの魔法を使えます。
離れていても会話ができるし、記憶もより多く残せるようになりました。
けれど、それだけじゃあ奇跡とは呼べませんよね?
奇跡とは

愛を魔法で包んだモノ。

そして、それが開かれる瞬間の事ではないでしょうか。
今後、早季子が奇跡を起す優しい魔法使いになれること、
心から応援しております。

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Metallica『Hardwired...To Self-Destruct』

実に8年ぶりの新作。
第一印象は、もう最高!!

正直、事前の評判が芳しくないから不安でした。
曰く『ミドルテンポが多く、速さが足りない』。
でもメタルのライト・ファン(僕)には充分満足。
ちょうど気分がモヤモヤしているし、
しばらくは爆音でヘビーローテーション!!

因みに僕のお勧めは Ronnie Rising Medley。
Ronnie James Dio トリビュート盤で発表済みの
完全新作では無いけれど、初視聴の僕には嬉しい一曲となりました。
RAINBOW 好きなら必聴ですぞ?

おまけ:
Ronnie Rising Medley
BGM: Metallica / Ronnie Rising Medley

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藤原てい『流れる星は生きている』読了

昭和二十年八月九日、ソ連参戦の夜、満州新京の観象台官舎——。
夫と引き裂かれた妻と愛児三人の、言語に絶する脱出行が
ここから始まった。敗戦下の悲運に耐えて生き抜いた一人の女性の、
苦難と愛情の厳粛な記録。戦後空前の大ベストセラーとなり、
夫・新田次郎氏に作家として立つことを決心させた、
壮絶なノンフィクション。
内容(出版社内容紹介より)

絶句。

本書は満州引き揚げの実体験に基づいた作品。
想像を絶する苦難の旅に、胸を締め付けられました。

内容はバッサリ略。
ただただ僕達の父や母に、感謝の念を捧げます。
でも血や国籍に関係はありません。

善人に悪人、金持ちに貧乏人
盗む人に施す人、叩く人に叩かれる人
そして
朝鮮人、ロシア人、アメリカ人、日本人

全ての先哲が、僕達の父であり母ではないでしょうか。

正直、隣国や氷の国には腹の立つ事が多いけれど、
心のある方はどこにだっている。
あの時代のあの地獄にだって存在した。
また逆も同じこと。それを肝に銘じなければ。

蛇足で本書の法学士や河童親父、
またはパカチの主婦やコンビーフのアメリカ軍を鑑みて思うこと。
それは余裕があってはじめて『心』が生れるのなら、
僕達は一人残らず豊かになるべきでは無いでしょうか。
それが父や母の恩に報いる、たった一つの方法だと感じます。


読了後、間を置かずに訃報に接しました。大変驚いております。
ただ残念ではありますが、あとがきでその後のご子息のご活躍を知り、
著者のご遺志が、次の世代に受け継がれていること、強く確信しております。
最後になりましたが、藤原さんのご遺徳を偲び、ここに哀悼の意を表します。

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生命保険契約内容の確認・その後

前回

受取人の件で再度連絡があり。曰く

・受取人は ”基本” 二親等以内。
・受取人の変更があれば ”基本” 手続きの必要がある。

との事。
で、それを踏まえてアチラの意向は「解約しないで」。

「(僕に)受取人変更の意思があったとしても、
 当方(保険会社)は ”知らなかった” で何も問題はない」

には唖然としたけれど、
こちらとしても急ぎでは無い(払い済み保険)。
しばらくは放っておくことにした。
また一年後の面談で、繰り返される事になるけれど。

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レイモンド・カーヴァー/著 村上春樹/訳『夜になると鮭は…』読了

寡黙な謎の作家カーヴァーの短篇・エッセイ・詩。
村上春樹によるインタヴュー・作家論を付す。
内容(「BOOK」データベースより)

目立たない変化。

本書はアメリカを代表する作家・レイモンド・カーヴァーによる短編集。
あわせていくつかの詩とエッセイ、また村上春樹による
著者へのインタヴューを交えた一冊であり、
いずれも筆舌に尽くし難い余韻がありました。秀作。

友人宅に招かれた夫婦
車で雉を撥ねてしまったカップル
トラブルに遭遇したアンフェアな男女

小説は村上春樹の考察にある様に、

ある一つの状況があり、
そこに目立たない変化が起きるけど、
状況は変わらない。
そこでカットオフ。

に集約されると思います(非常に大雑把ですが)。
ですが川端康成をはじめ、
日本の伝統的な短編小説に通じるモノがあり、
鈍い僕の感性をも刺激します。
間と言うか、余白と言うか、この少し感傷的な「引きずり」が
多くの日本人の心を捉えたポイントでは無いでしょうか。

詩については、ややアチラ(アメリカ)を感じさせる
口語自由詩が中心。
ですが表題作『夜になると鮭は…』はちょっと違います。
頭を枕に預け、眠りに就く寸前の、夜の微かな音が
日本人の僕にも聞こえた気がしました。

最後に。
甚だ個人的な感想ではありますが、
本書の白眉はエッセイ『二十二歳の父の肖像』にあります。
そこでは、亡父と同じアルコール依存症になった著者が、
生前の父の写真を前に一編の詩を書いたとありました。
その詳細は本書をご確認していただくとして、
ココでは印象的な箇所を抜き出してご紹介。それは

父はいつも男っぽくありたいと思っていたんだ(本文より)

同じアルコール依存症の(僕の)亡父を想い、
喉の奥から込上げるモノを、止める事が出来ませんでした。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫17歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒4歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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