吉屋信子『返らぬ日』読了

あたしはただ、そのもののあなたを、愛して愛して愛しぬいてゆきたいの−。女学校で出会い、惹かれあう彌生とかつみの愛を描いた表題作など、愛と友情に揺れる少女たちを描いた短篇集。エッセイ「同性を愛する幸い」も収録。
内容(「TRC MARC」の商品解説より)

恋愛賛歌。

本書はいわゆる『百合』を扱った六つの短編集(+エッセイ一編)。
およそ100年前の作品ですが、古臭さは一切なく、
むしろ瑞々しい輝きを感じました。

内容はバッサリ略で一言、非常に面白かったです。
それは当時は背徳であったと予想される同性の恋について、
少なくとも著者の主張(?)には全く後ろめたさを感じなかったから。

勿論、一般的?な恋より障害は多いと感じました。
実際、作品のほとんどが哀恋で終わってしまったし。
けれど、そこにも後悔や悲劇みたいな恋を貶める(?)。
そんな様子を全く感じなかったんですよね。
むしろ、恋は叶っても叶わなくても素晴らしい。
だから乙女たちよ。

これからもドンドン恋しちゃえ!

って、僕は受け取りました。
作品の時代性を語る愚は控えるけれど、
著者の放つメッセージは百合ウンヌンに全く関係なく、
現代を生きる僕の胸にも素直に響きました。

なお、本作は文語体で記述されています。
なので文系にサッパリな僕には少々読み難かったのだけれど、
どれも短編だし、ストーリィも単純なので、存外に苦労なく読めました。
逆に文語体が(僕には)新鮮だったし、
教科書を読んでいる気分にもなって、かなり楽しかったかも(笑)
さらには多用されるびっくりするくらいストレートな比喩が、
非常に好ましい刺激にもなりました。

以上、本書は『百合』と言うより、単純に『恋愛賛歌』を感じさせた一冊。
個人的には百合がちょっと……って方や、
理系の方にこそお勧めしたいと思いました。

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雷鳴

動物病院に迎えに行った。
ふうは何度か鳴いた。

帰りのタクシーの中。
ふうは珍しく鳴かなかった。

帰宅後、キャリーバッグから出て。
ふうはしばらく固まった。
それから家の中を歩き回った。

僕はコタツに入ってふうを待つ。

ほどなくして戻ってきた彼女は
なんの衒いもなく。緊張もなく。
僕の膝の上に乗ってきた。
そーっと、彼女の喉を撫でてみる。

ゴロゴロ、ゴロゴロ。

僕の不安を吹き飛ばす、
柔らかな雷鳴がはじまった。

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【漫画】田村由美『7SEEDS(全35巻 + 外伝1巻)』読了

ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!
内容(出版社内容紹介より)

生きろ。

本書は近未来を舞台としたサバイバル・コミック。
過酷な世界にあって最も厄介だったのは、人の心でした。
秀作。

内容はバッサリ略で一言、はぁ~面白かった(ため息)。
それは多くあるのですが、
たとえば過(あやま)ちはキチンと過ちとして扱っており、
安易に美談にはしなかったから。

中には最後まで赦されないモノもありました。

痛みや哀しみ。そして恐怖。

それらは被害者が赦さなくてはいけないモノではないし、
また(赦しを)強要されるべきモノでもない。
ネタバレは避けるけれど、外伝で花が安居に伝えた素直な気持ちに、
外野がとやかく言うべきではない。僕はそう感じました。

多くの印象的な場面がありました。
それは歓びや、愛情、新たな出会いや発見にもあったのだけれど、

新巻と吹雪に美鶴さん(共に犬)
源五郎と我が子の様に可愛がっていた端午(虎)
安居と、安居と対等になれない茂

等々、個人的には別れのシーンに多かったです。

スミマセン、語りたいコトが山ほどありすぎて収集がつきません
(いつものコトですが、今回は特に)

なので最後に一つだけ。
それは漫画の、画(イラスト?)の凄まじさについてです。
本当はこれも非常に多くの場面にあったのだけれど、
特に小瑠璃が繭を失う場面です。
そこにあった彼女の慟哭を顕す画(具体的には8巻の130ページの1コマ目)に、
苦しくなってしまいました。息が出来なくなってしまいました。
あの1コマは今でも(目をつぶっても)鮮烈に思いだすコトが出来ます。
それぐらいに強烈でした。
僕は漫画に深くないので、浅い感想になってしまいますが、
漫画は、画は本当に凄まじいです。読者に伝える一発?の破壊力に、
もはやため息しか出なかったです。

以上、本書は近未来サバイバルでありジュブナイル。
善人も悪人も等しく血が通っており、
たとえ共感できない人物であったとしても、存在感とリアルを感じました。
どなた様にも自信を持ってお勧めなのですが、
漫画は……と食わず嫌いの人には特にお勧めしたい作品です。
どうか(漫画の)画だけが持つ破壊力に、木っ端微塵になって下さい。

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次回の休み予定

2/19から2/28は本ブログの更新をお休みします。
よろしくお願いします。

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入院します。
ふうはいつもお世話になっている病院に預けます。
しばらくブログを更新を出来ませんがよろしくお願いします。


こんなことになると、いつも心配なのはふうのことだけ。
僕が死んだら彼女は一体どうなるのだろう
(出来る限りの用意はしているのだけれど100%の信頼じゃない)。
手術なんかより何倍も不安だ。

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初夢

鼻がとれる夢。
花粉症の僕には縁起が良い。

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謹賀新年

IMG_20231206_124221.jpg
みんな仲良く、穏やかに。
よろしくお願いします。

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プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫享年23) 臆病で泣き虫。けれど誰よりも強くて優しい子。僕の宝物。職業:これからもずっと父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒9歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。いまもお姉ちゃんを探しちゃう。職業:父ちゃんの邪魔。
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