朝井リョウ『正欲』読了

あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ――共感を呼ぶ傑作か? 目を背けたくなる問題作か? 絶望から始まる痛快。あなたの想像力の外側を行く、作家生活10周年記念、気迫の書下ろし長篇小説。
内容(出版社内容紹介より)

繋がっても、繋がらなくても良い。

本書は “多様性” にある、もう一つの側面を描いた一冊。
崇高な理念であっても、結局は個人に帰依する様子がありました。
秀作。

内容はバッサリ略で一言、とても良かったです。
それはテーマやストーリィよりも圧倒的に人物の描写。
「朝井リョウ」は若手で一番の “エグる” 作家だと思うのですが、
本作も期待を裏切らず、むしろいつも以上に圧倒されてしまいました。

今回は(も)テーマが機微に触れるので、個人的な意見は控えます。
ただテーマとはちょっと違った意味・角度から

人は誰かと繋がっても良いし、繋がらなくても良い。

僕はそう感じてしまいました。
勿論、必ずどちらか一方に……ってコトではないですよ?
繋がりたいときは繋がれば良いし、繋がりたくないときは離れれば良い。
本作も(著者らしく) SNS が大いに活躍しますが、
(性癖に限らず)あらゆるジャンルのマイノリティは勿論、
そうでないマジョリティも。
繋がりを求める時は、SNS を積極的に活用すれば良い。
割と強くそう感じました(離れるのも比較的容易ですしね)。

結局、崇高な理念(例えばダイバーシティとか)に集まる仲間だって、
お互を 100% を知ることも、理解することも出来ないのです。

書いていて自分でも哀しいし寂しいのだけれど、
ある程度の「割り切り」は自分の為だけではなく、お互いの為。
そう自分を説得して僕は生きています。

以上、本作は多くの方に自信を持ってお勧めしたい作品。
願わくば一人きりの時間・空間で
(例えばその時だけは恋人とも別の部屋になって)
自分の内面と対話しながら読んで欲しい。控えめにそう思います。

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離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

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