五十嵐貴久『炎の塔』読了

高さ450メートルを誇る日本一の超高層ビルが完成した。
オープンの初日、様々な事情を抱える人たちが訪れていた。
そんな彼らに未曾有の大火災が襲いかかった。
通称“ギンイチ”銀座第一消防署の若き女性消防士・神谷夏美は
猛威をふるう炎の中、死を賭した任務に出動するが―。
完璧だったはずの防火設備はなぜ破綻したのか?
最上階に取り残された人々の運命は?
想像を絶する焔と人間の戦いを描く極上エンターテインメント!
内容(「BOOK」データベースより抜粋)

一気呵成

本書は映画『タワーリング・インフェルノ』に
インスパイアされた作品です(著者あとがきより)。
内容も大きくはそれないし、突っ込みどころも結構あります。
ですが、スリリングでハイスピードな展開は
パニック小説として純粋に楽しめました。

肺ガンを克服した夫と支えた妻
後ろめたい援助を受けて当選した都知事
そして
離婚を決意した夫婦とその娘

タワーに訪れた人たちは、それぞれある期待を胸にしています。
それはキッカケだったり、祝福だったり、幕引きだったり。
けれど、災害発生でその思惑は水泡と化してしまうんですよね、
なんせ生死がかかっているのだから。
そして、嫌でも己の本質・本音を知る事になり……。

正直、登場人物が多すぎて掘り下げが足りません。
それぞれが魅力的な背景・設定なので大変惜しい気がします。
個人的には消防署に関わる人間模様をこの倍は欲しかった。
逆に老いた銀幕スターや、311で被災した親子の話、
さらには高校教師の愛人、主人公と彼氏といった恋愛部分(?)は
無くてよかったかも。

化学的な仕掛けを含め、ご都合主義も散見される。
けれど、手垢の付いたこの分野(パニック物)に新風もあるし、
細かな伏線とその回収は見事です。
文字通り火がついてからは一気呵成でページも進むし、
大満足の読書時間となりました。

蛇足で折原が仕事の合間に心のオアシスとした水中ショー。
そんなに女性から後ろ指をさされる事なのでしょうか(笑)
実は僕も子供の頃、
よみうりランドで水中バレエを見た事があります。
正直内容は良く覚えていないのですが、
子供向けでもありますからね?
こちらは刺激的なお召し物(?)ではなかったのでしょう。
あっ!だから僕の印象に薄いのか!?妙に納得。

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離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

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