富野由悠季『王の心 天女生誕の書』読了

華麗なる貴公子たちが呼ぶ革命の嵐。若き勇者たちに課せられた新たな試練。天に背いた愛の果てに救いはあるのか。著者渾身の大河叙事詩。母なる大地が滅びかけた時代。王たちの理想は自国を“天翔”させることであった。その先駆者となったグラン王亡きあと、カロッダ国では後継者として若き王子フラムロートが選出された。だが、グラン王の側室たちは息子や娘への深い愛から密かに彼を排除しようとしていた。フラムロートは俊英マラーク・ゼヌニムの力を借りて事態を収拾しようとするが、それを阻もうとする王妃が現れた。その名はメスジア。“天翔”を目前にしたカロッダに未曾有の危機が迫る。
内容(「BOOK」データベースより)

獣なのである(←語り部を真似て)

本書は『王の心』三部作の二作目(1,2,3
グラン王亡きあと、新王フラムロートの治世がはじまります。
しかし、カロッダ国にある数々の欲望は、
少しもおさまる事がありません。

内容はバッサリ略で一言、低俗です。
エロと男根中心主義は小説家・富野由悠季の代名詞ではあるけれど、
前作から連続で読み続けると、流石に胸ヤケがします。
婦人の鑑とされた第五婦人・タルマムの言を借りれば、

人が、獣以下であるという情けなさを、
知恵のある頭で考えることはできませんか(本文より)

読了後はそんな気分になってしまいました。

ここからは一言感想を。

『うたた星々』
前説。グラウンドの歴史が語られます。

『カロッダの俊英』
マラークはほとんどニュー・タイプ。
アウラ・エナジィで翼端を飛ばして戦う様子は、
ガンダム・UC か、北斗の拳のケンシロウ vs ハンかと思いました。

『処女の見るもの』
処女である必要性が(僕には)判らない。

『フラムロードの世』
富野版・女性解放運動。
勿論ひねくれており、そのままではありません。

『乳首』
本作の一番。途中はいざ知らず(ほとんど最悪って意味です)
最後が良かった。

『カロッダのクワウンゾゥ』
もはやポルノ。少なくともファンタジィでは断じてない。

以上、本書は前作を読まれたかた以外にはお勧めできない一冊。
僕はもう(図書館から)借りているので読むけれど、
本巻で次の最終巻を諦める方も少なくないと想像します。
ただこれだけではなんなので少しは擁護も……。
本巻は著者の(小説の)作品にしては、
わりあいに男女平等だった様に感じました。

獣だったのは男だけではありません。

女も、フタナリも、等しく見下げ果てた獣です。

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カーフレイズ

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結構ツライのだけれど。
ふうが気持ちよく眠れますように。

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富野由悠季『王の心 死者の書』読了

母なる大地が滅びかけた時代。シェラン・ドゥ・グラン王は、数百年に及ぶ国内の動乱を一代で平定した。人民は王の偉業を称え、国士を救うという“天翔伝説”の実現を待ち望んだ。だが、何者かの策謀で、グラン王が暗殺され、国内には不隠な空気が…。はたして、王位を継承する者は、誰か。そして、天翔伝説の源、アウラ・エナジィとは。王家の悲劇はここから始まり、死者となったグラン王もまた、見えざる神の意志で―
内容(「BOOK」データベースより)

富野節。

本書は暗殺された(と思われる)王の霊が綴った物語(1,2,3
王の亡きあと、権力を争う家族と、地方領主(アドリー)たち。
彼等の独善的な様子に、なんともいえない気分となりました。

内容はバッサリ略で一言、良くも悪くも『富野由悠季』です。
ストーリィには殺伐とした雰囲気があるのだけれど、
目新しさは一切ない。一方で文章は読み難いし、
少なからず意味が判らない等、富野節だけは健在です。
さらには小説の『富野由悠季』に漏れず、過剰に扇情的だったりして。
これらを喜ぶのは男子中学生ぐらいだとおもうのだけれど、
それもまぁ、富野節の一面なのかも知れません。

ここからは一言感想を。

『グラン王の死』
本書では王の毒殺の犯人は判りません。
手がかりもほとんどなく、続巻に期待でしょうか。

『アカイアーの復讐』
個人的には一番良かった。
それにしても著者はつくづく “処女” がお好きで(呆)

『アジャリ・ビィー』
富野版、エリザベート・バートリ。
しかし彼女を S ではなく M にしたのは良かったかも。

『ゴレンゴン哀歌』
富野版、もののけ姫。
本作は砂の怪物だし顔はハニワなのだけれど、
僕はもののけ姫のダイダラボッチが頭に浮かびました(笑)

以上、本書は『富野由悠季』のファンならいざ知らず、
それ以外のファンタジィ、ライトノベルファンには、
個人的にはお勧め出来ません(小さな声で)。
逆にフェミニストの方なら積極的に敬遠されることをお勧めです。

蛇足:
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初版、P239-16行目。
『弟一人が、ベーブ家の…』の “弟” は “兄” の誤り。
死んだのは末弟ではなく次男(次兄)です。

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眉毛

眉毛を切る(整える)。
その頻度はヒゲを剃るよりもずっと高い。
当然、お洒落のためなんかじゃない。
切らないと、村山元首相みたいになってしまう。

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涼しくなったので二階のベッドに戻りました

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で、いつものフォーメーション。

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城山三郎『石坂泰三の世界 もう、きみには頼まない』読了

石坂泰三―第一生命、東芝社長を歴任、高度成長期に長年、経団連会長を務め、“日本の陰の総理”“財界総理”と謳われた、気骨ある財界人の生涯を描いた長篇小説。
内容(「BOOK」データベースより)

上に立つようにでき上がっている。

本書は第二代経団連会長にして「財界総理」の異名を持つ
石坂泰三を記した一冊。ある種の適材適所を感じました。

労働争議に揺れた東芝の再建
大博打に出たアラビア石油
そして
会長として成功裏に導いた大阪万博

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
それは石坂泰三が時の首相だけでなく、海外の要人や財界の重鎮。
さらには世間体?にだって遠慮しない姿勢があったから。
しかしその一方で狸芸(りげい)も巧みであり、
オビにある気骨……と言うよりは『狡猾』の印象が強く残りました。

だからかな?

著者を代表する『粗にして野だが卑ではない』にあった、
主人公に対する尊敬の念みたいなモノには乏しかったかも。
因みにその理由はいくつもあるのだけれど、
例えば記者に大阪万博の交通や宿泊対策を問われ、
石坂は「下々にまかせてある」と答えます。
それは部下に親しみを込めての発言かも知れないけれど、
いくらなんでも「下々」だなんて……。
現代はおろか当時でさえも、時代錯誤な発言ではないでしょうか。
勿論、石坂泰三の功績は疑いようもなく素晴らしいモノですからね?
そこは素直に感心しています。

最後に。
本書にある石坂泰三に触れて、僕はこう感じました。
それは好き嫌いでも、良い悪いでもなく、
人には生まれつきの区分があるってコト。
例えば小林中(あたる)の言を借りれば、石坂は

上に立つようにでき上がっている(本文より)

となり、彼の生まれつきの資質を表していました。
それを乱暴にひろげれば親の地位だったり、財産だったり。
受けた教育や、近しい親類縁者も……そこに含まれるのかな?
これ以上は下品になるから控えるけれど、
人は差別とはニュアンスが違うところで、
歴然とした違い(生まれつきの区分)があると感じました。
でもだからと言って、個人的には適材適所を否定すべきではない、
とも(僕は)考えるんですよね。
その点、石坂泰三は生まれながらのリーダーだったと思います。

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国勢調査をインターネットで回答しました

Subject の通りです。
しかし、本当に簡単ですね。簡単すぎて

「これで本当に終わり?」

って、なっちゃいました。
前回はもっと設問が多かった気がするのだけれど、
各方面に配慮(と言う名の圧力に屈した)があるのかな?

おまけ:
Wont Take No For An Answer
BGM: Cheap Trick / Won't Take No For An Answer

回答はするけれど、I Won't Take No For An Answer~♪

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立原正秋『埋火』読了

骨董屋を営む男と女の沼を、直木賞作家・立原正秋が描く。
内容(ことのは出版より)

なまぐさい。

本書は表題作を含む七つの短編集。
情感とはほど遠い男女の姿に、
唖然以上嫌気未満の気分となりました。

内容はバッサリ略で一言、個人的に苦手でした。
各話にある男女は共に熟年以上であり、
その肉体は腐敗を前にした完熟のそれ。
その肉体をして彼等の精神は……みたいな話が
多かったと思うのだけれど、どれもこれも品がありません。
下品の代表格(僕)は控えるけれど、
悩みのない煩悩は(読者にとって)ただ煩わしいだけだと感じます。

四つほど一言感想を。

『仮の宿』
僧侶の遊び方は二流でしょう。
結局、やけぼっくいには火がつくと予想します。

『吾亦紅』
情景小説。特に意味はないし、共感する点も特になし。

『埋火』
男女の交歓を否定なんてしないけれど、
磯子の欲はなまぐさくて(個人的には)苦手です。

『山居記』
「世捨人」と嘯くおじいちゃんが、教え子とちゃっかり関係を。
老人が(男女を問わず)肉欲を持つ事に否定はないのだけれど、
年下の異性には必要以上の慎みを持つべきでは?

以上、本書は老いてゆく男女のある意味で肉体を扱った一冊。
そこにあった肉欲に、精神的な「奥行き」は全くありません。
著者のターゲットがどの層にあったのか判らないけれど、
男女の一例?としては参考になるのかもしれません。

蛇足で骨折について。
それは『吾亦紅』の中で肋骨の骨折があったのですが……。
その詳細は本書をご確認していただくとして、
ずれた骨を医師が「エイヤァ!」って物理的に元に戻すのって、
気を失うくらいに痛いですよね。
僕は肋骨ではなく鎖骨だったけれど(モトクロスレース中の事故)、
二度と経験したくはありません。

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ちょっと不思議

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娘達は腰をトントンしてあげると、とても喜びます。
でもふう助さんは何故か後ろ足で砂を蹴る?マネをするんですよね。
ちょっと不思議。

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乙川優三郎『さざなみ情話』読了

銚子から江戸へ。高瀬舟を駆って修次は暮らす。だが、借金して手に入れた舟では稼げる金もしれている。父兄を海で亡くした彼は、母妹の面倒もみなければならない。松戸の平潟河岸で出会った女が、彼の人生に希望を灯してくれた。ちせというその女は売笑をしていた。女衒に買われ流れてきたのだ。彼女を身請けして添い遂げようと修次は決意するのだが…。深い感動を呼ぶ時代長編。
内容(「BOOK」データベースより)

生まれ変わる。

本書は飯売女と船頭の物語。
遊女の身請け話と言うありきたりな話ではありますが、
あきれるほど心が震えてしまいました。
良作。

内容はバッサリ略で一言、とても良かったです。
ネタバレを避けるけれど、物語の最後、
二人の結末を心から祝うことが出来たから。

正直、この結末までの過程はイライラしっぱなしでした。
無慈悲な毎日が彼等を(特に精神面を)蝕む様子に、
「これで最後に幸せにならなきゃ(作者を)ゆるさないぞ?」
って、不安と猜疑が 1:1 の読書です。
これで研ぎ澄まされた筆(文章)がなければ、
あるいは途中で投げ出していたかも知れません。けれど……。

きっと二人の未来だって別の意味で苦労が絶えないと思います。
しかし生まれ変わった二人の精神には愛情という
強い一本の柱が通ったでしょう。もうどんな苦労も苦痛も、
彼等ならきっと大丈夫だと確信します。

以上、本書は日常に疲れ、鬱屈を感じている方にお勧めしたい一冊。
現実は小説の様に簡単ではないけれど、自分も「生まれ変わる」。
ただそれを想像する(言い換えれば夢を見る)だけで、
僕の軟弱な精神にも “支え” みたいなモノが立ちました。

蛇足で「トバきり」について。
作中、この語彙が何度か使用されていたのですが、
最後までハッキリとした定義?意味が判りませんでした。
話の流れから船に関するコトだとは思うのだけれど……。
勿論、グーグル先生に何度も(手を変えて)お尋ねしたんですけどね。
「窃盗の補助行為」だとか「北海道特産の鮭とば」とか(苦笑)
流石にコレはちょっと違うな、ってのしか出てきませんでした。
この些細な不明だけが心残りです。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫20歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒6歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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