谷川俊太郎 佐野洋子『ふたつの夏』読了

詩人と絵本作家による唯一の合作小説復活!
元版は1995年に刊行されたが、
二人の離婚によってあっという間に絶版、幻の作品になっていた。
「釘」「安心してここにいる」「トンチャンノオハカ」の三短篇を収め、
巻頭に谷川の詩「夏が来た」を収録。
新たに谷川による〈あとがきエッセー〉を付して、新装版として刊行。
内容(出版社内容紹介より抜粋)

ふたつの個性。

本書は二人の偉大な才能による合作小説。
完璧な調和の中にあって、決して交わらない個性に、
これぞ合作の模範と唸りました。
良作。

内容は短編三つに巻頭の詩が一編。
そして巻末に佐野洋子さんの(谷川さん宛の)手紙が
初収録となっています。
どれも短いので内容には触れませんが、
谷川さんのそれは非常に抽象的であり、どちらかと言えば寛容。
対して佐野さんはやや現実的であり、厳格な何かを感じました。
勿論、どちらも素晴らしい体験(読書)であったことを断言します。

また僕のお気に入りは「安心してここにいる」の佐野さんのパート。
それは前後半あるのですが、特に前半の父兄参観の話が印象に残ります。
こちらも多くは控えますが、子供を独立した人格として扱う、
そんな佐野さんの優しさみたいなモノに共感を覚えました。

イラストもまた素敵です。
郷愁を誘うおたまじゃやくしやあめんぼ、
都会的なシュールレアリズムやサイケデリックな画。
どれも良いのですがなんと言っても女の子がチャーミングです!
あの冷たい目と、ぷりぷりとしたお尻。
カワイイとはちょっと違うかも知れないけれど、
目が離さなくなる魅力があります。

最後に。
本書の希少価値は論を俟たないと思います。
男女の事だから他人が知る由もありませんが、
二人が夫婦になったこと自体が奇跡的だと思うし、
反対に僅か六年で離婚になったのはある意味で当然だったと
(本書を読んで)強く感じました。
こんなに完璧な調和をなす作品にあっても、
決して交わらないふたつの個性ですからね?
たった一作品であっても偉大な才能の合作が残されたこと、
僕達読者の幸運です。

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離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

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