百田尚樹『カエルの楽園』読了

安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、
平和で豊かな国「ナパージュ」にたどり着く。
そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守り
穏やかに暮らしていた。ある事件が起こるまでは―。
平和とは何か。愚かなのは誰か。
大衆社会の本質を衝いた、寓話的「警世の書」。
内容(「BOOK」データベースより)

オブラートに包まれたモノ。

本書は過激な言動でお騒がせの『百田尚樹』による一冊。
寓話に見立てた日本の現状認識に、一興がありました。

内容はバッサリ略で一言。僕は面白かったです。
誰であれ思想は個人の自由であり、
それ自体に是非はありません。
本書もカリカチュアと割り切って楽しめば良いと思います。

朝日新聞が本書を無視した事
書店の低すぎる扱い
サイン会の爆破予告

いずれも真偽の程は判りませんが、
過剰に反応するのは些か無粋ではないでしょうか。

政治的スタンスの公言は控えます。

ただ本書をエンターテイメントとしてでなく、
オブラートに包んたモノをワザワザほじくり出して攻撃する人を
僕は本書のデイブレイクやガルディアンに重ねてしまいそうです。
自戒せねば。

蛇足で本書のイラストは、な、な、なんと著者ご自身なんですね!
カエルだからか、どこか鳥獣戯画に通じるウィットに富んだ画風は
決して素人の仕事とは思えません。
特にラストのローラ(とソクラテスとロベルト)の姿は
胸に迫るモノがありました。
きっとこの画だけで、
著者がオブラートに包んだモノが判ると思います。
それは他者への攻撃ではなく、
愛する者への限りない『憂い』だったのではないでしょうか。

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ZIGGY『CELEBRATION DAY』

以前
森重だけ「ZIGGY」の CD は買わない、ライブも行かない
と書いた。
その気持ちは今でも変わらない。けれど。

ZIGGY は僕に刻まれ過ぎている。

おまけ:
CELEBRATION DAY
BGM: ZIGGY / CELEBRATION DAY

一度好きになったモノは、どうしても嫌いになれない。
僕の大きな欠点だ。

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飯嶋和一『神無き月十番目の夜』読了

慶長七年(一六〇二)陰暦十月、
常陸国北限、小生瀬の地に派遣された大藤嘉衛門は、
野戦場の臭気が辺りに漂う中、百軒余りの家々から
三百名以上の住民が消えるという奇怪な光景を目の当たりにする。
いったいこの地で何が起きたのか?
内容(「BOOK」データベースより抜粋)

革新と救済。

本書は水戸藩小生瀬村虐殺事件をモチーフとした一冊。
時代の変遷に強いられた多くの犠牲に、言葉をなくしました。
佳作。

時は江戸幕府開闢直後、
人々は曲がりなりにも戦(いくさ)の無い
平和な時代を迎えていました。
けれどそれは戦を生業とする武士だけではなく、
農民にも大きく影響を及ぼすことになります。
ある意味では戦国の世よりも苛烈に、そして過酷に。

自治権を赦された村
新たな為政者
そして
相容れぬ価値観

本書に限らず、古今東西、時代の転換点では
多くの犠牲を生んできました。
戦争や政治による犠牲は言うまでも無いけれど、
僕達の身近にだって無数にありますよね。
例えば会社の組織替えだったり、年金の見直しだったり。
犠牲とまでは言わなくても、
変革によって『損をする』経験は多くの方にあるんじゃないかな。
勿論、僕も不満に思ったことは数知れません。
だからこそ小生瀬村の人々の想いも
痛いほど判るのだけれど、でもどうすれば良かったのか、
いくら考えても答えは出ませんでした。

損をする人の救済は必要。
けれど、
犠牲なくして革新もない。

誰もが納得して事をおさめる「三方一両損」なんて
所詮は綺麗事なのかも知れませんね。悲しいけれど。

蛇足で錦木を戸口に立てる風習について。
簡単に言えば夜這いのルール(?)なのですが、
とても印象に残りました。
スケベな意味ではありません(本当です)。
妙齢の娘・コウを想う母親・サイの心情に
なんとも言えぬ愛情を感じました。
もし僕がコウの父親だったら、
きっとサイとは正反対の事を考えると思います。
母親……ってか女性って、逞しいなぁ(ビクビク)。

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牛バラ薄切り肉が噛み切れない

野菜と煮込んで適当スープ。
肉がゴムみたいで噛み切れない。

冷凍していたとは言え、
賞味期限が去年なのが敗因か。

でもいくら嚙み続けても、
尽きることなく味が蘇る。
牛肉味のガムみたいで、
ちょっと嬉しい。
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村上春樹『アフターダーク』読了

真夜中から空が白むまでのあいだ、
どこかでひっそりと深淵が口を開ける。
「風の歌を聴け」から25年、
さらに新しい小説世界に向かう村上春樹。
内容(「BOOK」データベースより)

仮面。

本書は『村上春樹』の長編小説。
深夜の都会を舞台に、人間の、世界の裏の顔を描いており、
物語の後(=アフターダーク)に興味を繋げます。

内容はバッサリ略。好奇心がかきたてられました。
顔のない男は白川なのかな?
エリはなぜ眠ったままなのかな?
高橋とマリはこれから上手く行くのかな?
etcetc
正直、もう少しヒントが欲しいし、
投げっぱなしがが酷いと思わなくもありません
(デザインだと承知しています)。
それでも僕は本書のテーマが

『仮面』=隠す

だったと受け取ります。
なので謎は謎のままである事が目的だし、
物語の後(=アフターダーク)に警告みたいなのを
忍ばせるテクニックだったと感じました。

暗闇の外では、誰もが仮面を被っている。
その顔は本物では無いぞ?って。

全体的に著者にしては少々異質な作品にも思えましたが、
それでもマリと高橋の会話は良かったし、
白川やカオルのキャラクタも立っている。
バイクの男は本当におっかないけれど(笑)、
間違いなく『村上春樹』の作品です。
読了後の気分は(その内容に係わらず)決して悪くありません。

蛇足で深夜のファミレスのメニューについて。
作中の高橋はデニーズにおいて
「ここではチキンサラダしか食べない」と発言します。
でもメニューを見る前からオーダーが決まっている人って
案外多いんじゃないかな。
僕も若い頃は深夜のファミレスを良く利用したのですが、
注文は最初からハンバーガーのコンボに決まっていました。
またあの頃はドリンクバーは存在しなくて、
珈琲のお代わりは店員さんがコーヒーポットを持って
テーブルまで来てくれたんですよね。
ただ、深夜のお代わりは1回だけでしか出来なかったけれど(笑)
その理由は本書に習って、謎のままにしておきます。

※ 多分に僕達グループに責があります^^

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僕はしもべ

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でも幸せ。

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アルコール依存症の「妙薬」 仏で商品化申請へ

詳細はコチラ

元は筋肉けいれんの治療薬だそうです。
これが飲酒量の減少に繋がるなんて意外な気もしますが、
複数の研究で効果があったとの事。
(ただし別の試験では矛盾する結果も出ています)
期待して続報を待ちたいと思います。

ここからは蛇足。
アルコール依存症は自業自得ではあり(少なくとも僕自身はそうです)
個人的には所謂普通の疾患とは意味が違うと考えます。
なので誰かに、福祉に、薬に助けてもらおうなんて
少々甘い考えだと(僕は)思います。けれど

藁にも縋りたい

って、あの頃の僕は、恥も外見もなく考えてしまったし、
実際健康保険等に大変お世話になってしまいました。
なので僕なんかが言える台詞では無いけれど、
日々アルコール依存症に向き合ってくれている方々には
ただただ感謝の気持ちしかありません。

本薬も皆様の(そして僕達の)素晴らしい成果となります様に。
心から願っています。

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伊集院静『旅だから出逢えた言葉』読了

世界を巡る作家・伊集院静が、20年以上続く旅の日々を
振り返りまとめた、心に残る33の言葉。スペインの巡礼の道、
画家・モネが滞在した北フランスの街、白神山地の森。
国内外の旅で出逢った、フランシスコ・ザビエル、
ヘミングウェイ、王貞治、城山三郎、恩師、家族らの言葉は、
何気ない事柄でも私たちに人生を考えるヒントや勇気を与えてくれる。
大切にしたい“ひと言”を見つけられる珠玉の紀行文集。
内容(「BOOK」データベースより)

旅に出る理由

本書は著者が旅で出逢った言葉なり、行動をまとめたエッセイ集。
結論や考察より「あなたはどう?」と言う問題提起が中心であり、
優しい眼差しを感じます。

奇跡とキリスト信者
父の教えと母の愛
そして
画家の故郷

旅の中心はヨーロッパであり、必然的に出会う「言葉」は
キリスト教的な「愛」が多かったように思います。
また『伊集院静』と言えば口喧しい頑固親父、
当世風に言えば老害の繰言(失礼でスミマセン)を
想像されるかも知れません。
けれど、本書は「ワタシはこうだった。でも君はどうだろう?」
のスタンスで一貫しており「押し付け」を殆ど感じないんですよね。
それは本書の主張でもある、旅はあくまでもキッカケであり、
その目的が『自分を知ること』だからではないでしょうか。
同じ場所に訪れたって、発見することや刻まれる印象は千差万別。
だから、他人(著者)の話を聞くより、自分でその場所に行くべきだ。
そんな著者の意識があった様に感じます。

ここからは蛇足。
遠藤周作の下宿先のロビンヌ婦人の言葉や
アンリ・マティスが美術の授業で伝えた言葉には及ばなくても、
誰にだって旅先で出会ったその人だけの言葉があると思います。
僕のひとつは糸魚川市で見知らぬ若者を一晩泊めてくれたオジサンの

また来なさい。

結局今でも義理を欠いたままだけれど、
あの時頂いた言葉は当時の生きるよすがとなりました。
著者の意見に感化されたわけではありませんが、
旅先で出会う言葉は一生の宝になる事が多い様な気がします。

僕も今、もう一度旅に出る時なのかも知れません。

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飲んで欲しい

危険を感じて抗酒剤を飲む

ザマーミロ

僕はこんな事ぐらいでお酒を飲まない
でもその代わり

あの人が大好きなビールを飲んで欲しい
飲んでいて欲しい

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吉田修一『静かな爆弾』読了

テレビ局に勤める早川俊平は
ある日公園で耳の不自由な女性と出会う。
音のない世界で暮らす彼女に恋をする俊平だが。
恋愛小説の新境地を切り開く意欲作。
内容(「BOOK」データベースより)

バカだから。

本書はテレビ局報道マン・俊平と耳の不自由な響子のお話。
コミュニケーションと理解における『独善』が描かれており、
身につまされるトコロ、少なくありません。

音のない世界に生きること
音のある世界でも伝わらないこと
そして
知ってるつもりで知ろうとしなこと

本作は健常者と障害者のありふれた恋物語ではありません。
勿論、彼女の耳は重要な設定ではありますが、
単なるアイテムにしか過ぎない。
本書の主題は「意思疎通の難しさ」であり「理解の信憑性」、
ひいては男の『独善』だったと感じます。
特に響子が出て行った理由を「母親の手紙」にあるとした
俊平の理屈は救いようがなく、響子の自宅を探す段階になって
「思い込み」に気が付いたって後の祭りです。

自分で自分のことをバカな男だなどと悦に入っている男ほど
バカな男はいない(本文より)

俊平には上記の一文を謹んでをお返ししたい。
ラストは微かに希望を繋ぎましたが、僕は破局を予想します。
それはとても残念な事だけれど、
同時に二人にとって破局が最善だと考えるから。

バカは死ななきゃ治らない。

これ以上の説明は不要だと思います。

蛇足で「偽善」について。
作中、俊平は野良猫にハムをやる響子に「偽善」を感じ、
響子はその行為について説明をするのですが……。
野良猫にご飯をあげる行為については控えます。
ただ響子の言う

「神様かも知れないぞ、用心、用心」

には心が温かくなりました。
「偽善」は時と場合によるし、捉え方だって人それぞれ。
けれど僕はこっそりと響子に倣いたいと思います。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫17歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒4歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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