堤未果『(株)貧困大国アメリカ』読了

「1%vs99%」の構図が世界に広がるなか、本家本元のアメリカでは驚愕の事態が進行中。それは人々の食、街、政治、司法、メディア、暮らしそのものを、じわじわと蝕んでゆく。あらゆるものが巨大企業にのまれ、株式会社化が加速する世界、果たして国民は主権を取り戻せるのか!?日本の近未来を予言する、大反響シリーズ待望の完結編。
内容(「BOOK」データベースより)

選択肢が欲しい。

本書は『貧困大国アメリカ』シリーズの完結編。
今回は主に農業と公共サービスがテーマとなっていました。
そこには商業主義が政治を、生活を、
そして生命が侵食される様子が描かれています。

内容はバッサリ略で一言、はぁ~怖かった。
今年は夏が遅刻しているけれど、一足早い怪談を読んだ気分。
背筋に冷たいものが流れました。

いきなりですが、僕はどちらかと言えば TPP には賛成です。
けれど本書を読み終えた今、ちょっと……どころか、
凄く不安になってしまいました。
NAFTAを結んだメキシコにカナダ、それに米韓FTAを結んだ韓国。
本書にはアメリカに首根っ子を握られた国々の惨状が記されており、
それは日本も明日は我が身(かも知れない)なんですよね。
僕はお年寄りみたいに(実際そうなんですが^^)
読書中について出る言葉は

はぉ~、やだやだ。

こればっかりになってしまいました。

またアメリカは他国に対してだけでなく、
自国内でも商業主義が侵食している様子です。
それを一言で顕せば「産業と政治の癒着」になるでしょうか。
僕はなんだかんだ言っても資本主義が一番だと考えるけれど、
それでも自由競争における自浄作用のあまりの弱さに、
ほとんど絶望となってしまいました。
まぁ、難しいことは置くとしても

安全なお肉を食べたいなぁ(白目)

最後に。
勝者が多くを得るのは当然だし、
敗者が居丈高になるのには違和感を覚えます。
けれど、首根っ子を握られるのは誰だって嫌ですよね。
僕は疑いの余地が無い負け組みだけれど(しかもハイレベル)、
ささやかな選択肢だけは失いたくは無い。
本書を読んでそう感じました。

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ちょっとでも高いところを

煙とホニャララは高いところが好きと言うけれど
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もしかして?(笑)

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村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(下)』読了

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
内容(出版社内容紹介より)

心とは。

本書は『村上春樹』の長編小説。
人の「心」を、外(現実)と内(意識)の二方向から観察されており、
しかしその考察は多方面から多岐に渡ってなされています。
秀作。

内容はバッサリ略で一言、素晴らしい作品です。
僕はハルキストだなんてとても言えないのだけれど、
それでも僕の知る範囲で著者の最高傑作の一つだと思います。

語弊を恐れずに言えば(村上作品の中では)判りやすいと感じました。
割と『詳細』と言うのが一番の理由だけれど、
くだけて言えば著者が『優しい』と感じました。
丁寧だし、親切だし、明示的。もっと言えば説明的なんですよね。
浅いファンの僕が言うのも恐れ多いのだけれど、
村上作品ならもう少し『ぶっきらぼう』なぐらいが
“らしい” とも感じたり、感じなかったり(ビクビク)

それでも僕が『最高傑作の一つ』と感じた理由は、
著者が主張する心のあり方に、深く感銘を受けたから。
それは多方面から何度も言及されているのですが、
例えば、

親切さと心とはまたべつのものだ(本文より)

や、

それは跡を残すんだ(同じく本文より)

に顕著だったと思います。
で、それらを乱暴にまとめれば、

心とは不完全である。

そう僕は受け止めました。
そしてその解釈は(手前味噌ではあるけれど)
僕に素晴らしい経験をもたらしたんですよね。
それはシンバルの衝撃ではなく、木琴の柔らかな残響。
耳の奥で長く繰り返され、そして消えて行く。
そんな静かだけれど、心の芯まで届く何かを受けた気がします。

またエンジニアの立場から発言をすれば、心の不完全さを、
暗号作成の(ブラックボックス化された)関数とした点も良かったです。
さらには博士の(やや無責任な発言ではあるけれど示唆には富んでいる)

人間はその自分の思考システムの殆どを
把握してはおらんです(本文より)

だと思うし、そもそもが

人は自らの意識の核を明確に知るべきだろうか?(同じく本文より)

にも強く共感しました。
不完全は僕が言うと説得力は無いけれど、

心を、己を、世界を……

不完全は不完全として、ありのまま受け入れる(=便宜的)。
それは決して悪いことではないのでは?
本書を読み終え、改めてそう感じました。

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反省しても後悔はしない

判っているけど、全然できない。

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ふうのこの仕草

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とにかく可愛い。

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内澤旬子『ストーカーとの七〇〇日戦争』読了

ネットで知り合った男性との交際から8カ月―ありふれた別れ話から、恋人はストーカーに豹変した。誰にでも起こり得る、SNS時代のストーカー犯罪の実体験がここに。
内容(「BOOK」データベースより)

男だって同じ。

本書はストーカー被害に遭われた著者が
自身の手で綴る渾身のドキュメンタリ。
理不尽な恐怖、孤軍奮闘による磨耗。
さらには行政や法の不備に対する怒りや、
周囲のサポートに対する不満(主に共感不足)と、
女性被害者の視点からレポートがなされています。

内容はバッサリ略。まずは内澤さん、お疲れ様でした。
ネタバレ防止で詳細は割愛するけれど、
これからもきっと心が休まることはないのでしょうね。
だからと言って僕が何かお役に立てるわけではないけれど、
心中お察し申し上げます。

感じることは多くあるのですが、印象に残ったコトをいくつか。

・ストーカー・Aの「(俺は)生活保護だから(無敵だ)」の発言。
・上記Aがストーカーの治療ではなく、
 アルコール依存症の治療を求めたこと。
・著者もAも周囲のカウンセラもストーカーやあらゆる依存症を
 大枠で「病気」として扱っていること。

それぞれに対する僕の意見は控えます。
アルコール依存症で周囲に多大な迷惑を掛けてしまった僕が
発言を許されるとは思いません。

なので、病気?としてのストーカーではなく、
ストーカーを含めた性差(その理解)について僕の私見を一つだけ。
それは

男と女に違いはない

ってこと。
もっと言えば心に受ける傷だって、男女に1ミリも差が無いと思います。
作中にあったのですが、なるほど閨の様子や
下半身の事情?を暴露された女性の苦痛はお察しいたします。
けれど、男だって嫌です。女性と同等に嫌です。
それは下半身の話だけでなく、
容姿(ハゲとかデブとか)だって同じコト。
言われれば傷つくし、顔は笑っても心で泣いているんですよね。
「私が男であったら」とか「女の性欲をことさら珍しがる旧弊な」とか、
私が女だから被害が拡大し、私は女だから男よりも傷ついた。
そんなニュアンスをいくつかの箇所で感じてしまい、
僕はちょっとだけ残念な気持ちになってしまいました。

男だって同じなんです

女性にストーキングされたら震えるほど怖いし、
心身ともに傷付くのではないでしょうか。
そういえば、最近は新宿抜弁天殺人未遂事件をはじめ、
男性被害者も増えていますよね。

とは言え、今回のストーカー事件に関しては、
内澤さんに(A に返信をしてしまった等を含めても)
非難される点は一切ないと僕は考えます。
事件の過失責任は全て A にあること、
そこに疑問も異論もありません。

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なんとなくだけど

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漢字の「小」だな、って。

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ゆむい『夫の扶養からぬけだしたい』読了

「僕と同等に稼いでみなよ!!」夫の心ない言葉、非協力的な態度。同等に収入がないと、家事・育児に協力してほしいと言うこともできないの?「離婚」の2文字が浮かび続けるももこの決断は…。
内容(「BOOK」データベースより)

特に意見はありません。

本書は専業主婦の心の叫びを描いた漫画エッセイ。
元の掲載はWEBサイト「ママの求人」とありました。
だからでしょうか?主婦の一方的な意見に見受けられたし、
ヒステリーに感じる(失礼)部分も少なくなかったのですが……。
ホント、専業主婦って大変なんですね。

内容はバッサリ略。
本書は友人(女性)から借りました。
けれど彼女の感想は苦笑でしかなかった様子。なるほど、
パートナは居ても金銭面で自活(自立)している彼女からすれば、
ほとんど別世界のお話だったんですね。
男だって色々だけれど、女性だって色々。一括りには出来ません。

僕も本書に対して、ひいては専業主婦の問題?に対して
特に意見はありません。

著者はいささか攻撃的過ぎるし、
一方的すぎるようにも感じられるけれど、
それさえ男(僕)の主観と反論されそうですしね。
臆面も無く言えばこの問題?には一切関わりたくない。
これが僕の立場です。

ここではお金に限定して言及するけれど、
自分の生活に必要なお金は自分の手で稼ぐ。
たとえ今は稼いでなくとも、稼げる手段・意欲を保持し続ける。
それは男女を問わず大切なコトではないでしょうか。

僕は自立した人が大好きです。
本書を貸してくれた友人を含め、
僕の尊敬する友人の全て(全てです)は自立しているし、
いつだって自立可能な力を有しています。
それが何だって訳じゃないけれど(なんせ意見はないので^^)、
僕の友人(当然、女性を含む)は偶然?にも皆そうである。
ただそれだけです。

因みに本書は男性が読んでも大丈夫。
たとえ不快に感じることはあっても、
怒りを覚えるまでには至らない、そう僕は予想します。
いうなれば僕や本書を貸してくれた友人の様に、
せいぜい苦笑が良いところではないでしょうか。
なので、本書はどなた様にも安心(?)してお勧めです。

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心配かけてごめん

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そろそろ起きるよ。

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降田天『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』読了

高齢者詐欺グループのリーダー、光代は、手足として使っていたはずの仲間に金を持ち逃げされてしまう。さらに、彼女の過去の犯罪をネタに、一千万円を要求する脅迫状が届く。追い詰められた彼女は、普段は考えない強引な方法で事態の打開を図るが、成功したと思われたそのとき、1人の警察官が彼女に声を掛けてくる――。「落としの狩野」と言われた刑事を主人公に、人々の一筋縄ではいかない情念を描く、日本推理作家協会賞受賞作「偽りの春」収録、心を震わすミステリ短編集。
内容(出版社内用紹介より)

木瓜にも棘。

本書はかつての敏腕刑事であり、現在は交番のお巡りさんが
次々に事件を見抜き、解決していく連作短編集。
短いながらに重厚なプロットは
日本推理作家協会賞受賞の名に恥じるコトはありません。
佳作。

今回も印象に残った二つを簡単にご紹介。

まずは『鎖された赤』
少女を誘拐し、土蔵に閉じ込めて愛でようとした青年のお話です。
内容は割愛しますが、アンモラルな世界観を見事に構築しており、
僕には江戸川乱歩のそれを想起させました。
さらには主人公・狩野が青年を追い詰めるシーンには迫真があり、
こちらはテレビドラマ『刑事コロンボ』を彷彿とさせました。
短編なのにこの読み応え。最初のこの一編で当たりを確信しました。

次に『名前のない薔薇』
人には言えない事で名声を得た美人園芸家と、
そのキッカケを作った泥棒のお話です。
こちらも詳細は割愛。でも大輪を咲かせる高名な薔薇も良いけれど、
僕は名も無き小さな野薔薇も素敵だと思います。
例え茨の道が続くとしても、野薔薇の美しさを知った二人なら
これからはきっと大丈夫だと思います。

また表題作であり日本推理作家協会賞受賞作の『偽りの春』、
さらには連作となっている『見知らぬ親友』、『サロメの遺言』も
大変に結構。いづれもプロットもオチもまとまっているし、
人物も描けている隙のない作品です。

薔薇ならず、へらへらした狩野の呆け(木瓜)の棘。

それは観察眼と言う鋭い棘であり、
これからも楽しみにしたいと思います。

蛇足で芸術家の異常性について。
それは『見知らぬ親友』の中にあったのですが、
傷ついた夏希を前にして、いきなりスケッチをはじめる一沙を
美穂は

真の芸術家だ。だけど、異常だ(本文より)

と嫌悪感を覚えました。
その詳細は本書をご確認していただくとして、
僕はこのシーンで知人のとある芸術家を思い浮かべてしまいました。

彼女を異常とは思いません(本当です)。

けれど、やはり自分の作品に対する執着心みたいなモノには
尊敬すると同時に、ちょっとついていけない。
そんな感覚さえ浮かんでしまいます。
有名なところではセザンヌの火事ではないけれど、
やはり芸術家の感覚は、凡人には計り知れないものがあるのですね。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫19歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒5歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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