伊坂幸太郎『サブマリン』読了

陣内さん、出番ですよ。
『チルドレン』から、12年。家裁調査官・陣内と武藤が出会う、
新たな「少年」たちと、罪と罰の物語。
内容(「BOOK」データベースより)

そういうわけにもいかねえ。

本書は家庭裁判所の調査官と非行少年(達)のお話し。
「罪と罰」と言う答え無き問いに、ある種の「光」を提示しており、
鼻の奥がツンとなりました。佳作。

内容はバッサリ略で一言、面白かった!!
正直、長編となった本作は、(連作)短編であった前作より
間延びした感もあります。
でもその分、ラスト近くのカタルシスは強烈なモノとなり……
で、実際困るんですよね。少年相手なら兎も角、
家裁調査官がオッサン(僕)をオトしてどうするの?

「おい、本気で言ってるのか」(本文より)

俊クンの台詞ではないけれど「つまらない冗談」は辞めて欲しい。
感動に打ちのめされて、コッチ(読者)まで苦しくなるから。

また陣内は「罪と罰」と言う命題に対し

事件を起こした奴らはみんな、
厳しく罰しておしまいにすりゃいい(本文より)

と嘯きます。けれど、

でもな、そういうわけにもいかねえんだ(本文より)

と続けるんですよね。
その理由は本書をご確認していただくとして、
僕は「答え」は出なくても、「光」なら見つけられると確信しました。
若林君も棚ボタ君も俊クンも。みんなみんな、頑張れ。

蛇足で永瀬と優子ちゃんの幸せそうな様子が描かれており、
前作からのファンとして大変嬉しかったです。でも鴨居君は……。
また優子ちゃんと恋敵だったベスちゃんと二人?の新しい関係にも、
これまた嬉しく思いました。でも鴨居君は……。

さらに蛇足:
FJ310139_201604191251488a6.jpg
初版、P242-6行目の誤字(脱字)。
でも発見したのは僕ではなく、この本を貸してくれた所有者。
きっと今頃、彼女の鼻の穴は膨らんでいるでしょう。

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ジャンル : 小説・文学

Tag:読書  Trackback:1 comment:2 

Comment

藍色 URL
#- 2019.01.14 Mon06:30
あっという間に読んでしまいました。
楽しかったです。
実際いなさそうで、いそうで、
そんな登場人物のキャラが本当に秀逸です。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
yuki URL|Re: タイトルなし
#- 2019.01.15 Tue12:07

藍色さん、こんにちは。

> そんな登場人物のキャラが本当に秀逸です。

仰るとおりですね。
伊坂作品の多くがそうではあるけれど、
本シリーズは特にキャラが立っていると思います。

トラックバックいたしました。
後ほどご確認をお願いします。
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「サブマリン」伊坂幸太郎

「武藤、別におまえが頑張ったところで、事件が起きる時は起きるし、起きないなら起きない。そうだろ? いつもの仕事と一緒だ。俺たちの頑張りとは無関係に、少年は更生するし、駄目な時は駄目だ」/「でも」/うるせえなあ、と言いたげに陣内さんが顔をしかめた。/「だいたい陣内さん、頑張ってる時ってあるんですか?」/と僕は言ったが電車の走行音が激しくなったせいか、聞こえていないようだった。(本文より) ... 粋な提案 - 2019.01.14 06:22

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離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
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長女:える(雉猫18歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒5歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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