馳星周『美ら海、血の海』読了

東日本大震災発生から3日後、
石巻に入った老人・真栄原幸甚は眼前の惨状に、
60数年前、戦時下の光景を思い出す。
1945年、日本は敗色濃厚。14歳、沖縄一中の生徒だった幸甚は、
鉄血勤皇隊として強制的に徴用される。ついに米軍は沖縄へ上陸。
あまりに苛酷な地獄を見る。
内容(「BOOK」データベースより抜粋)

まさかの戦争小説。

本作でも著者一流の ”生” と ”死” が描かれています。
でもそれはノワールが描く ”虚無” ではなく、
純粋なまでの ”悲哀” でした。

本書は著者初のオリジナル文庫であり、
集英社文庫のホームページに連載されたもの。
執筆中に愛犬ワルテルの闘病があり、
連載終了とほぼ同時に死を迎えるという悲しい別れがありました。
そのワルテルの為、軽井沢に居住を移すほど彼を愛していた著者の事
その心痛はこの作品に描かれた ”らしくない” 湿った筆に顕れていました。
愛する者と共に生きる喜び、死別の例えようもない哀しみ。
それらが主人公の幸甚と敏子に姿かたちを変え、色鮮やかに描かれる。
あとがきにありましたが『まさか馳星周で』には僕も同感です。
でも著者お得意の ”虚無” も、きっと ”悲哀” と同じことなんですよね?
本作で著者を別角度から見られました。


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離婚と断酒。娘達(雉猫と白黒猫)と三人(?)の日々を綴ります。
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