奥田英朗『罪の轍』読了

昭和三十八年。北海道礼文島で暮らす漁師手伝いの青年、宇野寛治は、窃盗事件の捜査から逃れるために身ひとつで東京に向かう。東京に行きさえすれば、明るい未来が待っていると信じていたのだ。一方、警視庁捜査一課強行班係に所属する刑事・落合昌夫は、南千住で起きた強盗殺人事件の捜査中に、子供たちから「莫迦」と呼ばれていた北国訛りの青年の噂を聞きつける―。オリンピック開催に沸く世間に取り残された孤独な魂の彷徨を、緻密な心理描写と圧倒的なリアリティーで描く傑作ミステリ。
内容(「BOOK」データベースより)

霧は晴れない。

本書は行き当たりばったりで罪を重ねる男と、
その男を追う刑事達を描いた長編社会派ミステリィ。
東京オリンピックを控え湧き上がる日本の、
その光と影に悄然となってしましました。

記憶障害を負う礼文島の漁師
組織改革の変換期にある警察
そして
日本で初めてとなる劇場型犯罪

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
ただし、陰鬱とした気配が物語全体を覆い、
最後まで晴れることはありません。
ラストも勧善懲悪とは程遠く、手に汗を握ると言うよりは
ハッキリと重苦しい読書となってしまいました。
それは社会が、組織が、個人が……
とその主体を誰にするか?も定められず、
また貧困が、差別が、格差が……
とその原因は何処にあるのか置く事もできない。
結果、例えば高度経済成長の歪みウンヌンと言った
曖昧模糊としたモノに責任を押し付けるしかない。
そんな最後まで霧の晴れない読書だった気がします。

正直言えば僕は期待していました。
とある人物が生きているのでは?って。
(オビを含め事前情報を一切ナシで読み始めました)
また何と言ったって、ひねくれ(?)者の『奥田英朗』ですからね。
不安にさせる描写の数々(しかし断定は巧妙に避けられる)も、
快哉を叫ぶ伏線だと思っていました。
でも僕はP536の4行目でオチ(落合刑事)と同じ確信をしてしまい、
本書を一度投げ出してしまいました。
読書再開まで3日を要したことを付記します。

とは言え、本書は重厚すぎることは一切なく、
読みやすく、スピード感もあり、あくまでもエンタメの範疇です。
読後、爽快になるとは言わないけれど、
ひろく多くの方にお勧めできる作品だと思います。

蛇足で作中の仁井刑事について。
彼は前作『オリンピックの身代金』でも登場した長身痩躯の伊達男。
切れ者で単独行動を好み、上司や犯罪に対して遠慮はしないけれど、
誰に対しても(例えば後輩にも)さりげなく優しい……。
そんな仁井刑事を僕は『アルスラーン戦記』の
とあるキャラクタに重ねてしまいました。
って、田中芳樹ファン以外には置いてきぼりの話題で恐縮だけれど、
さて、このとあるキャラクタとは一体誰でしょうか(笑)
ヒントは仁井刑事のあだ名がニールで発音が近いこと。
もっと言えばどちらもイロ(女)方面に強いです(笑)

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ポテチに牛乳

チョコには牛乳が合うと話したら、
牛乳ならポテチも悪くないと返された。
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あっ、本当だ。

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える坊さん、ふう助さん

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スミマセン。呼んでみただけなのです。

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真梨幸子『おひとり様作家、いよいよ猫を飼う。』読了

本が売れず極貧一人暮らし。「いつか腐乱死体で発見される」と怯えていたら起死回生のヒットが訪れた!生活は激変、なぜか猫まで飼うことに。“女ふたり”暮らしは意外と幸福で―。高級フードで食費が嵩んでも、ブランドバッグを寝床にされても無問題。潔癖症だけどウンチョのお世話も喜んで!女同士、ドロドロならぬメロメロ招福エッセイ。
内容(「BOOK」データベースより)

全然平気。

本書はイヤミスを代表する著者の日常を描いたエッセイ集。
同じおひとり様(僕)として、非常に多くの共感がありました。

ごみ屋敷の原因、その仮説。
ヘンタイ魂=ロマン=萌え。
人間の赤ちゃんが泣く理由。

内容はバッサリ略で一言、はぁ~面白かった。
正直、「猫」成分は少なく(全体の2割にも満たない)、
そちらを期待すると肩透かしになるでしょう。
たとえば僕がそうでした。
けれど、読後に失望とかは一切なかったんですよね。
むしろ飾り気なく描かれる「おひとり様」の様子に、
時間を忘れ、睡眠時間を大きく削られてしまいました(welcome^^)
本書は「猫」な方より「おひとり様」に断然お勧めします。

ここからは蛇足で「うんちょ」について。
それは著者の愛猫・マリモさんが
ご飯の遅れに抗議?した時のお話にあったのですが……。
その詳細は本書をご確認していただくとして、
僕は真梨さんがマリモさんの「うんちょ」の後始末に
嫌悪感や忌避感みたいなモノはほとんど感じなかった。
そう確信しているんですよね。それは同じ親馬鹿の僕が

「うんちょ」なんて全然平気

だからです。
そりゃあ、猫タンの「うんちょ」だって臭いし、汚いですよ?
けれど、愛猫(娘達)のそれなら全然平気なんですよね。
例えば時間が経って乾いたそれなら、
素手でポイぐらい平気の平左です(ちゃんと後で手は洗うけど^^)

かなり潔癖症が入った昔の僕からは想像を絶するけれど、
娘達の「うんちょ」なら全然平気になっちゃった。
これも猫タンの特殊スキルなんですかね(下僕の属性変化)。
それが良いか悪いかは判らないけれど、
僕をこんなにも変えてくれた娘達が愛おしくて。
お腹の上のお姉ちゃんに、いつもより多目のトントンです
(って、妹さんはどこ行った?^^;)
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西日

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遊び疲れておねむな妹さん。

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ちょっと、まぶしい?

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村上春樹『カンガルー日和』読了

時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡い哀しみと虚しさ。都会の片隅のささやかなメルヘンを、知的センチメンタリズムと繊細なまなざしで拾い上げるハルキ・ワールド。
内容(「BOOK」データベースより)

村上日和。

本書は『村上春樹』による18の掌編集。
集められた作品は共通したテーマはなくても、
身にまとった空気みたいなモノが同じでした。

印象に残った二編を簡単にご紹介。まずは
『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』
ある日すれ違った100パーセントの女の子に対して、
僕はなんて声を掛ければ良かったのか?と言ったお話です。
で、僕はほとんど確信しているんですよね。
『僕』は声を掛けなくて正解だったと。
月並みな意見だと自覚はあるけれど、
声を掛けた瞬間、その女の子が50%ぐらいになっちゃう。
世の中、だいたいそんなモンですよね?

もう一つは『5月の海岸線』
かつて恋人が住んでいた街に、12年ぶりに訪れる男のお話です。
内容は割愛しますが、奇妙な世界観の多い本書にあって、
珍しくリアリティを感じる作品です。特に理由はないのだけれど、
作中の『僕』は目覚めないんじゃないかな?
と僕(yuki)は感じました。
もう少し言えば『僕』は自殺する(した)イメージが浮かびます。

以上、本書はてんでバラバラでも、
また著者のフィールドである長編ではなくても、
全てに心地よい『村上春樹』がありました。
因みに僕は台風一過の猛烈に暑い日にパンツ一丁で読んだのだけれど、
それは僕なりの「村上日和」となって、決して悪くはなかったんですよね。
そう

全然悪くない(←ニヤリ^^)

皆様も皆様なりの「村上日和」を如何でしょうか。

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断酒会・関東ブロック 第24回ソフトボール大会

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今年も勝てなかったけれど、最高に楽しかった。
お酒がなくったって、僕たちはハイになれるのだ。

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三島由紀夫『潮騒』読了

文明から孤絶した、海青い南の小島――潮騒と磯の香りと明るい太陽の下に、海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。人間生活と自然の神秘的な美との完全な一致をたもちえていた古代ギリシア的人間像に対する憧れが、著者を新たな冒険へと駆りたて、裸の肉体と肉体がぶつかり合う端整な美しさに輝く名作が生れた。
内容(出版社内容紹介より)

清く正しく美しく。

本書は三島由紀夫の長編小説。
若い二人の清き恋心に、歳を忘れて胸が躍りました。
良作。

内容はバッサリ略。
僕は百恵ちゃんの記憶が薄っすらある位で、
ストーリはおろか結末も全く知りませんでした。
けれど、何度も映画やドラマ、アニメでも映像化されています。
年代やメディアを問わず、ひろく愛されている作品だと思います。

なのでここでは一点。それは乳房について。
三島由紀夫の作品は官能的な描写が特徴の一つだと思います。
あるときは背徳的であり、またあるときは神々しいまでに芸術的。
しかし概ね偏執や狂気の影が強く色を落としている……
そんなイメージが僕にはありました。
しかし、本作はそれらとは正反対。

清く正しく美しく

そんな官能が全編で貫かれているんですよね。
例えばそれは、女性の乳房で顕著だったと思います。

突然ですが、僕は親しい女性に対する
セクハラまがいの親父ギャグは大の得意。
けれど、こんな風?にまじめに性を語るのは苦手です。
なのでこれ以上は割愛するけれど、例えば

お互いにはにかんでいるように心もち顔を背け合った
一双の小さな乳房(本文より)



それは決して男を知った乳房ではなく、
まだやっと綻びかけたばかりで、それが一たん花をひらいたら
どんなに美しかろうと思われる(同じく本文より)

の一文なんかに、
オッサン(僕)はちょっとドキドキしてしまいました(笑)

以上、本作は清く正しく美しく。
官能的とは言え中学生以下の少年少女にも
安心(?)してお勧めできる多分唯一の三島作品だと思います。
またその親御さん世代にも、ある意味で予習(?)に使えるので、
機会があれば一読されては如何でしょうか。

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チョコを食べるときの飲み物

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今までは問答無用でコーヒー。
けれど最近は牛乳が美味しいと知りました。

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今日も監視されています

フト本から目をあげればこの通り。
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お姉ちゃんは仕事熱心です。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫18歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒5歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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