尾崎翠『第七官界彷徨』読了

人間の第七官に響くような詩を書きたいと願う少女・町子。
分裂心理や蘚の恋愛を研究する一風変わった兄弟と従兄、
そして町子が陥る恋の行方は?
忘れられた作家・尾崎翠再発見の契機となった傑作。
内容(出版社内容紹介より)

重なったモノ。

本書は近年再評価の著しい「尾崎翠」の代表作。
作品を覆う世界観に微かな違和感を覚えましたが、
最後は「ニンマリ」となりました。

内容はバッサリ略で一言、判らない事だらけです(笑)
そもそも本書のテーマを特定できないし、
結末の意味(暗喩)も推測できない。
なにより町子の恋の相手って結局誰だったのでしょう?
僕はてっきり三五郎だと思っていました(苦笑)
まっ、煙に巻かれる(?)この感じも決して嫌じゃなくて。
むしろフワフワしていい気分かも(笑)

また第七官とは、

二つ以上の感覚がかさなってよびおこす
この哀感ではないか(本文より)

とありましたが、
僕は『恋』と密接した器官である様に思えました。
作中、多くの失恋があるのだけれど、
そのどれもが「悲しみ」の他に「おかしみ」もある。
第七官とは、そんな恋の二つ以上の側面を同時に知覚する器官であり、
結局、町子が求めていたのは恋情を謳いあげる
詩の世界だったのではないでしょうか。

蛇足です。
町子は二助の部屋において

蘚の花粉とうで栗の粉とは、これはまったく同じ色をしている!
そして形さえもおんなじだ!(本文より)

と気が付き、そこから自身の探す詩の境地を予感するのですが…
うーん、うーん、判るようで判りません(笑)
僕は町子が詩の世界に「恋情」を
無意識に重ねていると(上記で)推察しましたが、
本当は色気より食い気なのかな?
それとも色欲と食欲が重なったのが第七官?

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近況報告

鯖の味噌煮、豚バラピリ辛、豆苗サラダ。
玉子焼き、紫花豆、らっきょう。
大根の煮物、酢鳥、茄子の焼き浸し。
焼きそば、炒飯、キンピラ。
アスパラ肉巻き、烏賊と里芋の煮っ転がし。
煮込みハンバーグ。そして

長友に今野。

写真で届く近況報告。

※ 先ほどは吉報が届いた。我が事の様に嬉しい。

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塩田武士『罪の声』読了

逃げ続けることが、人生だった。
家族に時効はない。今を生きる「子供たち」に
昭和最大の未解決事件「グリ森」は影を落とす。
内容(出版社内容紹介より抜粋)

事実と虚構。

本書は未解決事件「グリコ・森永事件」を
極力史実通りに再現した小説(フィクション)。
事件の真相ももしかして?と思わせる水準以上の力作ですが、
だからこそ不満が残ります。

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
なんせ興奮しすぎて途中でやめられず、
日課の仮眠時間を失ってしまった程。
さらには

「この本が面白い!」

と、迷惑を顧みずメールを送っちゃったりして。
けれど後半は大失速となり、
最後は読むのに苦痛とさえ感じてしまいました。

本書の主題に『家族』があること。
またタイトル回収の必要性も充分理解できます。
が、それにしても第7章以降は大いに不満です。
そこを境にそれまでの事実(ノンフィクション)寄りから
それ以後の虚構(フィクション)への落差があまりにも激しく、
全く別の作品を読まされている気分になりました。
また興醒めの第7章以降がダラダラと続くものだから、
反動でそれまで気が付かなかったアラが余計に目立ってしまう。
読了後、比べても意味は無いのだけれど、
僕は高村薫さんの『レディ・ジョーカー』を思い浮かべました。
こちらは同じ事件を下敷きにした、
よりフィクションに傾倒した作品ではあるけれど、
興奮と完成度は一枚も二枚も上なんですよね。
エンターテインメントに事実と虚構の違いなんて、
ほとんど関係ないのかも。

とは言っても、
本書が『面白い』ことに間違いはありません(本当です)。
特に「グリコ・森永事件」に少しでも興味がある方は、
事件の概要を知る上でも、決して損することはないでしょう。

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パンツのお尻に穴が空く

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穴あいた ジーンズ東に パンツは西に(字あまり)
与謝yuki村

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魂の叫び(Rattle and Hum)

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タラレバ娘のDVD。
四半世紀ぶり(*1)に『魂の叫び(Rattle and Hum)』を観た。
共通の趣味、アイドルを持つ幸運を噛み締める。

おまけ:
All I Want Is You
BGM: U2 / All I Want Is You

*1…『The Joshua Tree

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町田康『猫にかまけて』読了

気位が高く威厳に満ちたココア、
犬の血が混じっているのではないかと思うほど人懐っこいゲンゾー、
遊び好きで無邪気なヘッケ、並外れて気の強い奈奈―
縁あって共に暮らした、ちょっと面白い奴ら。
手を焼かされ、言い負かされ、それでもいつも一緒にいた。
写真と文章で綴った、猫たちとのいとおしい日々。
内容(「BOOK」データベースより)

もし君が死んでも。

本書は愛する猫たちとの暮らしを描いたエッセイ集。
猫好きとして共感するところがあまりにも多く、大きく、
感情が激しく揺さぶられてしまいました。
佳作。

内容はバッサリ略で一言、苦しかったです。
それは、壊され、汚され、騒がれると言った幸せ(?)
な毎日だけではなく、二つの悲しい別れに
僕が大きく動揺してしまったから。
でもそれは猫好きか否かは関係なく、
きっと多くの方が(僕と同じく)苦しくなると思います。
体力や気力が低下している時は、本書は避けたほうが賢明です。

性格が
える坊に似ているココアちゃん。
ふう助に似ているゲンゾー君。
でも「背中駆け上がり」の技は奈奈ちゃんと同じだな(白目)
そしてヘッケちゃん。
オッサンは彼女を思うだけで、また涙が出てしまいます。

みんな著者と奥様に目一杯の愛を与えられ、
その10倍愛をお返ししてくれた(くれている)と思います。
甚だ僭越ではありますが、
ご夫婦が僕達の仲間(猫好き)であり続ける事、
全く疑っておりません。

蛇足でお別れの約束について。
作中、奥様はヘッケちゃんが身罷る前に、

「もし死んでも一ヶ月以内に生まれ変わってきなさい。」

と諭します。
さらにはヘッケちゃんとの約束(誓い)が続くのですが……。
この続きは是非本書をご確認下さい。
奥様の鋼の強さと羽毛の優しさに胸を打たれるはずです。

僕は最近、決してありえないえる坊との別れに
怯えてしまう事が多いです(年齢的にふう助よりも)。
けれど、万が一その時を迎えたら、
奥様達の約束(誓い)に倣い、える坊には(ふう助にも)
一ヶ月以内に ”必ず” 生き返る様、言い聞かせます。
必ずです。

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フト気が付けば

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この様に監視されています。

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長岡弘樹『血縁』読了

誰かに思われることで起きてしまう犯罪。
誰かを思うことで救える罪。
親しい人を思う感情にこそ、犯罪の“盲点”はある。
七つの短編を通して、人生の機微を穿つ、ミステリの新機軸
内容(「BOOK」データベースより)

もはや他人。

本書は血縁を中心に近しい人との盲点を描いた短編集。
いずれも小粒ではありますが、クイズの様に楽しめます。

内容はバッサリ略。
良くも悪くも『長岡弘樹』です。
早く、短く、オチもある。けれどそれ以上がありません。
感情移入やリアリティは最早望むところでは無いけれど、
その分、『長岡弘樹』の生命線であるワン・トリックに
もう少し説得力が欲しかったかも。
重箱の隅…は控えますが、120Kgにはならないし、
目(鼻息?)の会話が饒舌すぎ。
おまけに姉妹で敬語だなんて……もはや他人では?

それでも『長岡弘樹』は楽しめます。
それは読書の愉悦ではなく、もしかしたら
雑誌の片隅にあるクイズの様な愉しみかも知れないけれど、
フトした時間を気軽に埋めてくれる。
なので僕はこれからも、著者の作品を欠かさず手にします。
教場』の様に太い柱の通った作品を、心のドコかで期待して。

蛇足で僕のお勧めは「苦いカクテル」の一編。
父親の介護に疲れた姉と妹のお話です。
内容は本書をご確認していただくとして、
僕は刑事事件における「択一的競合」に驚いてしまいました。
素人なので言及を控えますが、僕は『法』の本質の一つである、
”優しさ” みたいなものを感じました。

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白雪姫

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ふう助は眠りが深い。

ツンツンしても起きない。
クンクンしても起きない。
そして
キスしても起きない。

僕は白雪姫にかしずく小人のオッサン。
王子様じゃなくて良かった。

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恩田陸『蜜蜂と遠雷』読了

私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!
内容(「BOOK」データベースより)

破裂音の正体。

本書は第156回(平成28年度下半期) 直木賞受賞作。
さらに「2017年本屋大賞」も同時に獲得したその実力は、
評判に違わぬ「興奮」に溢れていました。
佳作。

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
当初はありがちなコンテストを舞台とする青春群青劇とあって、
ちょっぴり食傷を感じました。
でもそれは全くの杞憂に終わります。

生活者の音楽を探る者
ルーツを軽々超える者
深化し帰ってきた者
そして
音楽を世界に連れ出す者

主人公・風間塵が自ら導火線となって火をつけたのは
「災厄」と言う爆弾ではありません。
それは『音楽』と言う名の蓮の花。
物語の終盤、あちこちで上がる破裂音は蓮の花が開く音であり、
才能の開花を告げる祝砲でした。

正直、中盤はやや間延びを感じるし、
ラストの数ページはバッサリ切っても良かった。
けれど、音を、記憶を、感情を
色鮮やかに想起させる筆が実にお見事。音楽に限らず、
エンターテイメントを愛する全ての人達にお勧めです。

蛇足で「茶色の小瓶」について。
作中、幼い亜夜とマサルが連弾しており、
CM にも使われるほど有名な(僕でも知っていた)曲。
それが「茶色の小瓶」と言うタイトルだって事、
本書ではじめて知りました。
また調べたところ「茶色の小瓶」は本来洋酒の瓶を指し、
生活に困窮しても飲酒をやめない
アルコール依存症の夫婦を歌った、とありました。
でも僕にとって「茶色の小瓶」は、古い同人誌であり、
その主要ライターの事なんですよね。
彼女はアルコール依存症ではないけれど、
僕のせいで大きく人生を損なっており、
そんな類似点にどこか暗喩めいたモノを感じてしまいました。

それから「茶色の小瓶」のメロディが、
どうしても頭から離れません。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫17歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒4歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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