米澤穂信『Iの悲劇』読了

一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香。出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和。とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣。日々舞い込んでくる移住者たちのトラブルを、最終的に解決するのはいつも―。徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!そして静かに待ち受ける「衝撃」。これこそ、本当に読みたかった連作短篇集だ。
内容(「BOOK」データベースより)

コンパクトシティ。

本書は限界集落の問題を炙り出す連作短篇集。
Iターン事業における行政側の本音と建前に、
考えさせられるものがありました。

都合が良すぎる失火
親睦会の食中毒事件
円空仏の祟り
そして
転出を促すみえない力

内容はバッサリ略で一言、面白かったです。

初出のある比較的長い4編には、簡易ながらもトリックがあり、
ミステリィとしてもそれなりに楽しめます。
また、それ以外の書き下ろしの4編は
作品に一本の柱を通す役目を果たしている。
単独では兎も角、連作とするには欠かすことの出来ない話
ではあったと思います。
結果、各話の強度(?)にバラツキを感じたけれど、
全体を通してみれば「面白さ」より「上手さ」が目立つ。
そんな一冊だったと思います。
いささかブラック成分はあるものの、過激な犯罪や被害も無く
ひろく多くの方にお勧めです。

ネタバレに直結してしまうので内容には触れません。

ただ、本作で示された「Iターン事業」への疑問。
ひいては限界集落に対する行政のあり方について、
僕は

コンパクトシティしかない

そう考えています。
勿論、歴史や住民感情を蔑ろにするつもりはないので、
何が何でもコンパクトシティじゃなきゃダメ!!とは言いません。
わが国は民主主義ですからね?全ては選挙で決めれば良く、
僕なら(作中の)飯子市長には投票しない。それだけです。

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離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
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