小田豊二『初代「君が代」』読了

今の「君が代」の前に、もうひとつの「君が代」があった!
明治初期、わずか数年で使命を終えた、国歌誕生の謎に迫る。
内容(「BOOK」データベースより)

国歌とは。

本書は初代の「君が代」が作成された経緯を中心に、
明治維新の一端を描いたノンフィクション。
激動のさなか悪戦苦闘する全ての当事者に、感謝の念を覚えます。

黒船来航による開国
はじめての外賓と外交儀礼
そして
英国軍楽隊と薩摩藩

恥ずかしながら「君が代」に先代があるのも知らなかったし、
初耳の話が多かったです。
例えば歌詞が薩摩琵琶の『蓬莱山』の一節から採られたことや、
作曲は英国人・フェントンであったこと。
そのフェントンに作曲を依頼した「君が代」の選定者には
多くの自任する者がいて現在でも定かではないこと。
さらには初代から現代の「君が代」に改定時のウラ話等、
どれも興味深く拝読できました。

本書は「研究書」ではないと断りがある様に、
残念ながら確証の得られなかった部分も多々あります。
それでも多くの文献と足を使った調査には一定以上の説得力がありました。
「君が代」の選定者は多くが名乗りをあげていますが、
僕は(も)薩摩藩通詞・原田宗助だとほとんど確信する事が出来ました。

正直、「君が代」だけではページを満たせず、
逆に近代化当時の日本や、サツマバンド等、
魅力的な脇道を掘り下げるにはページが足りない。
やや苦心のあとも見られるんですよね。
それでも「国歌」の作成を迫られた背景や、
「国歌」の国際的な意義に多くのサジェッションがあります。
思想の如何に問わず、ひろく読まれたい一冊だと感じました。

蛇足で国歌について。個人的な意見を控えめに。
僕は「国立市立第二小学校事件」でも知られ、
いわゆる「左」の人が多い街に住んでいます。
なので学校で「国歌」を歌わない、習わない、教えない、
って話も良く聞くし、実際に「君が代」を忌避する人も
少なからず知っています。
でも僕は国歌はどこまで行ってもただ歌だと思うんですよね。
ただのアイコンでしかない。他人の好き嫌いに意見はないけれど、
それほど過敏に反応しなくても良いのでは?とも思います。

因みに僕は「君が代」を歌います。大きな声で歌います。
それは「君が代」がアイコンといっても、
僕達の父や母、日本の全ての先哲のアイコンだからです。
おためごかしではありません。
僕は国と言うより、この国を僕達に残してくれた全ての先哲に
感謝の気持ちを込めて歌います。
それが僕の「君が代」です。

さらに蛇足:
rps20180427_065839.jpg
初版、P173-16行目。
『日本人には評判がよくなった』の
”よくなった” は ”よくなかった” の誤字(脱字)です。

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