小野寺史宜『夜の側に立つ』読了

誰にだって秘密はある。
あいつがいなくなればと思うことだって、一度くらいは―。
十代、二十代、三十代、そして四十歳になろうとする、いま。
四つの時間軸を縦横無尽に行き来して描かれる、
残酷にして誠実な青春の残滓。
内容(「BOOK」データベースより)

躊躇してはいけない。

本書は親友の死をきっかけに
二十年振りに動き出した青春の『終わり』を描いた作品。
”それ” が判るまで必要だった時間に、
どこか暗い共感を覚えます。

内容はバッサリ略で一言、非常に面白かったです。
友情、恋愛、家族、性に人生と
割りと多くのテーマが盛り込まれており、
作中の映画『東京二十三夜』ではないけれど

わかるようなわからないような話(本文より)

だった様な気もします。
けれど、それは決して嫌な感じと言う訳ではなく、
ただ単に(僕が)主題を特定することが出来無いだけのコト。
むしろ、人生を四つの時間で区切り、
交互に描ききったバランスの良さが際立ちます、
また仲間との(大げさに言えば人生の)対比も、
ありがちではあるけれど絶妙です。
主人公・野本がモテ過ぎるのがちょっと納得いかないけれど(笑)
それでも男の僕からしても彼は何故か惹きつけるところがあり、
最後まで飽きさせることがありませんでした。

ただし、些か後味の悪いラストだけがちょっと残念……
と言うか惜しい気がします。
それは本作の雰囲気(ありていに言えば世界観)から
明らかに浮いており、僕はラスト10ページがもう少し違っていたら、
躊躇無く「佳作」にしていました。
それでも多くの方にひろく(浅く^^)お勧めです。

最後に。
月並みではありますが、人生って本当に意地悪ですよね。
大切なコトが判るまで時間がかかり過ぎます。
例えば人命救助のため迷わず線路に飛び込んだ壮介。
誰もが彼みたいなスターになる必要は無いけれど、
好きな人には “躊躇なく” 好きと伝えなくちゃいけない。
悩んだり、イジケテイル暇なんて無いんですよね。
僕も”それ” が判るまで、こんなに時間が掛かってしまいました。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ FC2Blog Ranking
 励みにしますので、宜しければクリックをお願いします。
テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

Tag:読書  Trackback:0 comment:0 

Comment

comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫17歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒4歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
ユーザータグ

読書(977)
(600)
one_day(537)
ex_girlfriend(341)
my_ex(211)
ロックンロール(198)
アルコール依存症(176)
タラレバ娘(111)
自転車(34)
縦結びの人(6)

検索フォーム
FC2カウンター