村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』読了

もし僕の墓碑銘なんてものがあるとしたら、“少なくとも最後まで歩かなかった”と刻んでもらいたい―1982年の秋、専業作家としての生活を開始したとき路上を走り始め、以来、今にいたるまで世界各地でフル・マラソンやトライアスロン・レースを走り続けてきた。村上春樹が「走る小説家」として自分自身について真正面から綴る。
内容(「BOOK」データベースより)

肉体の利用する。

本書は村上春樹による一冊。
走ることを通して自身の内面を掘り下げており、
エッセイを超えた著者の肉声がそこにはありました。
良作。

内容はバッサリ略で一言、非常に良かったです。
それ程多くはないのだけれど、
僕が読んだ『村上春樹』の中でも間違いなく上位に入ります。
特にエッセイだけなら1番かも。
大雑把に言えば、肉体との付き合いかた(利用の仕方)、
精神との関連性、その考え方みたいなモノに、
おこがましいけれど僕と類似性を感じました。

ある種のプロセスは何を持ってしても変更を受け付けない
継続すること - リズムを断ち切らないこと
時間をかけることがいちばんの近道

感銘を受けた箇所は両手で足りません。
その多くは、走って、続けて、つまずき、受け入れて。
しかし決して諦めない(諦めなかった)著者のシンプルな一言。
とても静かで、重みのある肉声が、深く深く僕の中に沈みました。

それでも強いて一つを選ぶとしたら僕はキッパリと次の言葉を。
それは

腹が立ったらそのぶん自分にあたればいい。
悔しい思いをしたらそのぶん自分を磨けばいい(本文より)

この発言の経緯や詳細については皆様にご確認していただくとして、
僕は過去にどうしても酒が飲みたくなった時のコトを思い浮かべました。
つまらない話なので端折りますが、僕は酒が飲みたくなった時、

自転車で走りました。

どこまでも走りました。帰路は考えず、兎に角走りました。
今もそうです。飲みたくなったら、悔しかったら、泣きたくなったら
自転車で走り、身体を痛めつけます。自分磨きは二の次だけれど、
とりあえず酒を飲んで自分を痛めつけるよりはずっと良い。
そう信じて、僕は自転車で走っています。

悔しいときは、自分の肉体を痛めつける。

それは精神を守るための肉体の利用方法(の一つ)なんですよね。
全ての方にお勧めするわけではないけれど、
著者と同じく(大変おこがましいけれど)僕もそう考えています。

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離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
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