木皿泉『さざなみのよる』読了

「小国ナスミ、享年43。」
宿り、去って、やがてまたやって来る―感動と祝福の物語。
内容(「BOOK」データベースより)

そういうこと。

本書はテレビドラマを数々手掛けた人気脚本家による一冊。
一人の女性の死を通して、生(せい)の温かさを描いています。
秀作。

内容はバッサリ略で一言。駄目だこりゃ。
構成された14話はいづれも非常に短く、当然奥行きはありません。
また主人公が最初に逝く設定もさほど目新しくはないし、
通底するテーマ・生と死に対する強い主張も見当たらない。
本書の特徴を強いてあげるとすれば、
豊かな(←ダブルミーニング)「行間」ぐらいしかないんですよね。

けれど泣けます。

恥ずかしいけれど大の大人が踏ん張れませんでした。

感情が入りすぎてしまうので今回はコレで失礼します。
ただ「行間」と言う曖昧模糊なモノしか褒めるところはないけれど、
大切な人を亡くした経験がある方なら(きっと多くの方がそうですよね)
僕と同じ感想になると思います。

駄目だこりゃ。

こんな作品を読まされたら、
目や鼻や口から出るモノが止まるはずありません。

最後に。
ナスミの死に接し、多くの登場人物に「気付き」がありました。
その詳細は本書をご確認していただくとして
(どれもこれもイチイチ胸を打ちます)、僕は何度も使用された

そういうこと(本文より)

のフレーズに強く惹かれました。
どこか飄々としているそれは、

哀しみを残さず、流しちゃえ

と、控えめに示唆していたように思うんですよね。
それは生も死も同じこと。
僕も残すのではなく、次に流して(繋げて)、
サラリと消えたいと思いました。
生きるって、きっとそういうことなんだと思います。

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