東野圭吾『希望の糸』読了

死んだ人のことなんか知らない。あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない。
内容(「BOOK」データベースより)

ふざけんな。

本書は「加賀恭一郎シリーズ」の最新作。
血の繋がりと、その意味を問いかけており、
考えさせられるコトの多い作品です。
しかし……。

悲劇を乗り越え、夫婦に託された希望の子
突然の「巡り合い」が齎した光と影
そして
家族の条件としての DNA

内容はバッサリ略で一言。決して悪くはない作品です。
少なくない箇所でご都合主義が行き過ぎており、
興醒めも無くはなかったけれど、
重いテーマを水平方向に展開し、上手く料理していました。
またシリーズの強みを存分に生かし、
お馴染みのキャラクタが “らしく” 動いています。
その点は流石の安心と安定の『東野圭吾』だったと思います。
また絶対的な悪人や悪意も無かったし、
ミステリィと言うよりある意味での哲学的な作品になるのかな?
その点も本書をもう一つ高めていたと思います。
しかし……。

これは個人的な感想ではありますが、
ただ一箇所だけ、どうしても受け入れることが出来ません。
もっと言えば、その箇所を目にした瞬間

ふざけんな。

思わずそう漏らしてしまいました。
そして読後の今でも、そうした著者の意図が全く判らないんですよね。
どう考えても、その箇所は全くの余計なモノとしか思えなくて。
直前の朗報からの落差があまりにも……あまりにも激しく、
語弊を恐れずに言えば、僕はそこに著者の “厭らしさ” をみます。
(因みにその箇所はP316-8行目と、以降の26節終わりまでです)

最後に。
しかしながら、本書は「加賀恭一郎シリーズ」の名に
決して恥じることのない及第作に間違いありません。
多くのファンはきっと満足されると思います。
ただ僕が僅か一箇所をどうしても、どうしても許せない。
それだけの話です。

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ジャンル : 小説・文学

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離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

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