黒野伸一『AIのある家族計画』読了

わたしの名前は恵。二十歳。プーさん―健司さんの家で働いている。
横浜に住んでいるプーさんの家族は五人。おばあちゃんのマサさん、
おじいちゃんの蔵弘さん、お姉ちゃんの瑠璃と、弟の浩がいる。
わたしはみんなと仲良しで、とっても幸せ。
そして、拾ってくれたプーさんのことが、大好き。
そんなに器用じゃないけれど、そんなに可愛くないけれど、
わたしはこの家族をアイしている…心から、本当に。
けれども、あんな事件が起きてしまって―。
内容(「BOOK」データベースより)

心配要りません。

本書は日常生活にアンドロイドが欠かせなくなった近未来のお話。
人間とアンドロイドのほのかな共感に、心が温まります。

二極化が進む日本
アンドロイドとの共生
そして
不穏な殺人事件

正直、SF として特記すべき点はありません。
およそ30年後と推測される近未来が舞台なので
技術的な制約もあったのでしょう。
アイデアにもおのずと限界があったのだと思います。
それでも折角の SF ですからね?
もう少し発想の飛躍が欲しかったし、遊びや刺激も欲しかった。

一方でノーベル経済学賞受賞のミルトン・フリードマンの逸話を基に
中産階級の必要性を説く下りなんか、非常にシニカルです。
さらにはアンドロイドと指摘しない・口にしないマナーなんて
(暗にポリコレを揶揄しています)後ろめたい愉悦もあったりして。
読み物としては割りとエキサイティングでした。

さらにはリニアモーターカーが頓挫したことや、
小泉進次郎さんが首相になっている等、豊富なコネタも面白い。
田中圭一さんの表紙が激しくネタバレだし、
タイトルの「家族計画」には疑問符がつくけれど、
(ありていに言えば「あざとい」です)
アンドロイド物?としては割りとオーソドックスであり、
ひろく浅く多くの方にお勧めです。

最後に。
本書のテーマでもあり、手垢のついたテーマでもあるけれど、
AI と人間の共存について。
世間では危機感や不安を煽る意見を多く目に(耳に)するけれど、
僕は割りと楽観的なんですよね。
エンジニアのはしくれとして語りたいコトは多いのだけれど、
一言で言えば、穏やかに共存できると考えます。
それどころか(生殖は兎も角)、
アンドロイドと人間の恋愛も普通になると思うし
(少なくとも LGBT ぐらいにはメジャー?なマイノリティになるでしょう)
結婚だって全然アリだと僕は考えます。

そりゃまぁ、愛(AI)に暴走は付き物だけれど(笑)

けれど、愛し合う二人?を引き離せないのは
シェークスピアの時代から変りませんよね?
そんな野暮な事を心配するより、僕は愛(AI)の無限の可能性を喜びたい。
未来は、技術は、常に光り輝く方向へ進んでいます。

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