西條奈加『まるまるの毬』読了

親子三代で菓子を商う「南星屋」は、売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨てて職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永とひと粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。
内容(「BOOK」データベースより)

自分で選んで良い。

本書は第36回(2015年)吉川英治文学新人賞受賞作。
家族の温かい絆の数々に、一足早い春を感じるコトが出来ました。
佳作。

ここからは一言感想を。

『カスドース』
お菓子とお下賜。人生のきっかけと共に災いももたらして。

『若みどり』
幼い弟子候補に与えたあまりにも厳しい条件。これを愛としなくてなんとしよう。

『まるまるの毬』
不貞した夫を、父を。母娘は許さなくて良い。けれど許したって良い。

『大鶉』
弟の代わりに道化を演じた兄。それを見守った家族。大鶉になった弟は最高の恩返し。

『梅枝』
恋を知らぬ娘。いきなり突き付けられた選択。これでは祖父も母も心配でしょう。

『松の風』
娘の門出を慶び、しかしウラには一抹の寂しさもある。父の心境を見事に捉えた一作。

『南天月』
お君ちゃんが可哀想すぎる。
せめて彼女が(不本意でも)選んだ決別と決意が、幸せをもたらしますように。

以上、本書はお菓子を題材とした家族の物語。
正直、思いのほか甘さは控えめだし、
かすかなショッパさや苦みを感じるコトさえありました。
けれどこれが本当の和菓子なのかも知れませんね。
僕は和菓子をほとんど知らないのだけれど、
それでも死ぬまでに出来るだけ多くの和菓子を頂きたい。
「南星屋」をみていたら、そんな邪な(?)気分にもなっちゃいました。
甘党、辛党に関係なく、どなた様にも自信を持ってお勧めです。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ FC2Blog Ranking
 励みにしますので、宜しければクリックをお願いします。
テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

Tag:読書  Trackback:0 comment:0 

Comment

comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

yuki

Author:yuki
離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
ロックと読書好き。でも酒と煙草をやらないストレート・エッジです。

娘達
長女:える(雉猫享年23) 臆病で泣き虫。けれど誰よりも強くて優しい子。僕の宝物。職業:これからもずっと父ちゃんの監視。

次女:ふう(白黒9歳) 暴れん坊で食いしん坊。皆が食べているものは私も食べる。いまもお姉ちゃんを探しちゃう。職業:父ちゃんの邪魔。
月別アーカイブ
ユーザータグ

読書(1717)
(1230)
one_day(922)
ex_girlfriend(343)
ロックンロール(252)
アルコール依存症(243)
my_ex(214)
タラレバ娘(131)
自転車(45)
縦結びの人(41)
漫画(21)

検索フォーム
FC2カウンター