赤松利市『隅田川心中』読了

浅草で働く大隅一郎は、喫茶店の店主・小川からアルバイトの咲子の相談に乗ってくれと持ちかけられる。「父親の借金返済のために愛人にしてほしい」と咲子に言われて心を躍らせる。同衾を果たした末に、「あなたの子供を産みたいの」と懇願されてしまう――もう一度だけ恋がしたくなる、大人の暴走特急恋愛小説!
内容(「BOOK」データベースより)

恋より性。

本書は老人男性の恋を描いた一冊。
令和の時代にあって、昭和の香りが色濃くありました。

内容はバッサリ略で一言、割と良かったです。
それはタイトルに “心中” とあって身構えていたのだけれど、
存外に暗くはなく、むしろお気軽に楽しめたから。

物語は老人男性・一郎が薄幸な女性・咲子に入れこんだ結果、破滅する。
大雑把に言えばこれだけです。
そこに老人の「恋」以上に「性」が延々と続き、
小説と言うよりオッサン向けのゴシップエロ雑誌に近いと感じました。
けれど、それほど嫌悪感みたいなモノは無かったですよね。
つまり僕がオッサン(老人)ってコトなんだけれど(笑)

それでも、二人の最後(最期)は心中です。
当然、一郎と咲子は死ぬしかない状況・心理状態に追い込まれるのですが、
特に咲子の事情は哀れで仕方がありません。
それは昭和テイストのハッキリとした「胸糞」であり、
読者はこの点には留意が必要かもしれません(女性なら特に)

以上、本書はエロと恋とコメディと欝が、おおよそ 6:2:1:1 となった一冊。
タイトルほどに陰鬱ではなく、
結末を除けば雑誌のエロ記事みたいに、頭を空っぽにして楽しめます。
特に一郎の年齢・64歳プラスマイナス15歳の男性にお勧めです。

蛇足でレバ刺しについて。
作中、咲子の相談に乗る一郎は、
彼女と共に浅草のとある焼き肉屋を目指します。
そこには看板に「焼きレバー」なるメニューが掲げられており……。
その続きは本書をご確認していただくとして、
僕は思わず「その店は何処だ!」ってなったんですよね。
レバ刺し愛好家の一人として、聞き捨てならない情報だったからです
(因みに本書に出てくる店は全て実在・実名とのコト)。
ただ、ネタバレを避けつつ、先に謝っておきますが、
ご存じの通り、いまやレバ刺しは法律違反となっています。
本書を読んでも、ココの「焼きレバー」を見つけるコトは難しいでしょう。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ FC2Blog Ranking
 励みにしますので、宜しければクリックをお願いします。
テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

Tag:読書  Trackback:0 comment:0 

Comment

comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫20歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒6歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
月別アーカイブ
ユーザータグ

読書(1345)
(891)
one_day(721)
ex_girlfriend(342)
ロックンロール(234)
my_ex(214)
アルコール依存症(202)
タラレバ娘(131)
自転車(41)
縦結びの人(41)

検索フォーム
FC2カウンター