朝井リョウ『星やどりの声』読了

星になったお父さんが残してくれたもの―喫茶店、ビーフシチュー、星型の天窓、絆、葛藤―そして奇跡。東京ではない海の見える町。三男三女母ひとりの早坂家は、純喫茶「星やどり」を営んでいた。家族それぞれが、悩みや葛藤を抱えながらも、母の作るビーフシチューのやさしい香りに包まれた、おだやかな毎日を過ごしていたが…。
内容(「BOOK」データベースより)

巣立ち。

本書は父を亡くした家族7人の物語。
それぞれに悩み、もがきながらも、自分なりに家族を、家庭を守る。
そんな彼等の姿に眩しさと羨望と共感が 1:1:1 となりました。
良作。

ここからは一言感想を。

『長男 光彦』
しっかりお兄ちゃんしています。スーツが似合わないけれど。
先生だってちゃんとしています。ネクタイが曲がっているけれど。

『三男 真歩』
ハヤシ君に貰った心みたいなモノは、
きっと君を強くて優しい男にするでしょう。
これからも大切にして欲しいな。

『二女 小春』
小春(と次章の凌馬)の気持ちが、僕にも判るような気がします。
親の愛は独占できると信じて疑わない。
そんな傲慢な子供の頃の僕を、思い出しました。

『二男 凌馬』
惚れた女の為にお弁当を作る男。最高に格好良いですよね。
お父さんの言う通り、凌馬は必ず良い男になります(断言)。
ただし、その恋はちょっと無理かな……(同情)。

『三女 るり』
悩みの無い人なんていない。それに気付いたるりは優しい子。
また悩みの本当のトコロは当人にしか判らないのだけれど、
それがもどかしいし、その人を愛している人ほど悩むんだと思います。

『長女 琴美』
琴美はエスパーです(キッパリ)。因みに彼女の能力は
テレキネシスでも、テレポーテーションでもなく、テレパシー(精神感応)。
亡き父から託された『愛情』と言う名の超能力です。

ラストは寂しいと思われる方もいらっしゃると思います。
でも僕はよろこび(祝福)の方が大きく感じたんですよね。
大好きな人がココではない、見知らぬ世界へ羽ばたいて行く。
これ以上に嬉しい別れなんて、たぶん無いと思います。

以上、本書は家族の絆を温かい視点で描いた作品。
テキスト量も少なく、大変に読みやすいので、
ひろく多くの方にお勧めです。

蛇足:
IMG_20211010_155606.jpg
初版、P245-7行目。
『あ、小春って、さっきの。双子の妹なの。学校で見たことない?』の
“妹” は “姉” の誤りだと思います。
(文脈から言って小春のコトですよね)

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Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

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長女:える(雉猫20歳) 泣き虫で臆病。温厚だけど父ちゃんには我儘な女王様。妹がちょっぴり苦手。職業:父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒7歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。お姉ちゃんともっと遊びたい。職業:父ちゃんの邪魔。
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