山内マリコ『選んだ孤独はよい孤独』読了

地元から出ないアラサー、女子が怖い高校生、仕事が出来ないあの先輩…誰もが逃れられない「生きづらさ」に寄り添う、人生の切なさとおかしみと共感に満ちた19編。情けなくも愛すべき男たちの「孤独」でつながる物語。「女のリアル」の最高の描き手・山内マリコが「男のリアル」をすくいあげた新たなる傑作!
内容(「BOOK」データベースより)

そうでもない。

本書は実力の無さが “孤独” に繋がってしまう男たちの物語。
リアリティを感じるモノとそうでもないモノがおよそ 1:3 でした。

ここからはいくつかを見繕って一言感想を(なんせ19編もあるので)。

『男子は街から出ない』
これはちょっと判るような気がしました。
ただ、ボーリング(遊技場)は、バブル前後で全く印象が変わった気がします。

『女の子怖い』
花音ちゃんは極端。
でもまぁ、女子はこんなモンだと身構えておくのが吉かも(小声で)。

『「ぼく」と歌うきみに捧ぐ』
男性を誤解されている様な気がしました。
勿論、そう感じる男性もいるのでしょうが、
僕が観察するトコロ、そんな男性を見たコトがありません。
きっと多数の男性は気にも留めていないのでは。

『あるカップルの別れの理由』
別れの話なんだけれど、意外に爽やかな印象が残りました。
うん。お互いに次に行こう。次、次!

『ぼくは仕事ができない』
イマドキ、飲みにケーションって(白目)
そんなの逃げちゃえ、逃げちゃえ。

『いつか言うためにとってある言葉』
逆もしかり。例えば、
『私が三菱商事の重役の娘でなかったら、
結婚なんてしなかったんでしょう!』って。
同様に詰られている男もいるのでは?

以上、本書は女性(作家)が想像する孤立した男性の物語。
リアリティのある設定にあっても、
大体においてはやや男性心理に遠いのかな?って。
正直、そう感じてしまいました。
多分、気持ちの切り替え方が男と女性は違うからだと思うのだけれど、
打ちひしがれて、倒れてしまって、立ち上がれなくて、それでもなお。
肘と膝を使って匍匐前進を続ける。
そんな人たちも男も女性と同程度には居ると思いますよ?(オドオド)。

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日常

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君も洗濯機で回しちゃうよ?

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幸田真音『人工知能』読了

中学生の頃から悪さばかりしてきた、新谷凱。いつも行き当たりばったりの人生を送ってきた彼が、唯一興味を持てたもの―それは「人工知能」の世界だった。携帯電話会社でのアルバイトや電気機器メーカーでの企画開発などを経て、AIに携わる仕事に就いた凱。その企業で彼は、ある事件の捜査に協力することになる。その事件とは、自動運転技術が搭載された試験中の車が、人を轢いたというものだった…。人気経済小説家が描く、衝撃のサスペンス!
内容(「BOOK」データベースより)

がっかり。

本書は AI の危険性を主軸としたミステリィ。
ただし、著者の AI に対する知識に疑問を感じてしまいました。

内容はバッサリ略で一言、うーん。
先端技術はそれこそ日進月歩だし、
僕みたいにリタイアしたエンジニアが大上段に語るべきではない。
それでも、正直、本書にある AI に関する文章には白けてしまいました。

物語は良かったです。
洗脳を “する” 側と、“される” 側の設定には新しさを感じたし、
オチは(僕は)それなりに愉快でした。

ただ、それ以上は無いんですよね。
例えば前半の主人公の生い立ちの長々とした記述に何の意味があったのか。
僕にはサッパリ理解できません
(言いたくないけれど、これぞ老人の昔話って感じ)
また著者は AI をどのくらい学んだのでしょう。
情報が古いとかウンヌンではなく、そもそも明らかな誤解があります。
AI の “自律” の意味を、著者は全く理解されていない様に感じました。

語弊を恐れずに言えば、
AI は今後も(車に限らず)あらゆる分野で成長し続けます(キッパリ)。
そこに懸念や恐怖を感じる人は多いと思うのだけれど、

大丈夫です。

僕達の後進はきっとそれらの全て(の問題や課題)を克服してくれますよ?
これは予言ではありません。確実な未来です。


AI によるコスト高に言及されると、
残念ながらそこはその通りになると考えています。
だからこそ、著者はそこも赦せななかったのでしょうね(→貧富の差)。
前半が主人公の恨み節だらけになってしまった理由の一つかな……。

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イタタ

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敷地の枝切り。梯子がズレ(?)ちゃって。

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中原中也/著 まくらくらま/絵『詩集『山羊の歌』より』読了

30歳でこの世を去った詩人による生前に刊行された唯一の詩集。中原中也の名作が、アンティークのような不思議な魅力を放つイラストで話題の大人気イラストレーター・まくらくらまによって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第27弾が登場。詩集としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
内容紹介(「BOOK」データベースより)

酔いしれる。

本書は中原中也の生前に刊行された唯一の詩集。
しかし、まくらくらまさんによるイラストにほとんど持って行かれました。
佳作。

内容はバッサリ略で一言、非常に素晴らしかったです。
正直、僕は中原中也をあまり評価していないのだけれど、
いくつかはスタンダードになった詩があるのは事実ですよね(功績)。
なので今回図書館の、新作コーナにあった

『生前に刊行された唯一の詩集』

のアオリに惹かれて本書・中原中也を手にしました。
けれど、予想とは全く違った意味で、酔いしれてしまいました。

詩を語る愚は控えます。

ただ、詩って己の醜い姿をギリギリで格好良く見せるためのメソッド。
そう再確認した様な気がします。
(←貶していません。むしろ芸術の中でも至高の領域だと思っています)
その意味で、いつもギリギリのトコロで格好つけてしまう僕は、
中原中也の心を(僕なりに)感じるコトが出来た様な気がします。

ただし

本書の価値の9割はまくらくらまさんによるイラストにありました。
無教養な僕でさえ、ハッとするイラストが何枚もあり、
実はもうアマゾンで(本書を)発注してします。
貧乏な僕だけれど、
このイラストの為なら二日間くらい何も食べなくても平気です。

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ぬか漬け

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茄子はしょっぱいぬか床の方が美味しい気がする(全く自信なし)

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日常

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金原ひとみ『ミーツ・ザ・ワールド』読了

焼肉疑人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。人生二度目の合コン帰りに出会ったのは、「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語る美しいキャバ嬢・ライだった。推しへの愛と三次元の恋。幸せを求める気持ちが向かう先は…。
内容紹介(「BOOK」データベースより)

自分の思う通りに生きれば良い。

本書は腐女子と死にたいキャバ嬢の不思議な交友を描いた一冊。
彼女達の生き方に、驚きと共感と感銘がおよそ 1:1:1 でありました。
佳作

腐女子だと自他共に自分を蔑む銀行員の由嘉里。
存在しないことが自分の価値だと言うキャバ嬢のライ。
倫理が狂っていて、それでもセックスが苦手な No.1 ホストのアサヒ。
死やグロばかり書いている、過去に家庭を崩壊させた小説家のユキ。

内容はバッサリ略で一言、非常に面白かったです。
それは多様性が尊ばれる現代の風潮の中で、逆に発生する疑問。
その明確なアンチテーゼがあったから。

突然ですが、近年では個性を大切にしよう。
そんな傾向があると僕は感じています。
一方で、個性を高らかに謳いながら、
ちょっと変わった子(?)には様々な病名が与えられ、
“普通” の人達と一緒に暮らしていける様に薬漬けにされている。
作中にも言及されているのだけれど、なんだか矛盾を感じますよね。

他人から勝手に張られるレッテル。
自分で自分に張ってしまうレッテル(哀しいけれど、おおむね自己否定)。
加えて、他人(家族を含む)から求められる人物像。

彼女達は確かに狂っているし、ズレていたと思います。

ただ、僕が彼女達を(例えその一部でも)理解できない様に、
彼女達も僕(≒僕達)の “普通” が理解できない。
それは彼女達にとって、とても辛いコトなんだと感じました。

ラストは一点だけ、もう少し欲しかったのだけれど
(なぜなら僕は彼女がとても気になっていたからです)
全体的に(著者にしては)前向きで、とても良かったと思います。

以上、本書は多様性と個々の価値観の矛盾を描いた一冊。
由嘉里の独白を中心に前半はややだるいのだけれど、
『金原ひとみ』をさらに見直す作品となりました。
(実は割と昔から僕は彼女のファンです^^)

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日常

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浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』読了

北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「全員が仲のいい最高のクラス」で、なぜー。垣内友弘は、幼馴染みの同級生・白瀬美月から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪。犯人を裁く1度きりのチャンスを得た友弘は、異質で孤独な謎解きに身を投じる。新時代の傑作青春ミステリ。
内容紹介(「BOOK」データベースより)

いま直ぐに決める必要はない。

本書は高校内で起きた連続生徒自殺事件の真相を暴く一冊。
スクール・カーストの “上” と “下”。
また、友情の “ウラ” と “オモテ” がありました。

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。
それはテーマの一つに、人と人は判りあえないのに、
それでも人は一人ではいられないとあったから。

正直言えば、僕はこの意見?に反論があります。
それは、子供はいざ知らず、大人になれば、人は自由になれるし、
一人だけで生きるコトも可能だと考えているから。
その点で僕は(どちらかと言えば)真犯人の意見に近いのだけれど、
しかし、ラストで主人公・垣内が美月ちゃんに放った質問(とその答え)にも
素直に感動するコトが出来たんですよね。
この背反する二つの価値観が本作の白眉だったと思います。
それでも……

生き方や考え方なんて、
別にいま直ぐに決める必要はないのでは?と感じました。
またそれを貫く必要はないし、むしろそれを固定(決めつけて)しまうのは
自分の人生を縛り付けてしまうだけ、って危惧してしまいました。

一人が寂しかったら、誰かを求めれば良いし、
それが嫌になったら、また一人に戻れば良い。

その時々で臨機応変に考え方(生き方)を変えちゃっても、
オッサン(僕)は全然 OK だと思いますよ?
だから、垣内君も、真犯人も。美月ちゃんも八重樫君も。
もう少し肩の力を抜いて、これからの人生を謳歌して欲しいな、って思います。

最後に。
先日、著者の『俺ではない炎上』が面白かったので、
図書館で予約なしで借りられた本書を手にしました
(別の話題作も予約しました。なんと16冊所蔵、131人待ちです)。
正直、超能力が出てきた時には少なからずガッカリしたのだけれど、
物語に溶け込んでいたし、かつ刺激的なスパイスにもなっていました。
著者の作品はまだ二冊しか拝読していないけれど、
いやぁ~本当に上手い作家だなぁ。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫享年23) 臆病で泣き虫。けれど誰よりも強くて優しい子。僕の宝物。職業:これからもずっと父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒9歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。いまもお姉ちゃんを探しちゃう。職業:父ちゃんの邪魔。
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