柚月裕子『孤狼の血』読了

昭和六十三年、広島。
所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、
ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の
金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。
飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に
戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。
やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。
衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない
大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か、信じられるのは誰か。
日岡は本当の試練に立ち向かっていく―。
内容(「BOOK」データベースより)

ヌルく。

本書は極道との戦いを描いた悪徳警官小説。
有名作家の書評の数々に惹かれて手にしましたが、
正直拍子抜けです。決して悪くは無いのだけれど。

補足すればオビにある「リアリティ」、「正統派ハードボイルド」
を期待された方(含む僕)はガッカリ成分多目かな。
また「予期せぬ結末」に期待された方でも、賛否両論はありそうです。
尻切れトンボ(≒策に溺れる)に感じるし、
そもそもプロローグで「パナマ帽」が出てこない時点で
僕は怪しいと睨んでしまいました(残念)。
ネタバレになるので控えますが、
とある時効目前の事件の犯人も意外性が皆無で白けます。
正直、全体を通して「可も不可もなく」な作品であり、
オビの(著名作家の)アオリが一番刺激的だったかも。

これは個人的見解ではありますが、
「リアリティ」、「ノワール」に「バイオレンス」。
またはそれらを含む所謂「正統派ハードボイルド」は
男性作家の方が僕の感性を刺激します。
女性作家のそれはちょっとヌルくて(震える声で)

蛇足で小料理『志乃』で女将の晶子が日岡にタコ飯を供する場面。
大上は「酒のつまみに米はしっくりこない」と嘯くのですが、
若い日岡は腹を空かせており、
晶子の心づくし(タコ飯)を勢い良くかき込むんですよね。
僕は若く無いけれど、酒を止めてお米のおいしさを再発見したし、
なによりタコ飯の旨さを知っています。
おかげで日岡君の満足が、僕の胃と舌で再生されてしまいました。
あ”~。

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離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
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