田中芳樹『天涯無限 アルスラーン戦記16』読了

マルヤム国王ギスカールと手を結んだヒルメス、
魔将軍イルテリシュに率いられたチュルク軍、
孔雀姫フィトナを押し立てたミスル軍、
そして蛇王ザッハークと魔軍!!
難敵に包囲されたパルス国とアルスラーンの運命は!?
伝説的ベストセラー、堂々完結。
内容（出版社内容紹介より）

こんなところなの？

本書は人気シリーズ『アルスラーン戦記』の完結編。
30年以上続く大作の結末がこれかと、
徒労感以上のやるせなさを覚えました。

内容はバッサリ略。さらに今回は一言も略。
僕は1巻からリアルタイムでファンなので
批判をしたくはありません。

ただ少しだけ補足するなら、読者は物語のそれではなく、
現実的な「残酷」を体験するコトになるでしょう。
それは誰もが老いると言う普遍の真理。
「田中芳樹」はその身を持って示してくれました。

また近年アニメ等でファンになられた方も多いと思います。
彼等には

アルスラーンは第一部で辞めておけ。

と言いたいです。
でもファンが読むのを辞める（辞められる）わけがないし、
そんなのは老人（僕）の戯言。
当世風に言えば老害にしかなりませんよね。
なのでこれ以上の感想は全て控えたいと思います。

最後に。
『アルスラーン戦記』は僕にとっても生涯忘れられない作品です。
その結末がこんなコトになるなんて、
現実はいつだって最悪を更新すると痛感しています。
今はまだ冷静さに欠くと自覚しますが、

ま、こんなところだな（本文より）

片目の偉丈夫みたいに、達観することが出来ません。